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『温泉施設のキミョーな来訪客』(従業員が語るトンデモ客と入浴マナーのエッセイ)

 当作品は、温泉施設に長年勤めている一従業員が、温泉のルールの多さに驚愕きょうがくしたり、お客様の奇行に仰天したりする日々をつづった実録エッセイです。
 楽しく笑いながら、皆様ご自身の温泉マナーを振り返る機会に役立てていただければ幸いです。

 ある日、たまたま目にした求人広告。
 複数の好条件と、他の求人にはないユニークかつわくわくさせる文字――「温泉施設」。なんだか面白そうじゃない!
 と、飛び込んでみたこの世界。仕事始めてみてびっくり。

「温泉って、こんなにルール・マナーにうるさいとこだったっけー?」

 そう。温泉の入浴マナーには、メジャーなものから目ウロコなものまで、実に様々な項目が並んでいたのです。

 温泉施設は、それらを「守らないお客様」と「守らせようとするお客様」が凌ぎを削り、互いの人間性をむき出しにする、魔の巣窟なのでした。

 これは、従業員と来訪客が「入浴マナー」をめぐってガチバトルを繰り広げる、壮絶なる戦いの記録――のような、違うような。そんなエッセイです。

 常々感じていることですが。
 施設がお願いしている「マナー」は、決して施設側に都合のいい内容というわけではありません。
 そのどれもが、お客様からの要望・クレームを元にできているのです。

 そう、すべてのマナーは、すべてのお客様のために。
 ……のはず、なんですが……

「マナーにうるさい勢」と「無頓着勢」
 この二大勢力に、従業員は日々挟まれ続けています。

 常連客の中にも、両勢力が存在します。
 従業員の目が届かない場所で、虎視こし眈々たんたんと他のお客を観察する常連客(主におばちゃん集団)は、何かあればすぐ施設に通報します。(頼んでもいないのに)全館におばちゃん監視網がびっちり張り巡らされてますよ。

 では具体的に、どんなマナーが存在し、どんな風に守られていないか(泣)、共にお勉強していきましょう!


第1浴 危険、注意!誰でもできちゃう温泉盗撮!

 一番頭に叩き込んでほしいルールなので、トップに持ってきました。
 昔はなかった、現代の温泉ならではのルールです。

 脱衣所や浴室などで、スマートフォン・携帯電話を使用することは、ほとんどの温浴施設で禁止されています。
 タブレットも。撮影機能があるやつ全部ダメ。

 はいリピート。
 スマホは!
 出しちゃ!
 いけません!!

 大事なことなので二度言いました。

 これがほんっっっとに守られないんです。
 老若男女、脱衣所で隙あらばスマホや携帯をいじり出す。
 何を見てるかもわかっちゃいます。SNS・ゲーム・コミック・メール。
 大声で電話。
 お友達やわが子の記念撮影「いえーい♬」

 えー加減にせーいッ!!

 嫌なんですよー注意するの。私はスマホ警察か。

 お客様も様々で、
 ①そもそもルールを知らなかった
 ②知ってたけどうっかり
 ③電話しなきゃいいじゃん
 ④従業員が見てなきゃいいじゃん

 注意したときの反応を見ればどれかわかります。
 まあ仕方ないか、と思えるのは①だけですね。
 ①はだいぶ減ってきた気がします。地道な「スマホ警察出動」の成果か、「温泉スマホルール」は年々浸透率が高まっています。
 ②、頼むよ! うっかりじゃすまん!
 ③・④は盗撮容疑で通報してもいいですか?

 と、本音は鼻息荒れまくりですが、注意するときはめっちゃ下手したてに出て、これ以上ないくらい丁寧に話しかけます。
 するとたいていのお客様は「あっ、すみません」と、すぐに使用をやめてくださるのですが……

 どこにでも、つまんないことで従業員相手にブチ切れる層がいます。
 飲み終わったペットボトル投げつけてきた人もいました。いい大人が!

 お客がキレればキレるほど、こっちは「こうはなりたくないな」と冷静に精神的優位を取れちゃうんですが。
 注意されるのがそんなに嫌なら、まずルールを覚えてください。守ってください。
 すべてのルールに、お客様のための理由があります。
 それが、温泉で快適に過ごすためのマナーです。

第2浴 温泉施設でどざえもん(水中死体)!

 温泉、気持ちいい。長時間つかりながら寝てしまいたい。

 気持ちはわかります。でも、温泉の浴槽内ではやめてください。仮眠室など、寝てもいい場所で寝てください。

 浴槽内で、寄りかかるのにちょうどいいポジションを探してたら、気がついたら後頭部が水没してた。
 気持ちよくってそのまま寝ちゃった。

 はい、あるあるー。最悪、お湯から鼻だけが出てる状態。
 立派な水中死体どざえもんの出来上がりです。

 たまたま出くわした従業員の心中を察してください。
 本気で死んだのかと思いますから!

 ちなみに、頭をお湯の中に入れること自体ダメなんです。
 水風呂にもぐって頭まで気持ちよくさっぱりしちゃう人。
 ジェットのお湯を肩のちょうどいい場所に当てたくて、潜りながら当ててる人。
 全部ダメ!

 なんでみんな、あそこまで温泉で寝たがるんでしょう?
 おっさん族が特にひどい。浴槽内だけでなく、浴室の床、露天の地面、浴槽の縁。どんな場所でも寝っ転がります。
 一瞬ビビるし、普通に邪魔なんですけどー。

「リラックスする」のと、「みっともない真似をする」のは違いますよー!

第3浴 温泉って、「男」と「女」に別れなきゃ入れないんです

 当たり前ですが、温泉は「男湯」と「女湯」に分かれています。
 それ故、時々「性別」に関する問題が起こります。

 LGBTのTの方などには、とても来づらい場所だと思うのですが……
 それとはたぶん、別問題、ですよね?

 時々、男湯にスカート履いた人がやってくるのは……!

「えっ」と一瞬驚きますが、顔はもう、明らかにおっさん。
 脱いでしまえば、ほんとに普通のおっさん。普通に男湯に入浴されます。

 もちろん禁止なんてしてませんけど、何というか、TPOというか。
 ただでさえデリケートな場所に、なぜわざわざその服装で? と思います。
 スカート丈は様々で、思いっきりミニの場合もある。網タイツの時もある。

 一方、たまに「すっぴんなのにとても美しいお姉様方」が来館されます。男湯に。
 こちらも「えっ」と驚きます。本当にお綺麗な方々です。

 お顔が綺麗なのは仕方ないですね。すっぴん+ジャージなので、TPOは間違ってません。
 ただ、周囲の男性陣に変な目で見られていないか心配です……。

 他にも性別問題、色々ありますよ。

■いきなり女湯脱衣所の扉をガラッと開けるおっさん!
 家族に向かって「おーい、タオル忘れてるぞー!」
 逆に、平気で男湯脱衣所にズカズカ入ってくるおばさんも。
 
■あからさまに女湯に近づくおっさんもいます。女装で堂々と潜入してしまったおじさんもいました。警察に突き出していいですか?

■男湯・女湯に別れた後で、家族への伝言などを頼まれることが多いです。
 タオル渡し忘れたーとか、ロッカーに使う百円持ってないとか、あと何分で出ますとか。
 お相手を捜すの、本当に大変なんです。
 お願いですから、そういう伝言・お渡し物は極力避けてください~!

■男の子は何歳まで母親と一緒に女湯に入れるか(あるいは女の子が父親と)
 ルールは施設によって異なります。
 お子様が入浴できる年齢なども施設ごとに違いますので、初めての温浴施設来館前に、必ずホームページなどでご確認ください。
 小一のお子様が一人で入浴しなければならず、従業員がずっとつきっきりで面倒見たこともあるんです~。

■何か用があるからって、全裸でフロントまでやってくるおっさんも!
 ちゃんと、脱衣所に呼び出しのインターホンがありますー!

 それぞれ自分の必要な荷物をちゃんと持って、きちんと「男湯」と「女湯」に別れ、ちゃんと待ち合わせて一緒に帰る。
 これが、家族やカップル・グループなどのスマートな「別れ方」です。

第4浴 温泉施設は「家族を放置する場所」ではありません!

 温泉施設って、閉館時刻までいくらでも滞在できちゃいます。
 寝っ転がれるし。飲食もできるし。何度でも入浴・岩盤浴できるし。

 ご自分でゆったりくつろがれるなら、何時間滞在されても問題ありません。
 でも。施設内を、「家族の放置場所」として使う人たちがいるのです。

 一人で入浴できるか怪しいよろよろの高齢者を、朝施設前に下ろして、夕方施設前で回収。
 一人で入浴できない障がいなどがあるご家族を、一人で女湯へ行かせ、自分は男湯でのびのび。
 子供が施設内でどこを走ったり騒いだりしても、親は畳の上で熟睡中。

 一歳児が階段の途中に一人でいるのにはびっくりしました。
 お決まりの「子供車内放置」もありました。駐車場に巡回が入るタイミングだから助かったんです。

 こういった問題が起きるたび、まず周りのお客様が、次いで呼び出された従業員が対応に追われることになります。
 まず、その方の状況を聞き出すにも時間がかかります。それからご家族を探し回ることに。

 また、ご本人の意志であっても、ご自分で入浴できない高齢者が付き添いなしで来館されることもあります。結果、周囲の優しいお客様が何から何まで手伝ったりしちゃうんです。

 温泉施設に入浴できる基準は施設によって違いますが、「ご自分で入浴ができること」が前提であるとご理解ください。

 同性の付き添いの方がいても、やっぱり「肝心な時に見てない」ケースも多いです。(この前も、付き添いがいるにも関わらず、座ってた跡にベッタリと、アレが……)

 老若男女が訪れる公共の施設なので。
 どうしても、基準に沿わない方には来館をご遠慮いただくことになります。

 一人でも多くのお客様に、安心してご利用いただくために。
 どうか、ご理解くださ~い!

第5浴 もしもオリンピックのとき外国人が押し寄せていたら

 もしもオリンピックの時に外国人が大勢来日していたら。
 当館にもたくさん来館されたかもですね。一応首都圏なので。

 当館には「刺青・タトゥー(シール含む)のある方、入館お断り」ルールがあります。

 外国人向けの説明が難しい〜!
 受付時にはあるのかないのかわからないので、脱いでからこっちが発見して声をかけなきゃいけない。どーしよ~。

 というわけで、大量に押し寄せなかったのはよかったです。(ホッ)

 日本人でも、たまに凄いの入れてる方いますね。タオルで巧妙に隠しながら入る人も。
 たいていは、当館が誇る(誇ってない、頼んでない)常駐監視員(常連おばちゃん集団)から通報(インターホン)が入ります。

 たまに、いかにもお金持ちそうなアラブ系の一家がぞろぞろと来館されることがあります。ドバイですか?
 男湯では、旦那さまや息子さんたちが、それはもうのびのびと入浴満喫中。
 一方、女湯では。

 勝手に、服着たまま入浴しちゃうんです……!
「絶対に脱がない!」と脱衣所で大騒ぎしたことも!
 また、母親は脱いでても、子供たちが全員パンツ着用のままだったことも。

 おそらく宗教的な理由(+諸々)でしょう。
 当館は湯着の用意がなくて申し訳ないです。
 でも、できれば入館前に、どんな場所なのか確認するとか……入浴は諦めて、休憩所で待ってるとか……そんな感じでお願いしたいですー。 

 温泉は世界各地にありますが、日本の温泉施設のルールは色々と独特なんだろうなと思います。
 いつか、タトゥーOKになったり、湯着や水着の着用OKになったりするんでしょうか。

第6浴 温泉施設、また警察の世話になるってよ

 出勤すると、たまに駐車場にパトカーが停まってることがあります。

「あー、また出たか……」

 悪質な女湯のぞき!
 ではありません。盗難です。

 それはもう、よく物がなくなるんです。
 ロッカーがたくさんあるのに。貴重品をロッカーの上に置きっぱなしにしたり、ロッカーの中に突っ込んで鍵をかけずに離れるなど「客側の不注意」が後を絶ちません。なんで皆さんそんなに無防備なの?

 女性で高そうな基礎化粧品一式持ってきて、その辺に置きっぱなしにしたり。
 ひどいとスマホをコンセントに差して充電したままどっか行く。(施設コンセントでの充電自体アウトです)
 さらにひどいのは、四万円以上する美顔器がなくなった、とお客様から言われたことがあります。(えー)

 化粧品類やシャンプー類は、持ち込むならサンプルや小さな詰め替えなどにしましょう。
 とにかく余計な物は持ち込まないことです。凝った美容ケアはご自宅でどうぞ。

 施設のリストバンド(清算用)もよく置きっぱなしになってます。
 そのバンドで飲食やマッサージなどの料金が清算されますので、心無い人に拾われると、勝手に使われてその分のお金を払うことになっちゃいますよ。

 施設の備品も、細々とよくなくなります。
 浴室の手桶や洗面器、ドライヤーコーナーの手鏡、洗面所の布巾、コロナ禍ではトイレットペーパーまで!

 皆さん、お金に困ってるわけじゃないはずです。
 わざわざ銭湯より高い温泉施設(スーパー銭湯)へ来ているのですから。

 ここは心身ともに気持ちよくくつろいで、リフレッシュするための施設のはずです。自分の心が貧しくなるようなことはしないでいただきたいです。

 今これをお読みの皆さまも、温泉施設が決して安全な場所ではない、とおわかりいただけましたか。
 どうか、ほんのちょっとでも荷物から離れるなら、必ずロッカーにしまって鍵をかけてください。
 そして、鍵を絶対に手から外さないこと。トイレやシャワーでちょっと置いて忘れる人があまりに多いのです。

 トラブルゼロの、優雅な温泉タイムを楽しむために。
 ぜひ、気をつけてくださいね。

第7浴 温泉施設、また救急車の世話になるってよ

 出勤すると、たまに出入り口に救急車が停まってることがあります。

「あー、また出たか……」

 また、冬が来てしまった。
 温泉施設で、寒くなると劇的に増えるもの。
 その名は「湯あたり」。

 普通に歩いてた人が、目の前でいきなりバタリと昏倒!
 全身、血の気がなくて真っ白。意識なし。
 運が悪いと転倒時に負傷、大出血!
 ホラー! パンデミック!

 そんな恐ろしい場面を、今までに何度も見ているのです。

 ほとんどの方は、数秒から数分で意識を戻しますので、畳の上までなんとか移動してもらい、20~30分ほど横になってもらいます。経口補水液や氷などで手当てします。
 それでだいたい回復しますので、あとは着替えてお帰りいただくだけです。(再度の入浴はやめてもらいます)

 ですので、周囲の方々には必要以上に騒がないでいただきたいのですが……やっぱり、「早く! 救急車ーっ!」って大騒ぎになっちゃうんですよね。

 もちろん、様子を見て深刻な場合は救急車を呼びます。
 担架でお客様を運んだり、浴室まで救急隊員を誘導したり、お客様のロッカーから荷物を出してまとめたりなど、私も何度もやってます。
 また、ご本人やご家族が「念のため」と希望した場合も呼びます。

 でも、ほとんどの方はすぐに回復し、救急車を呼びたがりません。

 軽い湯あたりはそれこそしょっちゅう起きるので、そのたびに救急車を呼ぶわけにもいかないと思うのです。その時間に、よそでもっと深刻な事態が発生するかもしれないじゃないですか。

 原因は、ほとんどが単なる長湯です。
「長く入らないともったいない」と思っちゃうんでしょうね。

 温泉につかりながら寝る人。気持ちはわかるけど、とても危険だということを覚えておいてください。
 長く入りたいなら、こまめに浴槽から出て、こまめに水分補給しましょう。

 また、体調が悪いのにわざわざ来館される方がいます。
 湯治とうじという言葉のせいか、「温泉に入れば体調がよくなる」と思ってるのでしょうか?
 入浴は体に負担をかける行為です。湯治にもちゃんとした入り方があるはずです。

 意識をなくして周囲の人々を驚かせ、大勢に囲まれて介抱される……だけならまだしも、運が悪いと大けがしますし……あと、体内からいろんな物を放出しちゃうことも……ありますし……

 そこまでして、長湯したいでしょうか?

 ここをお読みの方は、もう長湯しませんね。
 体調を整えて、水分をしっかりとって。いつまでもダラダラ入らないことです。さっと着替えて、スマートに退館しましょう。

 それが、温泉利用上級者というものです。

第8浴 コロナ禍でも頑張る温泉施設!

 ご多分に漏れず、コロナ禍当時は職場も色々と変化しました。
 出勤時、毎回検温・消毒・マスク着用。
 営業時間は緊急事態宣言に合わせてしょっちゅう変更。

 サウナが中止になった時期もありました。
 今は、敷いてあるマットを減らし、互いの距離が開くようになっています。

 もちろんコロナ禍で客数は減りましたが、毎日来る人は来ます。
 脱衣所・浴室でのマスク着用は強制ではありませんが、入浴中マスクをされてる方も、代わりに口にタオル巻いてる方もいます。
「全裸にフェイスシールド」は、他の状況じゃまず見ないですよね(笑)。

 という状況で、今日も大声でおしゃべりしまくる常連おばちゃん軍団。
 マスクやシールドの意味ー!

 おばちゃんネットワークは凄いですよ。いつ来ても、絶対誰か一人は知ってる人がいます。来館から退館までずっと、あちらこちらで主婦トークに花が咲きます。

 お若い男性集団も来ますね。若者は、女性より男性の方が徒党を組みます。そしてやっぱり大声で騒ぎます。

「うるさいから注意してくれ!」と、他のお客様から何度クレームが入ったことか……!

 みんなで騒げば怖くない。コロナストレス。
 ウィルスではなく色んな悪感情が席巻して、あわや若者vsおっさんで乱闘になりかけたことも。

 あとは、施設内の換気についてマイルールを持ち込み、あれこれ口を出してくる人が増えました。
 窓はご自分でも開閉できるようになってますが、すぐに他の人が動かすこともあります。他人にマイルールを強制するのはやめましょう。

 浴室の大きな窓は全開。
 おかげで春、ツバメが浴室に入り込み、高い天井に巣を作り始めました。
 でも湿気のせいか、すぐに壊れる。めげずに何度も作る。
 真下に残骸が落ちるため、しばらく注意の立て看板が置かれました。

 ツバメの住宅事情が厳しいのもわかりますが、浴室や露天に作られたりするとやっぱり困ります。
 入浴中のお客様の頭上すれすれを低空飛行するので、巣を作られるたびに仕方なく撤去です。

 現在は営業も通常通りで、コロナ禍前よりもかなり混みあうようになりました。
 近隣の他の温浴施設が、コロナ禍を乗り切れずに次々に閉店したためです(汗)。

第9浴 温泉施設のゴミ箱の中身、大公開!

 脱衣所のゴミを集めてると、「何でこれが」とため息つきたくなるようなゴミに遭遇します。

 缶・ビン・ペットボトルは普通に入ってますね。これはこっちで分別します。大量です。本当は、自販機など専用の場所に捨ててほしい。

 レジ袋にぎゅうぎゅうに詰められた、外で食べてきたお弁当ゴミ一式。高確率で捨てられてるバナナやみかんの皮。(ピクニック帰り?)

 煙草の吸殻が限界まで詰め込まれた缶(やめてー)

 レモンの輪切りがこれでもかと詰められたペットボトル(やめてー)

 すぐそばに流しがあるのに、わざわざゴミ箱でタオルを絞る常習者(やめてー)

 使用済みレディースアイテム(せめてティッシュとかで包んでー)

 おむつ(子供用・大人用両方)(そういう人は入浴できないんですー)

 真っ赤な使用済みレディースアイテム(だから入浴できないんだって!)

 下着から上着まで、脱いだ服全身丸々一式と、新しい服が入ってたらしい包装ビニールや厚紙など(変身するために来館? 追手をまいたのか?)

「捨てるんだか忘れたんだかわからない物」がロッカー上などに放置されてるのも、けっこう困りますね。
 マスク・タオル・靴下・まだ残ってるペットボトルや化粧品類・歯ブラシセットなど。
 ぱんつも、なぜかその辺によく転がってます。
 きみ、たぶんもう迎えに来てもらえないね……。

 お帰りの際は、お忘れ物がないか十分にご確認ください。
 ゴミ箱に変な物捨てるのも、やめようね!

最終浴 温泉施設のマナーまとめ(NG集)

 職場でよく見る「マナー違反・NG行為」をまとめてみました。
「今度温泉に行くけど、ちょっと自信ないかも~」という方はぜひご一読を。

<周りの迷惑になる行為>

■脱衣所・浴室・岩盤浴室など、禁止された場所でのスマートフォン・携帯電話使用

■大声での会話・歌・何かの運動

■シャワーやかけ湯を周囲の人にかける(私もしょっちゅうかけられます)

■シャワーの場所取り、壺湯などの長時間占有

■脱衣所の床をビショビショにする
(滑りやすいし、靴下で歩く人もいるのです)

■浴室の床や浴槽の縁など、相応しくない場所で寝転がる(死体認定しますよ?)

■お子様が騒いだり走ったり泳いだり、などを保護者が注意しない

<危険な行為>

■施設内を走り回る

■長湯(温泉ならせいぜい5~10分でいったん出ましょう)

■化粧水ビンなどの割れ物の持ち込み・お子様が牛乳ビンをぶつけて遊んでても注意しないなど

■髪や体を長時間洗い続ける
(たまにホームレス? っぽい人がシャワーで何時間も……絶対体によくないと思うんですが)

■他人の使用済みタオルや洗面台の布巾などで体を拭く(衛生観念ゼロ!)

<泉質を損なう行為>

■来た時やサウナ後、体を流さずに浴槽へ入る

■浴槽付近への飲食物の持ち込み
(お湯に入ったら大変なので)
(浴槽内でダベりながら自家製梅干しなどをつまんでる常連グループが!)

■浴槽付近へのオモチャや美容グッズ・本・新聞などの持ち込み
(雑菌混入防止!)

■お湯・水の中へ潜る(水風呂はプールじゃない!)

■長い髪をまとめない
(親はまとめてても子供の髪はそのまんまなケースが多い)

■浴槽のお湯で顔を洗う
(こういう人多いですが、浴槽のお湯も、洗うお顔も、よくない菌だらけだと思いません?)

<施設への迷惑行為>

■施設の備品を散らかす・移動させた後もとに戻さない
(トイレのサンダル…親子で脱ぎ散らかしてないで、お子様に教えてあげて…)
(手桶・洗面器なども、私物を入れたりあちこち持ってく人がいますが、数と置き場が決められてるので従業員が探し回ります)
(他のロッカーのハンガーまで使う人。「ハンガーが2本あるロッカー」と「1本もないロッカー」だらけに……)

■備え付けのシャンプー類を異常な量消費する
(異常に使いまくる人、その場に捨てる人、たぶん持ち帰ってる人……)

■髪を染める
(どれだけの洗面器が犠牲になったことか……)

■濡れタオルをロッカーの扉にかけて鍵を閉める
いたんで開閉できなくなるロッカー続出!)

■ドライヤーで髪以外を乾かす
(足の指や股間まで念入りに乾かすおっさん族)
(使用済みタオルや濡れた衣類をドライヤーで長時間乾かし続ける人。さらに、衣類全部広げて置いとく人、扇風機に服をかける人……)

■柚子風呂の柚子を潰す・持ち歩く
(潰れた種子・皮などが設備の故障原因になることがあります。「潰さないと意味がない」というのは客側の勝手なルール。ご自宅でどうぞー)
(勝手に他の浴槽に柚子を持ってく人。柚子風呂は一カ所だけです!)

■ゴミ箱に「何だこれ」なゴミを捨てる

■女性従業員へのセクハラ

<犯罪行為>

■施設内の備品を勝手に持ち去る
(おかげで当館はティッシュ箱が設置されません……)

■他のお客様の物を持ち去る
(必ずロッカーにしまって鍵を! 大事な物は持ち込まないように!)

■異性の脱衣所・浴室への侵入

 まだまだありますが、キリがないのでひとまずこの辺で。

 温泉に限りませんが、上級者の秘訣は「立つ鳥跡を濁さず」ですよね。
 自分がいた跡を濡らさない。落ちた髪は拾って捨てる。動かした備品は元に戻す。
 余計な物を持ち込まない。変なゴミを残さない。鍵をちゃんとかける。

 体調をきちんと管理する。
 周囲の迷惑になっていないか気を配る。

 書き出してみると、温泉マナーって本当に多い。
 でも、どれも本来は自然にやるべき「当たり前のこと」です。

 これを読まなくても、「最初からちゃんとできてる」方は多いんじゃないでしょうか。多いと信じたい。

 他の施設にも共通したマナー、多いですよね。
 楽しいレジャー。心身を癒すためのご来館。
 皆がほんのちょっと気をつければ、せっかくのお出かけで嫌な思いをすることも減るはずです。

 皆様が、これからも様々な場所でゆったりと楽しい時間を過ごされることを、願ってやみません。

 ここまでお読みいただき、ありがとうございました。
 ぜひ、楽しい温泉ライフを!

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