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風姿花伝を読んだことについて

1. 風姿花伝とは?

風姿花伝といえば、日本の芸能論として頂点に君臨していると言って過言ではない、世阿弥の代表的な能楽論である。

2. ゴールデンウィークの読書体験

今年のゴールデンウィークは、教育書も自己啓発書も小説も、全部読む気にならなかった。特に教育書は、どれも何だか同じことばかり書いてあるような気がして、お腹いっぱいになってしまった感があった。
それでも、何か読んでいないと落ち着かないので、クルマのタイヤ交換の間に、近くにあった本屋で立ち読みをした。

忘れる読書 (PHP新書) https://amzn.asia/d/5n7vJbK

たまたま読んだこの本で、風姿花伝が少し触れられていた。そうだ、たまには古典を読むのも悪くない、というか久しぶりに読んでみたくなったぞ。ということで、帰ってから書棚に眠っていた旧大系をひっぱりだしてきた。

3. たまたま読んだ本からの気づき:リフレクションの重要性

個人的にヒットしたところを三点、書き残しておいた。そして、半年以上が過ぎた。実は、書きかけの下書きが結構あることに気づく。そのままにしておくのももったいないので、とりあえず少しずつ書き上げていこうと思う。

  1. 第一 年来稽古条々「三十四五」

  2. 第三 問答「花は心、態は種」

  3. 第七 別紙口伝「老後の初心忘るべからず」

第一 年来稽古条々「三十四五」
此比の能、盛りの極めなり。こゝにて、この條々の極め悟りて、堪能になれば、定めて、天下に許され、名望を得べし。若、此時分に、天下の許されも不足に、名望も思ふ程なくは、いかなる上手なりとも、未だまことの花を極めぬ為手と知るべし。もし極めずは、四十より能は下るべし。それ、後の證據となるべし。さるほどに、上るは三十四五までの比、下るは四十以来なり。返々、此比天下の許されを得ずは、能を極めたるとは思ふべからず。こゝにて猶愼しむべし。比は、過ぎし方をも覚え、又、行先の手立てをも覚る時分也。この比極めずは、この後天下の許されを得んこと、返々難かるべし。

「風姿花伝」『日本古典文学大系65 歌論集 能楽論集』 岩波書店


授業づくりにも似たところがあると思ってて、本当に優れた実践者の場合、もう30代の半ばには、その名が知れ渡ることになる。
それに加えて、体力的な面でも、このくらいがピークなんだろうなと感じることが、よくある。

もっとも興味深いのは、太字の部分。
此比は、過ぎし方をも覚え、又、行先の手立てをも覚る時分也。
今の言葉で言えば、リフレクションのことを説いているのかなと読み取った。その手法について述べていることは一切ない。だけど、ちょうど、これまでのキャリアを振り返り、今後どのようにありたいのかを考える年齢が、30代半ばなのだろう。

4. 教師としての自己成長を振り返る年末年始の時間

教師になって、はや10数年。もうすぐやってくる年末年始には、本を読むだけでなくて、一人の教師としての自分を振り返る時間をもつのもいいかもしれない。

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