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vol.222 個展作品  モデル:りなさん

緋色展の展示作品モデルさん12人目はりなさんです。

りなさんとは一番最初にリアポへの撮影を協力していただいたモデルさんでありますが、あの時は展示枠の関係で自分が思うような展示ができませんでした。

もっといい写真があるけど展示できないという悔しさもあり、いつか納得できる一枚を撮りたいという気持ちがありました。

そういう想いもあり、今回の個展に協力いただきました。

展示作品


「 Si vis pacem、para bellum 」
モデル:りなさん

何かをやろうと決めて一歩踏み出した瞬間から、それは望むと望まざるとに関わらず競争の世界に身を置くということである。
一歩踏み出し、歩き続けた先で手にするのは求め続けた理想か、歩き切った達成感か、はたまたさらなる高みを目指す心境か、それは歩き続けた者、歩き続けた先に到達した者しか分からない。歩き続けた者にしか見ることのできない景色があり、得られる何かがある。

歩き続けた先に何かを得たあなたがいる一方で、あなたがいるからこそチャンスを得ることができない人間、そこに到達することができない者もまた存在する。
その者は一身に太陽の光を浴びるあなたのその影に隠れ、陽の目を浴びることはない。

あなたが今いる場所。

それはあなたが知ってか知らずかに関わらず多くの人の機会を奪い、得た地位である。
だからこそ、その場所に立つことができた自分自身を卑下してはならない、卑屈になってもいけない。立つことができた自分に対し心の中で拍手を送れば良い。
その場所に立つことができなかったその他大勢を哀れんではいけない、情をかけてもいけない。彼ら彼女らがあなたの歩みに勝る努力を行ってこなかっただけなのだから。

その場に立つことができたあなたは小さな世界であっても中心となる。あなたを軸に世界が小さく回る。小さな世界であっても中心となり得たあなたは輝きを失ってはいけない。ゆっくりでも歩みを止めてはならない。それがその場に立った者の背負うカルマである。

人が人である限り、歩き続ける限り他者との摩擦は避けて通れない。
それを恐れず自分の道を歩き続けている人たちが私たちの身近には存在する。
創作写真の世界を切り開いてきた人、カメラマンとモデルの交流という場を提供する人、展示会の開催を通じて地域の展示を盛り上げようとする人。大きな写真展に何人ものカメラマンからモデルとして選ばれる人。歩き続けた者が得たものは彼らにしかわからない。

一歩踏み出した瞬間には、誰の手にもまだ花束は無く。
一歩踏み出した瞬間から、誰の手にもその人だけの武器がある。
自身が持つ唯一の武器を携え、磨き上げ、歩き続けた先に得た花束にはどんな花が添えられているのか。それは歩き続け、努力し続け、戦い続けた者にしか得ることが出来ない世界でたった1つしかない花束である。


展示作品

展示には撮影に使った花束などをかざりつけしました。

アザーカット

キャプションでも書いていますが、人が人である限り必ずどこかで他人との摩擦が起きます。それでもそれにめげずに自分の信じた道を歩き続けた人がいて、歩き続けた先にいるモデルさんの中の一人がりなさんでした。

だからこそこの作品のモデルにはりなさんがふさわしいという思いがあります。りなさんが見えないところ、見えるところ問わず努力を続けたからこそあらゆる写真展でモデルとして選ばれているのであってその努力も含めて歩き続ける人の姿を見てほしいという気持ちになりました。

そんな思いを込めた作品をりなさんと作り上げることができてとても誇りに思います。

では、また。

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