くしゃがら(元障害児の逃走と闘争)

難病と精神障害者手帳持ちの30代男性。24から大学入って社会福祉士の資格とって働いてま…

くしゃがら(元障害児の逃走と闘争)

難病と精神障害者手帳持ちの30代男性。24から大学入って社会福祉士の資格とって働いてます。

最近の記事

#04 素晴らしい人間になろうと思うな

祖父が亡くなったのは俺が19の時でした。当時の俺は病院で看護助手の仕事をしていて、正直いうと長く入院していた祖父のことをそれほど思いやっていませんでした。 容態は心配していたけど、それ以上に祖父と叔父の親子喧嘩が年々深刻になっていたことの方が問題に感じていました。祖父はよく裁ち鋏を握って怒鳴っていたので、入院してある意味、安心しました。 祖父はお寺の住職をしており、その為か金勘定がガバガバで、叔父が成人する頃にはよく分からない借金を作っていて、そのことでいつも叔父は苛立って

    • #03 大人になったらわかったよ

      ふと自分が何故こんなに子供の時のことを覚えているのか疑問に思い、考えてみると。 なるほどなるほど。 母親が何度も話してくれたからだ。 こんなに辛いことを乗り越えたんだからお前は特別なんだよ、人一倍幸せになれるんだよって。 絵本を読み聞かすみたいに、自分に言い聞かせるみたいに。 その夜はシトシトと小さな雨が降っていたというのがお決まりの前口上で、場面は深夜の某病院の廊下に移ります。 ドラマや映画でありますよね。患者の家族が廊下で黙って手術が終わるのを待つシーン。あれを実際に体

      • #02 そういや、いつかもこんな雨だった

        前回すごく私小説っぽかったので、しばらくそういう方向性でやっていこうと思います。 とかく ある日、目を覚ましたら腕やら足やら頭やら至る所からビニールの管が伸びていた俺は、やがて状況を理解します。 母親の入院中、祖父母の家で預けられていた俺は、何の前触れもなく高熱にうなされ、地元の市民病院で診てもらうも「ただの風邪です」と門前払い。 無理やり退院してきた母親が看病しても良くならず、そしてある雨の日の夜、完全に動かなくなった。 もう市民病院は当てにならないと家の車で他市の病

        • #01 一番古い話

          結論からいうと、俺が5歳の頃に患った難病というのは、抗リン脂質抗体症候群という指定難病の一種です。 抗リン脂質抗体症候群の症状は、 『動静脈血栓症や妊娠合併症以外に、心臓の弁の異常(弁膜症)、四肢にみられる網目状の皮疹(網状皮斑)、血小板減少、腎障害、神経症状などがみられることがあり、抗リン脂質抗体関連症状とよばれています。 また、まれですが多臓器の血栓症、臓器障害をきたし、急激な経過をとり致死率の高い劇症型APSという病型もあります。』 ネットで調べるとこんなふうに出て

        #04 素晴らしい人間になろうと思うな

          はじめまして

          はじめまして、今年で33歳になった男、くしゃがらです。 子供時代の病気の体験談を書きます。 今回は、あいさつ兼現状報告です。 令和6年は新年早々不幸なニュースが続きましたが、なんと不幸の波はやっすいアパートに住む弱者男性さえ見逃してくれず、親の介護等々で実家に帰ることになりました。 33歳で親の介護云々は早くないか?ってよく考えてみたけど、一生懸命に仕事をしてヘトヘトになって帰ってきて夕飯作るのも億劫なうちに居眠りしてしまって23時ぐらいに目が覚めて、「あ、夕飯食ってねー