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『リコリス・リコイル』千束の能力を全力検証!

『リコリス・リコイル』は、もうビックリするほど面白い!
2022年に放送された全13話のオリジナルアニメーションで、何度も見返した。
錦木千束にしきぎちさとと井ノ上たきなのバディ関係がとっても魅力的だし、脇を固めるミズキ、クルミ、ミカたちもスバラシクいい味を出している。
回を重ねるごとに、キャラたちが愛しくなり、応援したくなっていく物語だ。

一方で、背景の世界観は不穏で、そのアヤシイ雰囲気も話が進むにつれて増していった。
舞台は「治安のよさで定評のある日本」。
首都東京にも大きな犯罪は起こらず、それは自分たちの気質がそうさせているのだ……と人々は思い込んでいるが、実はその裏には、犯罪者を極秘に抹殺する治安維持組織「DA」の存在があった。

DAは孤児を集めて特殊な訓練を施し、「リコリス」と呼ばれる女子たちを育成している。
リコリスは、犯罪を未然に防ぐための殺人を許可されており、女子高校生に偽装して街なかに潜伏している。
そして、事件が起こると極秘に対処。
事件は事故として報道され、悲劇は美談にすり替えて広められる。
その結果、日本は平和に見える……という仕組みになっているのだ。
それだけリコリスの活躍がすごいともいえるが、その存在は一切ヒミツで、任務で命を落としてもすべて隠される。
リコリスたちが不憫でもあり、真実が知らされない社会の不健康さも感じる。

もう一つの不穏な要素は、「アラン機関」の存在だ。
スポーツ、文学、科学、芸能などあらゆる分野の天才を見出して無償の支援を行う組織で、多くが謎に包まれている。
慈善団体のように見えて、そうではない。
機関がその人のどんな才能を認めたかは、本人にも伝えられないが、支援を受けた「アランチルドレン」は、その才能を世界に届けなければならない。
主人公の千束もチルドレンの一人で、彼女が認められたのは「殺しの才能」だった……!

『リコリス・リコイル』の舞台は、こういう「一見よさげに見えるけど、実は深い闇が広がっている世界」なのだ。
そこにおいて、千束は底抜けに明るく前向きに生きている。
たきなも彼女と出会って、少しずつ生き方を変えていくことになる。

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