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手抜き介護 97 補聴器を使え

昨日の病院で最初にかかったのは、耳鼻科だった。代診のドクターは威圧的で、自分の言葉を訊き返されることにご立腹。補聴器は使っていないのかと言われて、父が「もう年だから」と返したら、さらにムカついたらしい。

補聴器もどき(集音器)なら家にある。母に何度もしつこく言われて買ったが、結局1度も使っていない。野生児の父にとって、そういうものは煩わしいだけ。でも医師は、正論で迫ってくる。

「会話が減ると、認知症になるよ! そんな自分に合ってもいないオモチャなんか、何の意味もない。次来た時に聴力検査して、ちゃんと合う補聴器を作らないと!」

大声で、有無を言わせない勢い。まあ、聴力検査くらいしても良いから次の予約を入れたけど、センセ、そんなもんじゃないんですよ。「会話が減ると認知症に」は否定しない。理屈は分かる。でも、父はもともと人と会話しない。「ちゃんと合う補聴器」があっても、本人がつけなきゃ意味がない。そういうものが扱える人ばかりじゃないんですよ。

いつもの医師ならその辺が分かっていて、良くも悪くも1分診療で終わるんだけど、昨日の先生はやたら時間が押していた。高い志と情熱を掲げて、「アホな患者が多くて困る」と嘆いているのに違いない。

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