【連載】ターちゃんとアーちゃんの歳時記 弥生
卒園式
今日は、ターちゃんの卒園式。年少のアーちゃんは、お休みです。
「あっという間だったね」
ママは、ターちゃんが初めて登園した時のことを思い出しました。
嫌がるターちゃんを何とか宥めながら、ママは園まで送ります。
だけど、それからが大変。先生にターちゃんを預けて、ママは心を鬼にして振り返らずに帰ります。
「ママーっ、ママ-っ」
ターちゃんと一緒に泣きながら……。
「一ヶ月、毎日が戦いよ。大変だったわ」
ママはしみじみとあの頃を振り返ります。
年小の時の盆踊り。
友達が輪になって踊っているのを後目に、ターちゃんは櫓の柱にしがみ付いたまま、それに加わることはありませんでした。
それにはパパもママも苦笑いするしかありませんでした。
園でのお泊まり会では、
ターちゃんはおねしょが心配で、自ら替えのパンツを2つリュックに入れました。
運動会のかけっこでは、
ターちゃんは先頭でテープを切り、ママは私に似てるのよと鼻高々でした。
去年の卒園式のこと。
ターちゃんは式の後、卒園生のチアキちゃんに、
「卒園、おめでとうございます」
と花束を贈りました。
チアキちゃんは、ターちゃんの初恋の人でした。
ターちゃん、卒園おめでとう。随分大きくなったね。逞しくなったね。
「いろんなことがあったな」
「あの子には、ホント手を焼いたわ」
パパとママは子育てしながら、一方でターちゃんとアーちゃんに ”親育て” してもらっている気がします。
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