一人俳句ときどき短歌

一人俳句と短歌に挑戦を始めた 70歳目前の焦りの日常の とりとめのない 独り言

一人俳句ときどき短歌

一人俳句と短歌に挑戦を始めた 70歳目前の焦りの日常の とりとめのない 独り言

最近の記事

自選俳句 春分から穀雨

  人の子も蜂も巣分かれ日の中を   春の日を一匙掬う粥の白   麦青む風雨貫く背すじ見せ   菜種梅雨紙漉くように窓流る   街燈の音なく消ゆる春暁や   網籠の桜鯛の眼の海よ   魚の棚さより水平線より来   春雷や街はまるごと縮んだか   花影の辻󠄀を護るや幾世代   揚げ雲雀この空今は君のもの   蔦若葉日を吸うて吐き発光す   十薬は匂いの使者を先ず寄越し   よぎる香や青麦の熟れ始まるか      頭上注意飛燕知らせる札かかる   明日は明日牡丹開く今日の良き

    • 短歌 アイビー

        延びすぎたアイビーを刈る捨てた枝         拾う矛盾を一人笑いつ 昨日は草刈りや伸びた木の剪定をして一日がすぎました。  せっかく刈ったのに ついつい 枝ぶりの良いのを拾いあげては 活けていると 強健なものは根がでます。困りものです。よせばいいのに。  好きな俳句に 河東碧梧桐の    さくら活けた花屑の中から一枝拾う という句があります。この一枝拾う 動作をして 碧梧桐の気持ちになります。今時の‘’推し‘’に近い感覚です。  碧梧桐は、墨蹟も悠然としていて 墓

      • 短歌 花降る(二月〜四月)

          夕さりて池も朧や影ひとつ      雲間の月に寝転ぶ「SLIM」    (月面探査機SLIM)   細胞の破壊と再生その間       魂の音生まれ続ける   同じ木にまた新しき花の咲く       友の本音も上書きされて     朧夜に白木蓮のにじみたる       風も尋ねんものや思うと            (まひろを想いて)   別々の人生の時間割それぞれの        初めと終わり変わらぬもの

        • 短歌 白詰草

             摘み取りし白詰草の根の白し        大匙一の水に甘んじ    雨の朝です ふと見ると白詰草から根がでています 予期せぬ嬉しい贈り物を貰ったような  広がりすぎたクローバーを刈取り 数本を水にさしていただけなのに  捨てる寸前の小さいグラスの僅かな水に

        自選俳句 春分から穀雨

          俳句 牡丹華の頃

              朧夜の光跡坂道下りゆく     春惜しむレモンサワーの泡いくつ     四月尽名もなき山も濃くなりて   牡丹華(ぼたんはなさく)七十二候      牡丹の花が咲き始める頃 四月尽です。波乱の天候に此方では牡丹は散ってしまいましたが、菖蒲が咲き始めています。日本の何処かでは 牡丹が今まさに開いているかもしれません 標高の高い山では藤だより  いずれにしても 牡丹は春に別れを告げる花 季節は夏へ  写真の絵は 牡丹の墨彩画で筆者によるものです 七十二候の言葉に

          俳句 牡丹華の頃

          短歌  影絵

              言葉には噓と感情潜り込み           影絵のきつね息をしている  言葉は そもそも曖昧で 人は 受け取りたい部分を受取る気がします。  手の作る影の不思議 影絵から物語もうまれそうです。   写真は ジャスミンの花     辺りに甘い匂いを放っています     茉莉花とも                                                                        

          短歌  二心

            偉業への献身虚しふたごころ       人間という悲しき者よ   哲学は悪も善だと説くけれど       消えない凝り抱えたままで         一人の人間の身に起きた 同時進行の善行と悪行という出来事を消化できずにいます。  説明できないことが起きるのが人生かもしれませんが。生きているのは もうそれだけで、毎日 別誂えのトラップの上を歩くようなものかもしれません。それにしても と、堂々巡りの自問自答が続いています。  偉業も続いています。新しい献身を得て。  偉業

          短歌  噓の温度

             温かき噓の温度よ珈琲は        砂糖ミルクも無しで頂く          たまゆら 行きずりの人の心憎い言葉に 心晴れることがあります。今なら 即座にメモし、短歌か俳句に詠むでしょうに。  言葉は忘れても、その時の温かさは覚ていて、時折 ふいにその感情を思い出します。その時 ぁぁ、嘘にも温度がある と感じたことを。 写真は ジャコウソウ

          短歌  噓の温度

          俳句  真昼時

              桐落花ポトリ 寺の真昼時     終りなき巡りの今や花は葉に  高い所に咲く桐の花は ポトリと落ちて来るその音と 落ちてきた花の大きさに驚きます。今 葉桜のとなりで桐の花が お寺詣りの人に憩いの陰をつくってくれています。このお寺は街中にあり、ブックマルシェ(本の日 4月23日前後に開かれる本のお祭り)の帰りによく寄るお寺です。  そのブックマルシェが今年は開催されず、そういえば昨年 開催場所を探しているけれど 見つからないと話されていたことを思い出しました。雨の

          俳句  霜止出苗の頃

             脱帽ですそのままアート葱坊主    そら豆のさや寝袋にしてみたき    霜止出苗(しもやんでなえいず)七十二候      温暖になって霜はなく、苗が青葉を      出す頃 写真の絵は 筆者によるものです      絹さやの花 と そら豆 七十二候の言葉に 墨彩画と俳句を合わせることに挑戦しています(只今20/72)       

          俳句  霜止出苗の頃

          俳句  牡丹寺

              鶯の近し山寺巡るバス     明日は明日牡丹開く今日の良き     白牡丹人の穢れを吸うて白    牡丹の花は 4月末の「牡丹華」(ぼたんはなさく)の日を待たず もう終わりかけていました。 山が深くなるにつれ 雨催い 雨にまた花が傷むでしょうか。  牡丹は栽培方法で、冬に咲かせたりして寒牡丹という季語もあるくらいです。華やかな大輪は人の心を惹きつけるのでしょう。  紅い系統や黄色い花が多く 白は少ないようです。雨に打たれて咲く白は 殊更目を惹き 花盛りを過ぎた雨

          短歌  空欄

             不確かな記憶増やしている日記         空欄みつけほっとしている    日記をつけ始めて思うことがあります。誰も読まないのに 書いてる自分が読み返すので 自分に何だかカッコつけてるのです。何と滑稽  書いたそばから 不確かになっていくような不思議に 囚われています。  面白いので 続いています。昨年末に五年日記をプレゼントされました。未だに 何故と思います。  明日はいつも空欄  そこが良さ です。                               

          短歌  姉弟  

            カタカタと姉おとうとのランドセル        縦にならんで行く春を行く     麦が好きです   近所の子が一年生になり 朝 お姉さんの厳しめの先導に 普段のやんちゃぶりを封印して 神妙に後を行きます  麦の成長と重なり涙腺ゆるむ春です 成長を しみじみ祝いたいと感じます 写真は 大麦畠      麦は熟れはじめると早く 晴れて黄金色                        に輝く頃 芳しい香りが肺を満たします

          短歌  姉弟  

          俳句  初燕

              頭上注意飛燕知らせる札かかる     去年の巣覚えていたかツバメ来る    見上げれば、また随分高い処に巣を作っている様子 産直市場の外壁です。 柱の陰で燕を待ちます 何方から来るかわからないので、カメラを巣にあわせて 待ちます。  せっせと泥を運ぶ燕 何故こうも惹きつけられるのでしようか  朝から雨が降っています  雨の似合う燕               

          短歌 つちふる

              雑巾を濯ぐ水にはゴビの砂        はるばる此処でまた土へ    黄砂が続きました。車を洗うバケツの中で もやもやと細かな砂が浮きます。  ゴビ砂漠やタクラマカン砂漠から来たかと思うと 厄介だけではない感情がわき起こります。  黄砂の夜 月はどのように見えるかとスマホのレンズを向けましたが、肉眼で見たようには撮れません。昨夜の月は ぼうっと紗がかかったようでした。  月の砂漠をはるばると  口ずさむ夜でした。       

            短歌写真より    小手毬の毬の連なりそのひとつ       ひとつが明日へ明日へ繋がる             

            短歌写真より    小手毬の毬の連なりそのひとつ       ひとつが明日へ明日へ繋がる