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好きなことを仕事にするのは悪いことなのか。

『1番好きなことを仕事にしてはいけない』というのはたまに聞く言葉だ。

1番好きなことを仕事にしてしまうと、それを楽しむ事ができなくなると言われている。

これは確かにそうだ。

俺は今でもお笑いが好きだが、芸人になってから子供の時ほど素直にはお笑いを楽しめてはいないかもしれない。

だが好きなことを仕事にしている身から言わせてもらうと、それでもやっぱり芸人になってよかったと思う。

これは人によるだろう。

芸人の場合、ある程度やってネタの分析ができるようになったりするとそっちに考えがいってしまって素直に楽しめないこともある。
好きだからといって漫画家やゲームクリエイターになった人なんかも同じようになるかもしれない。

それでも芸人になってよかったと思うのは、俺がお笑いを"やる"のが好きだからだと思う。

俺はお笑いを見るのも昔から好きだったが、それ以上に人前に立って笑いを取るのが好きだった。

お笑いが好き、漫画が好き、ゲームが好きと言ってもそれを"見て"楽しむのが好きなのか、それを"作る"のが好きなのか、それによって仕事にするべきかどうかは違ってくる。

それを仕事にしてしまえば人のものを見ても素直に楽しみにくくはなるからだ。

自分が分析できるばっかりに『これはここが悪い』『もっとこうすればいいのに』と思ってしまうこともある。
逆にそんなことを考えられないような凄いものを見た時は、それに遠く及ばない自分と比べてしんどくなってしまうこともあるだろう。

"見る"側としては、好きなものを一つ潰してしまっていると言っていいかもしれない。

だからそれでも続けられる人はそれを作る事が好きな人だ。

もっと言えば、芸人や漫画家のような競争の世界では本当に好きな人じゃないと続けられないとも思う。

そこではむしろ、好きなことを仕事にしている人しかいないのだ。

好きこそが、その仕事をする才能なのである。

とはいってもこれは仕事を続ける事ができる才能なので、どれだけ好きでもその仕事をするポテンシャルがあるかどうかは別だ。

いくら野球が好きでも、運動神経が悪くて小さい俺は、大谷翔平にはなれないだろう。
それでも小さい頃から頑張り続けていればプロ野球選手にはなれたかもしれない。
吉田正尚のように小さくて足が遅い選手だっている。

その世界でトップになれるかどうかは別だが、好きは努力をする才能になり得る。

ポテンシャル×努力=実力なのだ。

好きなことを仕事にしたいなら、それを"見る"のが好きなのか"作る"のが好きなのか考え、"作る"ことが本当に好きだと思うなら仕事にした方がいいと思う。

仕事なんて好きである必要はないのだから、適当に仕事をして好きな趣味に没頭するのも良い人生だ。

生き方は人それぞれ。

おしまい。


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