君が思い出にな、らないよ(週末日記お久しぶり)

すっかりと日が空いてしまった。その間、いろいろあったような、なかったような。あ、私はやっとシン・エヴァンゲリオンを観てきました。エヴァを観ると、神学とか聖書学とか哲学とか、いろんな文献引っ張り出したくなるよね。うん、そんなことはどうでもいいんだ。

祖母は相変わらず、体調が良かったり悪かったりの繰り返しの中にいる。
痛みや不安から夜が眠れないとしきりに訴えるため、医療麻薬の使用が始まった。そのせいもあって、起きて話ができる時間は以前よりもめっきりと減ってしまった。

祖母は長年不眠症を患っており、ずっと睡眠導入剤を飲んでいた。そんな祖母が、人が訪ねてきたことにも気づかずにグースカ寝ている姿を見ると、「ああ、やっとゆっくり寝れたんだな」と思う反面、「ねえ、いつもみたいに他愛もない話をしようよ」という思いが首をもたげ、どうしようもない気持ちになる。だから私は最近、祖母のもとへ足を運ぶのが怖い。

先日、家族みんなで叔母の誕生日会をした。美味しいビストロでオードブルを注文し、バースデーケーキを買い、風船や薄紙で作る花の飾りを妹とせっせと作り、部屋を飾り付けた。
主役の叔母には「Happy Birthday」と書かれたロウソク型のメガネ、母と叔母3姉妹と祖母にはティアラを準備した。祖母には「治療を頑張ってるで賞」の金メダルまで作った。

そんな準備のバタバタにも気づかないほど熟睡していた祖母だったので、無理せず起こさないでおこうか、とみんなが諦めたその瞬間、パチリと目を覚ました。なんというタイミングの良さだ。

車椅子を食卓につけ、食べたいというものなんでも食べさせた。大好きだった焼酎もうっっっっっすーーーーーーい水割りにして飲ませた。とにかく、祖母の「したい」ということを全部叶えようとみんなが必死だった。

食欲のない日も増えてきて、プリンやゼリーのようなものしか口にできない日も多い中、その日の祖母は、チキン南蛮やら、ハムやら、チーズやら、ケーキやら、びっくりするくらいよく食べた。薄い水割りも「うすい」と文句を言いながらペロリと飲んだ。

笑顔が充満していた。

でも、みんな心の中では感じていたはずだ。
もう、こんなふうに「みんなで」笑い転げられる日はこないことを。

思い出にするには早すぎる。
ばあばのことを思い出にしたくない。
私の命を差し出すから、どうかばあばの病気を治してほしい。
もっともっと、一緒に笑い転げて、もっともっと、一緒に話をして、
もっともっと、もっともっと……

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