見出し画像

口語俳句 作品集 14 〜ヨットの帆〜


「 ヨットの帆 」
~口語俳句〜

絵はがきの風車とともに夏が来る


ざわざわと日かげもうごく葉桜よ


島々よよくはためいてこいのぼり


ちんもくにちんもく返す武者人形


やどかりよ巻きこんで引く波の音


瀬戸うちの島、波、月日、大夕焼


虹一重そらにしんじつのこるまで


この街よすこし見なれて土手の虹


目つむってまたふるさとへ遠い夏


風鈴よ夜々生きたさがあるばかり

葉ざくらよかげとひざしの珈琲店


ものおもいかこへみらいへ風鈴よ


あさってへはなびらを垂れ燕子花


からの巣よもうおもいでの燕の子


むこうにもせかいかがやく噴水よ


田一枚間をうつくしく植えてこそ


かきつばたかげも花咲く水のうえ


竹林よあしもとにまでみどりさす


どこに耳すましても山ほととぎす


いまの世におもいでの世に蛍とぶ

行く雲よ風いっぱいにヨットの帆


前半身海光のなか────白日傘


空にきえ空にあらわれつばめの子


夕空よそまりそまらずヨットの帆


目とじて耳だけになるふうりんよ


一つ鳴く山そのもののかっこうが


かき氷かきくずしてはほおばって


地方すでに人少なくてふんすいよ


いつからかまっただなかに蛍の夜


消灯よ大地とねむるキャンプの夜


05月06日〜05月16日


現代語・現代仮名づかい・現代的切れ字
を基本にして詠んだ作品集です

ふだんの話し言葉・記号・句読点・
カタカナ・外国文字・アラビア数字・分かち書き

なども活かして必要最小限使用しています


下記は、俳句における
文語・口語の大まかな図です

◇文語=文語体=古典語=古い時代の文体

◇口語=口語体=現代語=書き言葉(文語体)
         ∟==話し言葉(口語体)


◇仮名づかい 歴史的仮名遣い 現代仮名遣い

◇その他 記号・句読点・外国文字など


◯使用している切れ字について

この作品集では
現代的な切れ字を使用しています

「現代切れ字 十八字(推奨)」
よ・か・ぞ・と・に・へ・せ・で・まで
ず・れ・け・た・が・て・は・な・こそ


◯生成AIの利用 について

下記は、生成AIによる鑑賞・比較・意見を参考にして、自分で推敲・完成させた作品です。

◇生成AIに担当してもらった点

ちんもくにちんもく返す武者人形 2つの案の比較

やどかりよ巻きこんで引く波の音 句意が通じるか

虹一重そらにしんじつのこるまで 2つの案の比較

葉ざくらよかげとひざしの珈琲店 句内の語の比較

むこうにもせかいかがやく噴水よ 句内の語の比較


◯俳句の目標 

いま心にとめているもの
取り組んでいるものを挙げておきます

「表現の新と万象の真」「驚きと感動の詩」

「一新一真」「都市詠の探求」「一句新世界」

「ものごとの花」「沈黙の美」「内的宇宙」


◇ 今回のメモ ◇

口語俳句は、現代語でつくる俳句

俳句は現代語でも、古典語でもつくれる

つくりやすい方でつくって楽しめる

どちらにも佳句・秀句はある


いつも
ご覧いただき
ありがとうございます


◇ 関連記事 ◇


この記事が参加している募集

習慣にしていること

私の作品紹介

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?