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「好き」を仕事にして夢を叶えたら、後に引けなくなった話

好きを仕事にしたい


私は大学を卒業して、特にやりたいこともなかったので
当時大手ベンチャーだったI T企業に入社した。
それはもう真っ黒で(当時ね、当時)
体育会系の営業気質で、精神的にやられたけれど
社会人としての色々なことを教わった。

が、
3年目で多くの社会人が発症するという
「私のやりたいことってなんだろう」病を私も発症し
昔から好きだった絵を描くことを仕事にしたい!
自分の作るもので人を笑顔にしたい!
それが、忘れていたけれど、私の夢!
だと思い、入社試験を突破し、絵の会社に転職した。

そこからは毎日絵を描いて、
自分の持つ技術を磨く生活。
全部新鮮で、前職と違い過ぎて、とても楽しかった。

前職の同僚や友達から、
「大手を辞めて、自分の好きな事で生きていくってすごい」
「好きを仕事にできるってなかなかいないよ、羨ましい」
などなど、たくさん嬉しいコメントをもらった。
ますます、今の仕事に誇りを持てた。

だけど
夢を仕事にした後、いろんな発見があった。

まず、趣味がなくなる。
好きな事を仕事にしちゃったから。
暇な時間ができたら、何していいか分からない。

そして、技術と才能のフィールドに入ると
そこには天性の才能お化け がたくさんいた。
努力じゃ追いつけないものをたくさん見た。(と、当時は思った)
転職し努力して入った身分なので、
心のどこかで私はここでは叶わない と思ってしまった。

でも、
「夢を仕事に」と色々宣言して協力もしてもらって
転生したので、これ以外にやりたい仕事もない。
後には引けなくなってしまった。
あの時、心から好きだと思っていた 絵を描くこと は
本当に好きだったのかな・・・なんて疑ったりもした。

でも、後には引けない。私はちょっと見栄っ張りなので
挫折した、とか、失敗した、とか思われたくない。

そこで、
表現者としてTOPを取る事以外で
その会社に貢献する=自分が輝ける場所を作る 事を考えた。
当時、絵描き会社は超ド級のアナログ(芸術家はシステムや数字に弱いみたい)。
前職がバリバリITでシステム効率化の中で初期設定された私には
仰天するような無駄作業(レジ締めしかり、売上管理しかり)があり、
絵ももちろん練習しながら、それらを改善するような立場に上がろうと思った。
会社の状況をよくすることで、会社に貢献しようと思った。
つまりそれは、才能に溢れ、心底憧れる同僚の表現者達を、サポートする立場だ。
思っていたような、自分自身が表舞台に立って輝くコースからは外れる。

でも、私はその方向で努力した。
そしてそれは自分にあっていたようで、
なんだかんだあって、お店で絵を描く人から、
現在は本部機能の管理者寄りの仕事をしている。

転職して良かったか?

当初は、好きな絵を極め、自分の表現で輝きたいと思っていたけど
全然違う未来に立っている。
見方によっては、
前の会社にいた方が給料も待遇も良かったから、
考え出すと、転職した意味とは・・・  ?? となりそうな時もあるが
転職し、知らない世界をたくさん見れて楽しい。

アーティストとしての才能を極める事に憧れは今もあるけれど、
どの世界にいても、自分に向いている役割ってあるかも、と思う。
それは苦ではないし、必要とされるのは単純に嬉しい。
そして、それを知れた事が大きな収穫だったかもしれない。

好きを仕事にして、後に引けなくなったけれど、
どんな状況でも結局今の自分がこれからを切り開いていくしかない。

夢 とか やりたい事 なんて、一生に何個あってもいいと思うので
その当時、夢だと思った絵を仕事にしたことに後悔はない。
また、これからの私が 夢 と思える事を見つけたら
その時は、またチャレンジしてみようと思う。

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