LayerXは別に“すごく”なかった
初めましての方も、そうでない方も。フリーランスライター・編集者の黒木です。
この10月からLayerXの広報PRパートナーとなり、早いもので1ヶ月が経とうとして震えています。
LayerXでのお仕事が決まってからというもの、そのことを話す人話す人から口を揃えて言われていたことがありました。それは、
またすごいところで働くね〜
うん、知ってる。私もなんでパスできたのか分からない。多分、人事の石黒さんが半分面接寝てたか、すごい先の未来で私が大器晩成しているのが見えたか、そういう感じだと思います。(嘘です)
LayerXといえば、スタートアップ界隈では知らない人はいないんじゃないかと思うくらい、つよつよな会社なイメージで、何を隠そう私自身も、まさかジョインできるなんて思ってなかった。ので、相当軽い気持ちで応募していたわけです。
ちなみに、私がLayerXに応募した最たる理由がこちら。今や同じチームでめちゃくちゃ尊敬しているあっきー兄さまの神note。絶対読め…ください。
で、周りからあまりに「すごい」を連発されるので、ジョイン前日はあまりのプレッシャーと緊張から、「あ〜もう〜ヤダ〜会社行きたくない〜お仕事したくない〜」と犬にクダを巻く始末。本当に心の底から緊張してました。
そこから約3週間。私が見てきた、ありのままのLayerXをお伝えしたいなと思います。
自分を安心させるためだけのアウトプットならいらない
私は週の7割くらい稼動する業務委託パートナーとして、広報PRチームに所属しています。
これまでの経験と大きく違うのは、
プロダクトが(やたらとすごく)多い
事業体が(予想より)多い
プロダクトも事業も難しい
これに尽きます。SaaS事業の「バクラク」シリーズだけでもいくつあるんや……というくらいあるし、そこに金融、プライバシーテックと加わると、カオスでしかありません。(褒めてます)
なので私に課せられた最初の仕事は、事業に関する多数のドキュメントをひたすら読むこと。以上。
「インプットしたらアウトプットだよね〜」と言いたいけど、そもそも物量が多い+内容が難しく、そうそうアウトプットなんてできない。みんなの日報を見ては、何も生み出せていない自分と比較してショボン(´・ω・`)
そんな私に、メンターのきよひろ兄さんがかけてくれた言葉。それは
ドキュメント読むのに稼動時間を消化して焦るかもしれないですけど、このインプットは一番大事なことなので、アウトプットしなきゃとか何も気にせずに、自分のペースで読み込んでください。
えっ……キュンじゃん。理想の上司ランキングNo.1じゃん。という私の心の声はさておき、そうなのです。アウトプットするだけが進捗じゃない。そもそも、私がアウトプットを焦っていたのは、わかりやすく「成果」を披露したかったから。
下手に何かをしようとするよりも、その分集中力をインプットに注いだほうが長期的に効いてくる。納得。
業務委託だと素早い成果を求められることが多いだけに、この時間は広い意味で、すごく学びになりました。
しかし、そんな兄さんの優しさと配慮をもってしても、「LayerX」というプレッシャーはすごかったようで、2週目にしてあっけなく寝込んだ私←
「休むのも仕事のうち」ってどれだけ本気で言えますか?
本当に情け無い。本当に申し訳ない。2ヶ月目ならともかく、2週目。ひ弱な自分をぶん殴りたい。そう思いながら、Slackで連絡をしたらすぐに
そして翌日には
やっぱり優しすぎぃ……
ちなみに、これは広報PRチームに限った話ではなく、他チームで打ち合わせ入れていた方からも、メンションなしで「リスケしておきますね〜」とそっとメッセージいただいていたり、私ではない別の方が体調崩された方にも「仕組みでカバーしていきましょう!」といったやり取りがされていたり、とにかく
休むことへの罪悪感を持たせない配慮がえぐい(褒めてます)
そもそも、月曜朝の全社定例でCTOの松本さんが「休むことの大切さ」を滔々と説くわけ。
なんなら、「僕、カレンダーに入れないとちゃんと休まないんで、早速カレンダーに休む日入れました」って言うわけ。
みんな、休むことが大事だって死ぬほど分かってるんですよ。でも、スタートアップにおいて、休むことほど難易度の高いものはなく。
これを読んでいるあなたも、そしてこれを書いている私も、一度や二度はあるでしょう。家族旅行のためにとった有給中に、Slackで飛んできたメンションに返事しちゃったこと。(しかも大して緊急度高くないやつね)
松本さんに限った話ではなく、LayerXは休む文化をむちゃくちゃ大事にしている。
どの企業も頭ではわかってる。無理して頑張るより、思い切って休んだほうがパフォーマンスは上がるし、それで仕事が回らなくなるなら、仕組みがおかしいことくらい。
でも、体調不良で休みつつもSlackを返したり、有給中だけど電話に出ちゃったりするのはどうしてだろう。あの人がいないと、この仕事の進め方がわからないな〜って思った人、はい、挙手。
2周目プレイヤーたちが強い理由
LayerXには「2周目」プレイヤーが多い。CEOの福島さん然り、CTOの松本さん然り、他にも「おぉん?このプロフィール本当に合ってますか?」と聞きたくなるような、人生何回目かな?みたいな人たちがゴロゴロいる。
その人たちは、もちろん経験値やスキルが強いというのはあるけど、私が見ていて素朴に感じるのは、
過去の失敗を開示できる強さ
これに尽きる。先述した松本さんの「休むスキル」の話もそう。過去にうまく休めなかった経験があるから、LayerXではちゃんと休める組織を作りたいと、全社員の前で堂々と言える。
確かに、失敗したことを話すのは恥ずかしいし、勇気がいる。けれど、それを(可能な範囲で)共有することで、心理的安全性は確実に高まるし、共有知も増えるし、何よりやっぱり親近感を覚えて嬉しくなる。
これだけすごい人だって、たくさん失敗してきたんだと思うだけで、挑戦へのハードルがグンと下がる気がする。
しかし、これもまた、分かっちゃいるけど言えないのよね。
LayerXはすごくない。でも
LayerXは確かにすごい会社かもしれない。事業スピードや成長スピード、採用、メディアリレーション、さまざまな点において「目立つ」存在であることは間違いない。
けれど、そうは言ってもいちスタートアップ。足りないもの、行き届いていないこと、やり切れていないこと……たくさんある。めっちゃあります!人、圧倒的に足りません!!
LayerXは「普通」の会社だ。
当たり前に目の前のことに集中し
当たり前に休むことも大切にし
当たり前に失敗をさらけ出す。
当たり前のことだけど、みんながいろんな言い訳をつけて後回しにしがちなことに、馬鹿正直に向き合っている。それだけ。
LayerXはすごくない。ごくごく当たり前のことを粛々とやり切るために、全員で試行錯誤を繰り返している会社に過ぎない。
けれど、その「当たり前」はまだまだ社会全体の「当たり前」ではない。だからすごく“見える”。この文化が、日本のビジネス界のスタンダードになることを目指して、私も尽力していきたいなと思った、所信表明なのでした。
というわけで、LayerXまじで事業スピードに対してメンバーが全然足りてないので、あなたの力が必要です!
ぜひお気軽に、ポチッと応募してみてください。何が起こるか、本当に分かりませんよ。
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