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「ZOZOTOWNのような箱を作りたい」を実現-ZOZOのブランディングが生み出した黒ベタ印刷の流行-

早速ですが、皆様は「箱」というと、ズバリどんな箱をイメージしますか?
・Amazon
・ZOZOTOWN
・メルカリ
・ヤマト運輸
など想像した方は多いのではないでしょうか?

その中でも「ZOZOTOWN」の箱は、
印象的で記憶に残りませんか?

全体が黒でロゴが茶色のシンプルかつ大胆なデザイン(数年前はロゴが白でした。)
ZOZOTOWNと言えば「黒い箱」。
そんなイメージを世間に焼き付けましたよね。

私がパッケージ通販会社で営業をしている時、
ZOZOTOWNのような箱を作りたい」というご相談は、ずば抜けて多かったです。

ちなみにZOZOTOWNの箱は
茶色のダンボールに黒のインクでロゴ以外の部分をベタ印刷して製造しています。
ロゴ以外の部分を専用の「印刷版」と黒インクで印刷する「フレキソ印刷」という方法です。

イメージを分かりやすく伝えるなら、
皆様はサツマイモに自分の名前を彫って判子を作った経験はないでしょうか?

彫った名前以外の部分にインクが付いて、名前部分は紙の色、周りがインクの色になりますよね?ざっくり言うと、そのようなイメージです。

しかし、この方法だと印刷版の樹脂版の面積が大きくなるので、「印刷版代」が割高になります。
箱のサイズにもよりますが、おそらく10万以上の「印刷版代」が掛かっているものもあるかと思います。
「印刷版代」は印刷面積が大きくなればなるほど、割高になる傾向があります。

その為、「ZOZOTOWN」のような箱を作りたいというご相談は多かったですが、同じ製造方法で見積もりを出すと、予算オーバーとなってしまうことが大半でした。

ZOZOTOWNほどの規模の会社様でしたら、大したことない金額かもしれませんが、新しくEC事業を始められる方、スタートアップの方には負担が大きいですよね。

ただブランディングとして、
どうしてもZOZOTOWNの箱と同じようなデザインを実現したいという方も多いと思います。

そんな方にオススメなのは「インクジェット印
」です。

インクジェット印刷の魅力は何といっても
「印刷版代」が不要!
印刷版を用いない「デジタル印刷」ですので、
ベタ印刷のような印刷面積が多いデザインは
初回、圧倒的なコスト削減が可能です。

家庭用のインクジェットプリンタをイメージしてみてください。
印刷する際にいちいち印刷版を作らないですよね?
CMYKのインクカートリッジから出るインクの掛け合わせで色を表現しますが、まさにそのイメージです。

ダンボールへのインクジェット印刷は昔から技術としては存在していましたが、
ダンボールに対して強い圧力が掛かり潰れてしまうことから、薄めのダンボールにしか印刷できない。
また印刷機のスピードが遅く、製造原価が上がってしまい、商業用の機械としては普及しておりませんでした。

しかし近年は技術の進歩で、厚めのダンボールにも印刷ができるようになり、
さらに印刷スピードも格段に上がったことで、製造原価も大きく削減できるようになりました。

但し、そんなインクジェット印刷にも欠点がありまして、全体を塗り潰すような印刷だと、少なからず「」が出ます。

プリンターヘッドの境目にはどうしても筋が出てしまいますので、
正直「ZOZOTOWN」の箱のような全体が真っ黒のベタ印刷は得意ではありません。

しかし、技術も日々進歩しておりまして
インクジェット印刷の「筋」が出にくいような機械も開発及び普及が進んでおります。
プリンターヘッドの境目を重ね塗りするなどして、筋が極力目立たないように改善がなされております。
黒ベタも昔に比べれば、比較的綺麗に印刷できるようになってきております。

ダンボール インクジェット印刷」などと調べていただくと、インクジェット印刷を行っているダンボール製造会社がヒットするかと思いますので、是非お問い合わせしてみてください。

現状、印刷のクオリティでの比較になりますと、
黒ベタ印刷の場合は、「フレキソ印刷」の方が、
インクジェット印刷特有の筋が出ない分、綺麗に仕上がります。
また、初期費用の「印刷版代」を除いた「製造単価」での比較になると同様にフレキソ印刷の方が安くなる傾向にありますので、増刷があるかないかによっても選択肢が変わってくるかと思います。

初回購入の費用を抑えたい」方は、
1回目インクジェット印刷で箱を作り、
ビジネスが軌道に乗り、増刷の見込みが付いた段階で「フレキソ印刷」に切り替えということも可能です。

これから箱を作りたい方は、ダンボール製造会社にお問い合わせをされるかと思いますが、
会社によっては、費用が嵩むような製造方法、もしくは求めるクオリティに相応しくない製造方法を提案されるということもあるかと思いますので、今回ご紹介したような予備知識があれば、最善の選択をできるかと思います。

もし判断に困るようなことがあれば、
是非お気軽に私までご質問、ご相談ください。

私はパッケージやダンボールの価値向上、品位が上がることを目標にしておりますので、
EC事業者様が求めるデザインの実現に妥協してほしくないです。
パッケージやダンボールの可能性やそれがもたらす価値の認知がもっと広まることを願っています。

以上、最後までお読みいただき、ありがとうございました。

今後もパッケージやダンボールに関する投稿や発信等して参りますので、「スキ」、「コメント」、「フォロー」などしていただけますとありがたいです。

今後とも、私「黒えだまめ」をよろしくお願いいたします。


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