山田陽

落書きしたり、木を削ったり、文字をならべたり。夜空に溶ける月星をながめたりとか、朽ちゆ…

山田陽

落書きしたり、木を削ったり、文字をならべたり。夜空に溶ける月星をながめたりとか、朽ちゆくものに思いを馳せたりします。  あとにゃんこさんを追いかけて逃げられたり。仲良くなりたいのになあ。

マガジン

  • リングランドのパステル工房

    リングランド王国王都にて、パステル工房を営む青年ニコ。 彼は、いつしかこの世の全ての色彩をパステルで再現しようと夢を見ていた。 世間から白百合と称される貴族の少女、アンドレア。 笑顔を絶す事のない彼女は、心に影を抱いていた。 運命的な出会いを果たし、互いに惹かれ合った二人は、満天の星空のもと、一夜の冒険に出ることとなる。 これは地上にまだ星が降っていた頃の話。 青年と少女の織り成す、色彩に包まれた優しい物語。

  • ざれごと。はきだめ。

    なんかいろいろ。

  • ものがたりとか

    僕が綴り僕が語る物語。

  • 描いた落書きとか。

    落書きを置いときます。

  • 木彫りとか。

    木を彫ったモノを置いときます。

最近の記事

リングランドのパステル工房

 第1話 ニコ  月の光を浴びて影は静かにその姿を消す……  これはまだ星が地上に降っていた頃の話。  敷き詰められたアーチ模様が連なる石畳の大通り。 荷馬車が何度も往来した事を物語る轍。  人を乗せゆったりと闊歩する馬は、柔らかな陽射しの中、石畳に蹄鉄の音色を小気味良く刻む。  通りの両脇には、緑映える銀杏が等間隔に植樹され、すっきりとした並木道の景観を作り出している。  真っ直ぐに歩くのが困難なほど溢れかえる路地裏は、空を赤や黄といった情熱的な色の大きな布で覆

    • 花束と黒猫

      • 台座すごい

        台座凄い。 何が凄いって、何でもない物が台座に乗っただけで、何かとても貴重で崇高なものに見えるからだ。 なんなんだ台座。 なぜお前さんがいるだけで、乗ったものを、さも凄く特別なものの様に見せてしまうんだい。 いやあ。 台座凄い。 作品だけじゃなく台座も自作な山田です。

        • マーノと森の魔女

          人里からずいぶんと離れた深い森の奧にマーノという一人の少女がいました。 それはそれは綺麗な赤い瞳の持ち主の少女です。 マーノはいつも一人ぼっち。 なぜなら、近場には誰も住んではおらず、木こりのお父さんとの二人暮らしだったからです。 お父さんが木を切り出しに行っている間、一人ぼっちになってしまうマーノは寂しい思いをいつもしていました。 だけれどそんなマーノには一人だけ友達がいました。 今は亡きマーノのおばあさんが作ってくれた木彫りの古びた男の子の人形。 それがただ

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        記事

          目を彫ること。

          絵でも彫刻でも、目入れって気合はいる。 そうでもない人ももちろんいるだろう。 僕はいつも最後に彫る事にしてる。絶対に失敗出来ない部分。 待ったなし。 指は震えるし、慎重になりすぎて時間もごっそり奪われる。 でも、全工程の中で一番好きな。 だって彫り終えた達成感がたまらないじゃない。 で、今夜、それを味わいました。 たまらんです。

          目を彫ること。

          なんかごめん。

          社用車のタイヤを良く見てみたら、テントウムシの蛹がくっついてた。 このあと車乗り回した。 なんか、ごめん。 彫刻刀が欠けた。 無理な力をかけたからだ。道具を痛める度に実力不足を痛感する。 なんか、ごめん。 ちゃんと研ぎ出すからね。

          なんかごめん。

          落書き

          この落書きからなにか良いものが生まれたり生まれなかったりです。

          到達地点。

          新しく生み出せたなら、そこが現時点での最高到達点。 深くは考えず、ただただ地道に前を向いて突き進む。 生み出し続けること。続けること。 死ぬ間際に振り返って、ああここが僕の最終到達地点なのかあと。 道中に転がる生み出したらモノたちが、その時僕をどんなふうに見つめるだろか。 楽しみよ。

          到達地点。

          乙女の祈り

           月に祈りを捧げる。 言葉だけならばなんて楽なことだろう。これを形にするとなると、結構な労力だ。 だけれど、やっぱり出したくなっちゃう。 ぼんやりと頭の中でイメージを膨らませて、それを下描きしてみる。その下描きを元に頭の中で立体化してみる。これが出来たなら、あとは彫り出すだけだ。僕はもうこの時点で完成って言ってもいいと思う。 この頭の中で立体化が容易ではないのだもの。 仕上がる一連の工程を置いておきます。良かったら見てください。

          乙女の祈り

          いつか必ずと思ってた。忙しいとか疲れたとか逃げ回ってた。正直、実力不足は感じていたし、上手く表現すること出来ないと思っていた。そうこうしているうちに、平凡で退屈な毎日が何層にも重なり、強く願っていたモノを押しつぶしてしまっていた。真正面から向き合うどころかその存在すら探し出せなくなっていた。忘却の彼方とはまさにこれだ。とある景色、ラジオから流れてきた懐かしい歌、どこか覚えのある香り、軽い頭痛に、甘い胸やけのするようになった缶コーヒー、吸いすぎて不味く感じたいつもの煙草、かった

          クマとエリザベス

          木彫りのテディーと少し口が悪い花のエリザベスのコンビです。 まるで性格が合わないはずが、何故かいつも一緒にいます。 大きめの作品になりました。

          クマとエリザベス

          薔薇

           薔薇。とても好きです。

          なんでもない日に花束を

          特別な日ではない日常に、理由もなく贈る花束とか素敵だなあと思い。

          なんでもない日に花束を

          月と黒猫

          好きな組み合わせ。ありきたりなアイコンの組み合わせ。でも人によって描き方は様々ね。 落書きで頭の中から引っ張り出す。無だったものがはじめてこの世界に。 自分に突き刺さったとき、たまにカンバスに描いたりする。また違った形になったりならなかったり。 二次元から三次元へ。 余程気にいるとこうなったりする。 月、黒猫、ハート、ツギハギ。好きなものを全部詰め込んだ作品。 そんな感じ。いい感じだ。

          月と黒猫

          ダルボスの仕事

          勤勉な大男、ダルボスは毎晩決まった時間に作業に入る。 神様からこの役を担って、もう何年間経つだろう。 数を数えるのが得意ではないので、とっくの昔に忘れてしまっていた。 来る日も来る日も同じ事を繰り返す日々。 人が帰路につく頃に無言で支度を始め、たとえ雨の日だって休まない。 見てくれる人がいて、心待にしてくれる人がいて。 たったそれだけが喜びであり、生き甲斐だから。 古く軋む滑車をひたすら動かし続け、今夜も夜空に月を上げる。

          ダルボスの仕事

          抱くの続き

          僕の創作は落書きからはじまる。 沢山の落書きをして、その中から自身の心に深く刺さったささくれのようなものを形にするように。 この落書きが木彫りになりました。 人が抱けるハートって一体幾つあるのだろう。大きなものはやっぱり一つだけだろか。 抱ききれないものはどうなるのだろう。 とか、思いながら。

          抱くの続き