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現代俳句 〜次の美意識と境地へ〜 小エッセイ

俳句にご興味のあるnoteのみなさまに俳句の様々なことについてご紹介していく記事です


はじめに

「ものごとの花」「沈黙の美」「内的宇宙」

上記のことを俳句作品にあらわす取り組みを、2021年からつづけてきました。

その取り組みで生まれた作品は、上記の作品集に主におさめました。

今回の記事は、その続きになります。


現代俳句
〜次の美意識と境地へ〜

日本古来の美意識・心の境地は数多いです。

雅・無常・もののあわれ・をかし・幽玄・風流・わび・さび・軽み・粋・自然美・めでたさ、等々。

時代ごとに細かくみていけばさらに増えると思います。

それらは現代の俳句でいうと「俳句理念」にあたるようです。

「どういう美意識、心の境地、考え方を基本にして俳句を詠むのか」といったことです。

現在でも、俳句結社の多くが様々な俳句理念を掲げていて、それに基づいて日々作品が詠みつづけられています。


noteで個人的な活動をしていくなかで、

俳句の目標として、下記のことを作品に詠みあらわす取り組みを少しずつ進めていければと思っています。

「表現の新と万象の真」「驚きと感動の詩」

「一新一真」「都市詠の探求」「一句新世界」

「ものごとの花」「沈黙の美」「内的宇宙」

「三物一句」「風情の継承」「平明深遠の詩」

*3項目追加しました


【表現の新と万象の真】

「表現の新と万象の真」は、新しい表現の仕方で、万象の真理を一つ一つ詠みあわらしていこうという試みです。

「表現の新」は、新鮮な俳句表現や、表現の仕方をたえずさぐっていくこと、

「万象の真」は、万象のなかに秘められた真理を一つ一つ見いだしていくこと、など。


【驚きと感動の詩】

「驚きと感動の詩」は、優れた俳句作品には新鮮な驚きと深い感動が同時に秘められていることが多いといったことです。

驚きとは読んではっとする機知のこと、感動とは読んだあとのしみじみとした余情のこと、

俳句の基本として、作品のなかにそれらを秘める努力をしていくこと、など。


【一新一真】

「表現の新と万象の真」を一語に集約したものです。

目標とする内容なども同じです。


【都市詠の探求】

「都市詠」は、都市を詠むことです。

四季折々の都市の美、またそこでの暮らしの真を俳句に詠みあらわすこと。

「都市詠の探求」は、個人的にこれまであまり取り組んでこなかった都市詠を、「美」と「真」を基本にして探求していこうという試みです。


【一句新世界】

「一句新世界」は、俳句一句で新しい世界を切りひらいていこうという試みです。

それは日々の小さな目標でもあり、長年の大きな目標にもなりそうです。

日々の目標として、新鮮な発見などを一つ一つ俳句に詠みあらわしていくこと、

長年の目標として、一句で俳句の新世界、心の新境地を切りひらくこと、など。


【ものごとの花】

「ものごとの花」は、古来からある「花」の概念を俳句に取り入れ、活かしていこうという試みです。

一つ一つのものごとの花を詠むといったことです。

「花」とは、人が心で観じる花、春夏秋冬すべてのものごとの花、花と咲いた姿、めずらしさ、おもしろさ、もっとも大切な見せ所など。


【沈黙の美】

「沈黙の美」は、作品内であれこれ語らず、むしろ黙ることで生まれる美を探っていこうという試みです。

もの言わない文芸である俳句本来の「沈黙」を活かしきるといったことです。

「沈黙の美」とは、作者が一歩引いて黙すこと、作品内でものを言わずにもので示すこと、語らずに伝えること、そこからにじみ出てくる美、など。


【内的宇宙】

「内的宇宙」は、人間とその暮らしや山川草木の内にふと感じる宇宙を探っていこうという試みです。

外的な宇宙空間ばかりでなく、万象のなかに感じる宇宙を詠むといったことです。

「内的宇宙」を詠むとは、この世界との直覚の対話、言葉にはできない言外の感覚・世界を作品の内に込めること、など。


「三物一句」

「三物一句」とは、3つの物で1句を構成して俳句を詠んでいく試みです。

1・2つの物で1句を構成するより少し難易度が上がります。

その作品には、深みとともに、より描写が効いて型が安定したものが多い傾向もありそうです。

古池や蛙飛びこむ水の音   古池・蛙・水
荒海や佐渡に横たふ天の川  荒海・佐渡・天の川暑き日を海に入れたり最上川 日・海・最上川


「風情の継承」

「風情の継承」は、古来の風情をよく解して、それを現代の俳句に活かしていく試みです。

物事の風情をよく味わい、それらを月並ではなくより新鮮に俳句に詠みあらわしていくこと。

時代とともに少しずつ心から忘れさられつつある風情を、現在の自然やふだんの暮らしのなかに再発見していくこと。


「平明深遠の詩」

「平明」は、わかりやすくはっきりしているさま「深遠」は、内容が奥深くはかりしれないさま

言葉が平明でわかりやすく、内容が奥深い作品が、より読者の心に伝わりやすく響きやすいということ。

俳句は言葉。言葉はよく伝わってこそのもの。そのうえで何を詠み伝えたいのかということ。


これらは個々別々の目標でもあり、ときに連携連動する目標ともなりそうです。

11項目は大変多く、大きすぎる目標も一部ふくまれていますが、現代語を基本にした現代俳句でこれらを順々にさぐっていきたいと考えています。

俳句において「美意識・心の境地」と「作品」は車の両輪だということ、また俳人がつくる俳句としてそれに取り組むことが、AIなどの技術が普及していくこれからの時代でより重要になる可能性があることも感じました。


いつも
ご覧いただき
ありがとうございます


*個人的な目標、考えを短く記しました

*至らない点、充分に書き尽くせていない部分もあると思いますがご容赦ください

*俳句については個人・団体によって様々な考え方や見解があります


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