『煌(ひかり)の天空〜蒼の召喚少年と白きヴァルファンス』 第31話 天空のパノラマ・スクリーン
カナダ北極圏、五月。
彼らは岸に立ち、流氷を見ていた。
秒ごとに地形を変えては移りゆく、氷海の地、北極。
蒼仁が、頬を刺すような凍った風の中、声を上げる。
「南極点には南極大陸があるけど、北極点って海なんだよね」
北極圏の海沿いに立つと、自然と「北極点」を意識する。
まだ、彼らがいるカナダのトゥクトヤクトゥクから、2,200kmの隔たりがあるのだが。
厳しい海からの風にさらされても、不思議と蒼仁の心は温かかった。
これも、ゲイルとブレイズの――いや、