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目指せ!積読本ゼロ✨ 積読本の山だらけなのに、読みたい本をついついお迎えしてしまいます。
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『神様』の読書感想文

『神様』の読書感想文

『神様』が川上弘美のデビュー作と知り、読んでみたくて積んでいた本。

想像していた話とはかけ離れているファンタジー色の濃いお話でしたが、とても好みだった。

ラストの『草上の昼食』で、再びクマが登場したことが嬉しかったのに、どこまでも切なくて、ひどくしんみりした。

『夏休み』に出てきた「小さなもの」も愛おしかったし、不思議な話が多かった。

だけど、『離さない』は、少し怖かった。
こんなものに出

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『ミトンとふびん』読書感想文

『ミトンとふびん』読書感想文

吉本ばななさんの『ミトンとふびん』
図書館で偶然見つけて借りた本です。

どの作品も悲しいお話の短編集でしたが、不思議と読後は悲しみよりも安らぎを感じました。

読んでいくうちに自然と心が癒されるような、そんな気分が味わえました。

近しい人との別れは辛さもひとしおです。

祖母を亡くした時には泣いても泣いても悲しみが尽きることはなく、もう普通の日々を過ごしていくことなんてできないのではないかと思

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『耳をすませば』読書感想文

『耳をすませば』読書感想文

『耳をすませば』は、ジブリ映画の中で一番好きな作品です。
実写映画化されるという話を聞いてノベライズ本を買っていたまま積読本の山に埋もれていたのを発掘したのが昨日…。

今日はピアノの調律だったので、調律をして下さっている間に読了しました。

15歳だった2人が25歳になっていて10年前を回想しながら、お話が進んでいきます。

因みに原作のこちらは21年の夏に読みました。

当時、打ち切りになった

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『旅人まんが 鉄道篇』の読書感想文

『旅人まんが 鉄道篇』の読書感想文

ちくま文庫 山田英生 編の『旅人まんが鉄道篇』

松本零士さんの『銀河鉄道の夜』を目当てに買ってみた本です。
原作は宮沢賢治ですが、999を思わせるようなロマン溢れる作品でした。

『銀河鉄道999』と言えば、ゴダイゴの歌を思い浮かべて下さる方も多いと思いますが、松本零士さんもゴダイゴも好きな私にとって大好きな作品です。

『旅人まんが』は、3部形式で色んな旅が描かれていました。
表紙のイラストも

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『ねぇ、ママ』の読書感想文

『ねぇ、ママ』の読書感想文

大好きな『繕い裁つ人』の池辺葵さんの作品です。

感想を書くと、どうしてもネタバレを含んでしまうので、未読で読みたいと思っていらっしゃる方はスルーして下さいませ。

母をモチーフにした短編集ですが、最初の『きらきらと雨』は、登場する母親の気持ちが手に取るようにわかって、涙なしでは読めませんでした。

息子が就職で実家を出て行く前日の夜ご飯のために朝から息子にも早く帰るように…と伝えて、奮発してご馳

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『家が好きな人』の読書感想文

『家が好きな人』の読書感想文

井田千秋さんの『家が好きな人』

ナチュラルな感じのイラストに惹かれて買ったのですが、随分前に買った塗り絵の『わたしの塗り絵BOOK 憧れのお店屋さん』と同じ著者でした。
(塗るのがもったいなくて眺めるばかりですが…。)

私も基本的には、家が好き!

あまりいい意味では使われることがない「かごの中の鳥」で十分なのです。
別にどこかに行かなくても、誰かと話さなくても、ひとりで楽しむ術は幾つもあるの

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『未来の働き方を考えよう』の読書感想文

『未来の働き方を考えよう』の読書感想文

ちきりんさんの『未来の働き方を考えよう』
これも何年も積んでいた本でした。

買い求めた時が読み時だったようで、もっと早く読むべき内容でしたが、その時には読むための時間も気持ちの余裕もなかったんですよね。

定年は延長になるばかりで一体いつまで働くのか?
誰しも考えることだと思います。

老後に備えるとしても、自分の人生がいつまで続くのかなんて、その日が来るまでわからないこと。
長生きできる保証も

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『わたしの旅に何をする』の読書感想文

『わたしの旅に何をする』の読書感想文

2冊目の宮田珠己さん。いろんな旅をされていますが高確率で思いがけないアクシデントに見舞われてしまうところが毎回ハラハラドキドキです。

でも不意に堪えきれない笑いがこみ上げたりするので、外で読むのは危険です。

他人事だから面白おかしく読めますが、こんな旅は到底無理ッ!怖すぎる。
だからこそ貴重な疑似体験を味わえて、これぞまさに読書の醍醐味ですよね〜。

そして我が身に起こる数々の苦難を、こんなに

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『潜在意識3.0』の読書感想文

『潜在意識3.0』の読書感想文

昨日言っていた読みかけの本ではないのですが、まだ感想を書いていなかったので、今夜は藤堂ヒロミさんの『潜在意識3.0』のことを書いていきます。

副題として、「臓器との対話」で人生をアップデートする方法と書いてあるので、人によってはスピリチュアル的な本?怪しげ?と思うかもしれませんが本を読み進めていくと、納得できることが多々ありました。

それは昨年夏に読んで、ごく簡単なものだけではあるけれど、気功

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『シャーロック・ホームズの凱旋』の読書感想文

『シャーロック・ホームズの凱旋』の読書感想文

森見登美彦さんの『シャーロック・ホームズの凱旋』は、ひと言で言えば一気読みの面白さでした。

感想はネタバレも含んでしまいますので、読みたいと思っていらっしゃる方はスルーして下さいませ。

読み始めてすぐは『四畳半』系のアホっぽい感じなのかな?といった印象でした。

ホームズだけど、森さんの描く世界の舞台は京都…。
それはそれで森さんらしくて面白いのかも…そう思いながら読み進めました。

そのうち

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銀色夏生『おまもり』読書感想文

銀色夏生『おまもり』読書感想文

銀色夏生さんの新刊。

段ボールに描かれた猫とか、石に描いてある目とかどことなくユーモラスで楽しい作品や、子どものような視点で切り取られた風景や、筆文字で緩やかに書かれた文字とがものの見事に調和していて素敵な本でした。

写真は、立派なシダの葉や、湖面の輝く光や、細い月や、湧き水の池や、庭の紫陽花などの美しいさまを、一瞬だけ時を止めて永遠にしたみたいな素晴らしさ。

言葉たちも、ふわりとしていたり

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米澤穂信『氷菓』の読書感想文

米澤穂信『氷菓』の読書感想文

米澤穂信さんの本が続きますが、こちらも2020年のカドフェスの時にお迎えしてからずっと積んでいた一冊です。

古典部シリーズ一作目で、デビュー作とのこと。
読み終わっての感想はひと言で言えば「早く読めばよかった!」でした。

奉太郎が謎を解いていくさまが凄すぎて、もう見事としか言いようがない。

タイトルの『氷菓』が「I scream」だと気づいた時頭の中でゴダイゴの「血塗られた街」の「screa

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『時をかける少女〈新装版〉』読書感想文

『時をかける少女〈新装版〉』読書感想文

こちらはカドフェス2021から積んでいた本ですが、何度も映像化されている懐かしい作品です。

『時をかける少女』の映像と言えば、原田知世さんのものが一番印象深いけれど、それよりも前にドラマ化されていた『タイム・トラベラー』の原作としても思い出深いです。

あのシリーズはSF好きにはたまらないドラマばかりでした。

そして『時をかける少女』と聞いて真っ先に連想するのはラベンダーです。原田知世さんが歌

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読書感想文♪

読書感想文♪

こんばんは、水瀬綾乃です。
まずは、昨日読了した米澤穂信さんの『いまさら翼といわれても』の感想です。

ちょっと暗いテイストの短編集でしたが、古典部のメンバーの過去話とのこと。
このシリーズは、ほぼ読んだことがないのですが、短編集ならイケると思って購入していました。

表題作が良かったと言われる方が多いのも頷けますが、私は『鏡には映らない』が一番好きでした。

人というのは、その時々の時代において

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