試される大地の優しさに触れた北海道10日間の旅 / 室蘭の“町”を例えるなら
昨年の秋にフリーパスで行った、北海道一周の旅をお届けしています。
前回の旅で東室蘭に到着したくろしお。
記事の最後にちらっと書きましたが、今から室蘭駅に向かいます。
来た来た~!これに乗りますよ。
こちらの特急は東室蘭駅に到着後、東室蘭~室蘭間は普通列車になるんです。フリーパスはもちろん、乗車券※のみで特急に乗れる区間になっています。
※通常、特急に乗るには乗車券+特急券が必要です。
ちなみに、これから乗る車両は1990年にJR北海道が初めて投入した特急車両なんだそう。
34年も頑張って走っているんですね。そんな貴重な車両に乗れるなんて嬉しいです。
少しの時間だけど、特急すずらんを楽しみましょう。
ここでひとつお知らせ。北海道の主要特急も2024年3月16日のダイヤ改正で自由席がなくなりました。
特急すずらんも、そのひとつ。
なので、今までは札幌~東室蘭間が特急すずらん、東室蘭から先、室蘭までは普通列車という種別をとっていたけど、ダイヤ改正後は札幌から室蘭まで特急として運転されます。
だけど、種別が変わるだけで、東室蘭~室蘭間のみの乗車であれば、今まで通り乗車券だけで利用可能のようです。
変わり目はややこしいけど、これからのことを考えると全席指定なのに、種別を統一しておかないと逆に戸惑いを招きそうです。
では、すずらんに乗って室蘭へ。
ちょっとプレミアムなシートになっているのが、こちらのUシート車両。新幹線で例えるとグリーン車ってとこかな。でも、このUシートは追加料金はかかりません。ほかの指定席特急券と同じ値段なので、指定を取る時は4号車(Uシート)がおすすめです。(2024年3月現在)
乗車時間は12分ほど。プチ移動です。
次駅は御崎(みさき)駅…ですが、写真がないー(汗)
では、駅の外へ。
光の差し具合がとってもきれい。
素敵な駅舎です。
東室蘭駅は、真っ赤な立方体。
室蘭駅は、アクアブルーの円柱。
意図して対照的に造ったのかな。“むろらん” って言葉の響きにもマッチしたような外観。揃うことで、ひとつのアートであるような駅舎だなぁと思いました。
こんなに素敵な建物なんだし、二つの駅舎を並べたジオラマがあればいいのに。駅舎の形からイメージしたら、
東室蘭はムロくん
室蘭はランちゃん
ってネーミングなんてどう?と、勝手に想像したりして(笑)
─────
そんな室蘭駅は1970年(平成9年)まで、もう少し海に近い場所にありました。ここも、昔は石炭輸送を担う駅として栄えていたそうです。
この旧室蘭駅は道内最古の木造建築駅舎で「国の登録有形文化財」に登録されています。
今では観光案内所として活躍中。現役の室蘭駅から歩いて行けるので行ってみましょう。
1kmほどしか離れていないので、10分ほど歩くと見えてきました。最初に出迎えてくれたのは蒸気機関車D51。
道内最古の木造建築とは思えないぐらいきれい。大切に保存、活用されているのが分かります。
なんだろうなぁ。昔と今の、ちょうどいい狭間にすっぽり入り込んだような空間でした。
では、室蘭港を少し眺めてから帰ることにしましょう。
帰りは、普通座席に乗ってみよう。
─────────────────
日も暮れてきて、ちょうどいい時間になってきました。今夜は東室蘭で北海道のソウルフードを食べに行きます。
それは、ジンギスカン!
札幌や函館ではなく、ここ室蘭でいただくのがミソです。と、勝手に思っています(笑)
しかも、ここが地元なら、、、あんまし教えたくないお店。隠しておきたい。。。
知らない土地で、こんな細い路地に入って行くドキドキワクワク感。
お酒は飲めないけど、快く迎えてくれたご主人。旅の話しや、室蘭のこと、函館でおすすめのお店など、たくさんお話しして下さり、とても楽しい時間を過ごすことができました。
それと、人生初のラム肉サイコーでした。
通いたい!どこでもドア欲しい(笑)
こうゆうお店の雰囲気が苦手でなければ、おすすめです。
ここあまり広くないので、大人数で行く時は、事前に電話したほうがいいかもしれませんね。一人旅の方はぜひ、食べに行ってみて下さい。
はぁ、幸せ。ごちそうさまでした!
もう少し室蘭の夜を楽しみたいので、散策しながらホテルに帰ろう。
滞在者にも困らないほど、お店は充実しているけど、ごちゃごちゃ、せかせかしていないんですよね。足取り軽く、ゆったりした気持ちで歩ける町です。
だから、地面に埋まっているものにも自然と目がいき、立ち止まって見てしまいます。かわいい。
ここ室蘭は駅舎をはじめ、一つ一つは決して大きくない。だけど、そのひとつひとつが煌びやかに見える。
都会過ぎない都会。そんな場所でした。空に咲く大きな打ち上げ花火じゃなくて、可愛らしい線香花火がいっぱい咲いている。。。そんな例えが似合う“街”。それが室蘭でした。
タイトルでは『室蘭の“町”を例えるなら』と使いました。確かに規模は『町』かもしれません。だけど私は、あえて線香花火が似合う“街”と表現したいと思います。
なぜなら「街」は人が多く出入りする場所や、商店街、ビルなどがある都会的な様子を表現します。 一方「町」の漢字は、田んぼを区切るあぜ道と言う意味合いから生まれました。(今ではそのような使われ方はしませんが。)
~ いい感じに町の様子を壊すことのない街 ~
室蘭を歩いてもらって、そのような雰囲気を味わってみてほしいです。
くろしお
北海道一周旅。初めて降り立つ駅で宿泊するのは、ここ室蘭が最後になります。
明日は、北海道フリーパス7日目。パスが使える最後の日です。
北海道一周旅、最後の記事はこちら。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?