#04 素晴らしい人間になろうと思うな
祖父が亡くなったのは俺が19の時でした。当時の俺は病院で看護助手の仕事をしていて、正直いうと長く入院していた祖父のことをそれほど思いやっていませんでした。
容態は心配していたけど、それ以上に祖父と叔父の親子喧嘩が年々深刻になっていたことの方が問題に感じていました。祖父はよく裁ち鋏を握って怒鳴っていたので、入院してある意味、安心しました。
祖父はお寺の住職をしており、その為か金勘定がガバガバで、叔父が成人する頃にはよく分からない借金を作っていて、そのことでいつも叔父は苛立って