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舞台『年金未納者ミャーキ』 感想

⚠舞台・原作のネタバレがあります⚠


※3,000字超あります






・ミャーキ役のコウガシノブさん、佐藤(ガードマン)役の両國宏さん出演と聞いて観に行きました╭( ・ㅂ・)و グッ!

・別日のマチネ&ソワレ1回ずつ
・原作未履修(→観劇後に読了)
・劇中の言葉は細部が違うかもしれません

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* 全体的なこと *

・舞台は、年金未納者が「犯罪者」扱いされるようになった日本。
重いテーマだし解決してない問題ですが、明るい作品なので楽しく鑑賞できました。

・要所要所で笑い、台詞に胸を抉られ、登場人物に共感し。アクションにときめき映像と光と音に圧倒され。
観る人によって共感ポイントが違うようで、他の方の感想を読むのも面白かったです。

・プロジェクションマッピング凄ーー!!
タカシ2号が原作よりグロくて夢に出てきそうで嫌でした(※褒めてます)
安田講堂(レプリカ)壊して暴れる映像は笑いました。

・開幕前の暗転&後半ミャーキが逃げている場面の曲。カーテンコールと蓮野の演奏する曲。ヒロオが相部屋に放り込まれる場面(照明と音の寒々しさ)が印象的でした。

・音響さん、アクション見ながら音出してるのメチャクチャ大変では……?
2回目に観た時、音ズレが無くなってて心の中で拍手してました

・(オープニングダンスや歌で、音出して手拍子や拍手したかったなぁ)
(小っちゃく音無しでやってました)

・ごく一部「主催者からのお願い」を守っていない人が客席にいたのが残念でした。
ただかつてと違い今の時期なので、繰り返しアナウンスすることで精一杯の対応はされてたのかな、と思います
(もう一歩だけ踏み込んで、直接声掛けしても良いのでは?とも感じましたが……)

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* 登場人物のこと *

【ミャーキ】
・超超イケメンでした〜!! いやイケメンとはちょっと違う何かかもしれないけど……
「諦めるのか? 時代のせいにして」「目先の期待にハリキれよ」等々の熱い言葉はもちろん、行動力もあるしタフだし。うんやっぱりイケメンだ

・ところで、ヒロオを奮起させようとする台詞「心の○○はたってるか」が原作に出てない!?  舞台オリジナルなんですかねアレ!?ダイジェスト動画にも出てるのに。見落としたかな…… まるで違和感ない 制作の皆さんによる解像度が高い……すご……

・ずっと頭が前に出てる歩き方が、すごくミャーキだなと思いました(変な日本語ですが)。
コウガさんは元々モノマネも上手くて何でもできる方だから(断言)、アドリブも毎回面白いし、新田(縣さん)の無茶振りにも応えてましたね。すごい(そして容赦ないヒロオのコメント)。
“カロリー消費”多い上にどんなにドタバタしていてもすごく台詞が聞き取りやすい。
ますます好きになりました!

・序盤の暴れるシーン。ズボン脱げるかと思ってヒヤヒヤしました(笑)

・劇中屈指の萌えポイント(?)、ミーさんを助ける場面は悲鳴上げそうになりました。お姫様抱っこでのあの台詞を書いた方に拍手を送りたいです
(※アレスさんがSNSに載せている稽古写真の中に、この場面らしきものがありました。素敵…!)
お姫様抱っことファイヤーマンズキャリーは乙女の永遠の憧れですよね!!
(※個人の見解です)
(※乙女とは老若男女誰もが持つ乙女心を指します)

【ヒロオ】
・ちょっとウジウジしがちな主人公。うまい棒。
カラーリングが目立つので、元気で主人公って感じですね(あんまり元気なシーンありませんが)
晒し者にされミャーキに責任転嫁するシーンは少しイラッとしました(笑)
でも一番共感できるキャラクターです。
2号暴走時、ステージに向かう前の台詞が格好良かった。

【アケミ】
・最初にチラシの写真を見た時、原作のアケミと比べてちょっと可愛らしすぎるかな……?と思ってたけど、ヒロオや永光園長との掛け合いがしっくり来ました

・永光園長を待つ間、息で手を温める仕草がグッときました


【永光園長&奥村】
・金も地位も魅力もある、ヒロオのライバル。そして彼を支える秘書。

・ボクシングが完全に園長の見せ場で、ミャーキ推しとしては悔しい(泣)
そういえばあの場面、撲針愚が見えたような……音楽など共通部分多いのに、こんなに印象違うんだ……(※舞台男塾参照)

・彼の独白シーンがとても印象的でした。作中で一番好きかもしれない。
この場面を見ると、彼がただの成金悪徳キザ野郎(失礼!)ではなくなるんですよね。
表向きイケイケでも、内面にずっとあの姿は隠し持っていたのかな…
寂しい。誰も本気で相手などしてくれない。必要とされていない。
現実で暴れ回ってる人たちも、根っこは同じなのかな……と思ってます

・原作では奥村さんが登場しないので『もう一回青春ランド』崩壊後の園長に、より一層悲壮感が漂っていました……。
控えめだけど、奥村さんは偉大。


【新田】
・なんだかワルそうな第一印象、でもヒロオの良い兄貴分(クズ要素はあるけど)。肉弾戦強くてかっこいい。
あだ名「反○」はさすがにダメすぎて笑いましたw

・原作よりエピソードが増えてますね。
タカシ2号を誘導するために、まさかあんなに体を張るとは……

・細かい話ですが、家族の話をした時にヒロオが何でいきなり子供が女の子と分かったのかがずっと謎。本筋には影響しないけど いつか家族とやり直せるといいですね


【蓮野&栗戸】
・ギター大好きマン&西部劇大好きマン。嗜好は違えど良いコンビですね!

蓮野はBGMを自分で奏でるタイプの人。スーツの紫がイメージにピッタリ!
栗戸は、せっかく(ノリノリで)助けてあげたアケミに「勘違い男」と影で言われたり、負傷後、他のゲストに患部を叩かれたりしててちょっと不憫でしたw

【黛】
・黛「まゆずみ」さん。名前間違えて読んでましたごめんなさい ちょっと奉仕活動してきます

・入居者の中でもbb…人生の先輩。
韓流の彼への暴走っぷりが凄いけど、おそらく恋愛結婚なんてできなかったよね……結婚以外のルートも無かっただろうし
劇中の歌で一番耳に残ってます💃🎶

【三河島】
・農塚さんの爺は良い爺

・「若い人がやるならともかく、70を過ぎた人間がやる事じゃ〜」にとても共感しました。
年齢を言い訳にしないことも大事ですけれども。

・ミャーキと邂逅する場面。
初回の観劇時は「ん?何この空気?」と思ったのですが、2回目で「あぁ……(納得)」
ところでミャーキの名字は「ミヤキ」で、三河島じゃないんですよね。母親の旧姓?

・ブロマイドの眼鏡を外す仕草が大変素晴らしいです👓💯

【佐藤】
・(略)ランドのガードマン。最初いい人そうだし、ネクタイの柄かわいいな~とか思ってたのに……豹変したとき怖かった! でもそこが良い
セリフ聞き取りやすくて助かります

・中盤のミャーキを取り押さえる場面。
どうしたんです?我々観客の知りえぬ所で何かありましたか??(混乱)

・あの怖い顔のまま手で v はーと v 作ってるブロマイドも欲しかったです!


【ミー&ケイ】
・コンパニオンのお姉さん。ミャーキを(原作よりこっ酷く)振ったミーと、学生運動にワクワクしてたケイ。並んだ時の配色も綺麗。

・ミーさん、ナンパされる場面はよく笑わずにいられたなぁ……と(役者さんだから当然かもしれませんが)
タカシ2号に襲われる→間一髪助けられる場面が悲鳴を上げそうに(まだ言ってる)

・ハローワークの無愛想なお姉さん&訛り強めお姉さんも良いキャラでした。ヒロオ……

【マツ&トミー】
・年金未納の凸凹コンビ。彼らもヒロオ達の仲間。(略)ランドに来てから知り合ったのでしょうか?

・樋口さんは園長(昔)の会社の人役も担当の様子。2回目観劇時、いきなり英語ペラペラ話し出してびっくりしました(笑)
あとタカシ(人間)は三原さんですかね?(ちょっと見えにくくて判別できず)

【正児&長作&ジュン】
・\ 安保! 粉砕! /  のお陰で、ここ(ランド)ヤバい所だなぁ……という気持ちが湧きましたw
彼ら、実際の学生運動の時はどうだったのかな
それと正反対の立場の労働者役も演じてますね
長作が曲の途中で色々披露してくれてビックリ🍾 シンプルに「え?」って言っちゃった
韓流の解像度が高い だんだん激しくなってません?w

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* 最後に *

・見たいポイントがいくつもあって、いわゆる“目がいくつあっても足りない”状態

・舞台は1回でも十分楽しい。でも新たな発見や(キャストさんの)遊び心によって、リピーターでも別の味わいがある。そう実感できた舞台でした!

・原作もお勧めです。ページからパワーが漲っています。
話の流れが微妙に違ったり、ヒロオ達がより一層ひどい目に遭っていたり、舞台版と比べるのも面白いです。
あとミャーキの酷い履歴書と本名(漢字)も分かりますので何卒( ˘ω˘)

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舞台『年金未納者ミャーキ』
池袋『あうるすぽっと』
2023.04.19-23
原作:須田信太郎
制作:気晴らしBOYZ

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