一人俳句ときどき短歌

一人俳句と短歌に挑戦を始めた 70歳目前の焦りの日常の とりとめのない 独り言

一人俳句ときどき短歌

一人俳句と短歌に挑戦を始めた 70歳目前の焦りの日常の とりとめのない 独り言

記事一覧

短歌 古葉書

   古葉書かたむく文字の零れ落つ         置き去りにした友情ひとつ  引き出しを整理していて、古い葉書がでてきました。高校時代 とても仲良くしていた友…

〘短歌往還〙

アザレアの露雨しずく玉なしてピアスにどうぞ乾かぬうちに

短歌 映画『銀河鉄道の父』

  子の遺す文字を集める父愛(かな)し         背に降る月日続きの月日    詩や短歌の投稿に 宮沢賢治の詩の言葉を見つけることが続いて、昨年観た映画を思…

俳句 竹笋生の頃

    筍の皮むくパリリ壁破る     筍の皮の内側脈白し     笋や穂先は明日を拓きたし     笋(たかんな)  筍は、成長につれて姿の変化の激しい植物だ…

俳句 タラの芽

   タラの芽と訃報たずさえ友の小声    タラの芽や明日を信じて師は逝かれ    初夏の味覚のタラの芽です。タラの芽を頂いたのですが、訃報と共に来た山の幸でし…

見た目より斜度ある下り足元の危うきをゆくための詩歌よ


これからも、短歌、俳句を詠み続ける自分でありたいです。
今年は、七十二候の言葉に絵と俳句を合わせることに挑戦しています。一人では続かないことも、ノートの投稿を読んで広がる視野と
感動を得て続いています。

  影ひとつ持ち歩く道石畳
      明暗ゆるく振り向く犬の

散歩の途中、お散歩犬の後ろを歩いていると、背後に気配を感じたか 振り向いてくれました。石畳の影は柔らかく、犬の影は尚更

# 今日の短歌

伝わらぬ気持ちは少しずつズレて或る日ストンと断層になる #今日の短歌

俳句 薔薇(蚯蚓出の頃)                  

  薔薇の名を呼ぶ名を咲くや‘’プリンセス‘’   物語秘めてゆるみし薔薇の赤   わたしをみて薔薇ふくざつに巻く襞よ             襞(ひだ)    …

俳句 風の駅

   熟れ麦の薫るや風の駅無人    麦熟れて揺れる畠は風まかせ    昔、初めてこの駅に降りた時 遥か先まで見渡せました。駅の側にタクシー屋さんが一軒あるばか…

短歌 進化するアプリ

   新しいアプリ血流心拍数      見えない愛の見える化いつか    自律神経を測るアプリが開発されたらしい。 カメラに指を30秒当てると、自律神経の状態が数…

短歌 みどりの指

  一日をねぎらう今日の一冊の        少年チトよみどりのゆびの   庭仕事をしている間は、いろんな考えが廻ります。green fingers が 草木を上手に育てる人…

短歌  新樹

   伸びようとする枝切れば木の飛ばす            命のしぶき髪に纒わる        纒わる まつわる (まとわりつく)      この時期 木々は特に…

俳句  立夏  (蛙始鳴)

   初夏の空ゆっくりと飛行機雲    若葉風木の天辺の空も揺れ    一滴が落ちきるまでを待つ新茶  蛙始鳴(かえるはじめてなく)七十二候      田野のカ…

自選俳句 春分から穀雨

  人の子も蜂も巣分かれ日の中を   春の日を一匙掬う粥の白   麦青む風雨貫く背すじ見せ   菜種梅雨紙漉くように窓流る   街燈の音なく消ゆる春暁や   網籠の…

短歌 アイビー

  延びすぎたアイビーを刈る捨てた枝         拾う矛盾を一人笑いつ 昨日は草刈りや伸びた木の剪定をして一日がすぎました。  せっかく刈ったのに ついつい …

短歌 古葉書

短歌 古葉書

   古葉書かたむく文字の零れ落つ  
      置き去りにした友情ひとつ

 引き出しを整理していて、古い葉書がでてきました。高校時代 とても仲良くしていた友の。
あれから信じられない程の月日が経ったのに、葉書の中で、制服の友のノートの文字そのままに並ぶ右肩上がりの文字はこぼれ落ちそうなくらいギッシリ。どうして疎遠にしてしまったか。

写真は 栴檀(せんだん)の木
 今、あちこちで花盛り 下に

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〘短歌往還〙

アザレアの露雨しずく玉なしてピアスにどうぞ乾かぬうちに

短歌 映画『銀河鉄道の父』

短歌 映画『銀河鉄道の父』

  子の遺す文字を集める父愛(かな)し
        背に降る月日続きの月日

 
 詩や短歌の投稿に 宮沢賢治の詩の言葉を見つけることが続いて、昨年観た映画を思い出しています。『銀河鉄道の父』です。 賢治亡きあと、遺された作品を父は集めて本を出し続けます。この父の愛あればこそ、私達に賢治の言葉は届いていることを、しみじみ思います。
 愛は いとしいと読み かなしいと読み
 賢治の父の愛と悲は分

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俳句 竹笋生の頃

俳句 竹笋生の頃

    筍の皮むくパリリ壁破る

    筍の皮の内側脈白し

    笋や穂先は明日を拓きたし
    笋(たかんな)

 筍は、成長につれて姿の変化の激しい植物だと感じます。妙なたとえですが、まるで鰤のようなのです。
 皮の外はびっしり毛羽立ち獣じみているのに、内側は 白く美しい筋が透かし模様のよう。
 筍も、豊作 不作の年があり、今年はこの辺りは豊作らしいです。産地によって柔らかさや地味の違

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俳句 タラの芽

俳句 タラの芽

   タラの芽と訃報たずさえ友の小声

   タラの芽や明日を信じて師は逝かれ

 
 初夏の味覚のタラの芽です。タラの芽を頂いたのですが、訃報と共に来た山の幸でした。遥かより、恩師を悼みたいと思います。
 もう三十年になりますが、皆で集まった時のお酒を思い出しています。「上善如水」 こんなふうに記憶の扉は開くのか……      合掌
 
  

見た目より斜度ある下り足元の危うきをゆくための詩歌よ


これからも、短歌、俳句を詠み続ける自分でありたいです。
今年は、七十二候の言葉に絵と俳句を合わせることに挑戦しています。一人では続かないことも、ノートの投稿を読んで広がる視野と
感動を得て続いています。

  影ひとつ持ち歩く道石畳
      明暗ゆるく振り向く犬の

散歩の途中、お散歩犬の後ろを歩いていると、背後に気配を感じたか 振り向いてくれました。石畳の影は柔らかく、犬の影は尚更

# 今日の短歌

伝わらぬ気持ちは少しずつズレて或る日ストンと断層になる #今日の短歌

俳句 薔薇(蚯蚓出の頃)                  

俳句 薔薇(蚯蚓出の頃)                  

  薔薇の名を呼ぶ名を咲くや‘’プリンセス‘’

  物語秘めてゆるみし薔薇の赤

  わたしをみて薔薇ふくざつに巻く襞よ
            襞(ひだ)
             

  蚯蚓出(きゅういんいずる)七十二候
    ミミズが地上に現れ始める頃
 蚯蚓がミミズとは、何かと思い調べると
体を引いて通ったあとが丘のようになるから、 とありました。

薔薇には様々な名前がつけられ、ど

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俳句 風の駅

俳句 風の駅

   熟れ麦の薫るや風の駅無人

   麦熟れて揺れる畠は風まかせ

 
 昔、初めてこの駅に降りた時 遥か先まで見渡せました。駅の側にタクシー屋さんが一軒あるばかりで、一面の麦畠です。
 今は駅の周辺に家々が立ち並んでいますが、それでも、線路を挟んで麦畠が広がり、この時期は麦刈りのコンバインの音が遠く近く重なり合い、そこへ踏切の警笛と、電車が来て 音の景色が楽しめます。

短歌 進化するアプリ

短歌 進化するアプリ

   新しいアプリ血流心拍数
     見えない愛の見える化いつか

 
 自律神経を測るアプリが開発されたらしい。
カメラに指を30秒当てると、自律神経の状態が数値化されて表示 改善の方法をアドバイスしてくれる というもの。
 妄想のスイッチが入ります。
そのうち、カメラに額を押しあてると、前頭葉の血流を読み取り アナタの知的活性度は… 。
これは面白くない。 喜怒哀楽の数値化。から 怒り予報に

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短歌 みどりの指

短歌 みどりの指

  一日をねぎらう今日の一冊の
       少年チトよみどりのゆびの

  庭仕事をしている間は、いろんな考えが廻ります。green fingers が 草木を上手に育てる人のことを表すと知った時、なんて素敵な表現だろうと感動しました。緑の指を持つ人。
 少年チトは いつも自分に何ができるか考えています。親指でふれたら種は芽をだし、花が咲く不思議な自分のちから。特別なみどりの指を持つ自分。そこで

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短歌  新樹

短歌  新樹

   伸びようとする枝切れば木の飛ばす  
         命のしぶき髪に纒わる

   
   纒わる まつわる (まとわりつく)
 
 
 この時期 木々は特に雨の後 勢いよく伸びて
油断すると ジャングルになります。これから梅雨が終わるまで、晴れたら切るを繰返します。
 木を切ると花粉を浴びたような感じになります。油分を含んだ微粒子が髪や衣服にまとわりつきます。若葉の浅い緑の透き通る柔らか

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俳句     立夏  (蛙始鳴)

俳句  立夏  (蛙始鳴)

   初夏の空ゆっくりと飛行機雲

   若葉風木の天辺の空も揺れ

   一滴が落ちきるまでを待つ新茶

 蛙始鳴(かえるはじめてなく)七十二候
     田野のカエルが鳴き始める頃

 新緑が沸き立つような眩しさで勢いを増し、
生命の力強さに励まされるような気がします。
さあ新しく始めるのだと言われているようです。

 日常のことで、ついぞんざいに茶を淹れてしまうのに、新茶を淹れる時ばかりは 

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自選俳句 春分から穀雨

自選俳句 春分から穀雨

  人の子も蜂も巣分かれ日の中を
  春の日を一匙掬う粥の白
  麦青む風雨貫く背すじ見せ
  菜種梅雨紙漉くように窓流る
  街燈の音なく消ゆる春暁や
  網籠の桜鯛の眼の海よ
  魚の棚さより水平線より来
  春雷や街はまるごと縮んだか

  花影の辻󠄀を護るや幾世代
  揚げ雲雀この空今は君のもの
  蔦若葉日を吸うて吐き発光す
  十薬は匂いの使者を先ず寄越し
  よぎる香や青麦の熟れ始

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短歌 アイビー

短歌 アイビー

  延びすぎたアイビーを刈る捨てた枝
        拾う矛盾を一人笑いつ

昨日は草刈りや伸びた木の剪定をして一日がすぎました。
 せっかく刈ったのに ついつい 枝ぶりの良いのを拾いあげては 活けていると 強健なものは根がでます。困りものです。よせばいいのに。

 好きな俳句に 河東碧梧桐の
   さくら活けた花屑の中から一枝拾う
という句があります。この一枝拾う 動作をして
碧梧桐の気持ちにな

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