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『綿考輯録 第一巻 藤孝公』

タイトル:綿考輯録 第一巻 藤孝公
監修:細川護貞
著者:土田將雄 編、今谷明 編、石田晴男 編
ジャンル:歴史、中世史
発行年月日:1988年1月1日
発行元:汲古書院 出水神社
備考:綿考輯録1 (藤孝公) 藤孝公事蹟録 (巻一~八) 天文3年から慶長17年 足利将軍義晴の落胤ともいわれる初代藤孝、 号幽斎の事蹟録。

感想

 細川家の公式御家歴史本、と呼ぶべき『綿考輯録』、その第一巻。私はTwitter(X)などではよく「めんこうさん」と言ってるんだが、たいして意味はないです。語呂がいいだけ。

 細川護貞公の著作『細川幽斎』は『綿考輯録』より幽斎公の巻を抜き出したものとのことなので、簡単に言うとこちらは江戸時代に作られた御家本の翻刻バージョンということになろうか。崩し字が楷書体に直されているとは言っても現代語訳とは違うため、実際「読む」ことをしようと思うと、古文とほぼ変わりないためそこそこ苦労する。私はしている。ただ、細川ファン……にわかにも足跡を追うものとして、やはりこの「めんこうさん」を手元に置いておかずしてどうする、という気持ちがあり(いざというとき、とりあえず開いて内容を確認することはできる!現代語訳するのに少し時間がかかったとしても……)少しずつではあるが蔵書に収めている最中だ。

 さて『綿考輯録』について、ということをこのnoteでは記しておこうと思う。とはいえ、私よりももっと詳しくまとめてくださったホームページをいくつか見つけたので、そちらをご紹介する形にする。

 よく利用するサイト、国立国会図書館が全国の図書館等と協同で構築している、調べ物のためのデータベースである「レファレンス協同データベース」に、ずばりそのものなレファレンス事例があった。

質問:『綿考輯録』について知りたい。

レファレンス事例詳細(Detail of reference example)

また、データベースを探すうちにこんな面白いものも。余談的にですが。

質問:永青文庫資料の綿考輯録と永源師檀紀年録との関係について教えて欲しい
両者は、年代的に永源師檀紀年録が先に編纂された資料であるが、記述内容に異なる部分がみられる。果たして永源師檀紀年録は綿考輯録に影響を与えているのか(参考にされているのか)?

レファレンス事例詳細(Detail of reference example)

 このレファレンス協同データベースで「綿考輯録」とキーワード検索をしてみたところ、2023年12月7日現在で19件ヒットした。時折利用していたとはいえ、ここにめんこうさんの名称を入れてみることは今まで思い浮かばず、今回「あっ、そっか」となった次第。書籍そのものよりも、『綿考輯録』という記録媒体を利用することで見つかる記述などに引用される形で、質問者への回答に紹介されていたりするようだ。これがどこでも細川という現象である。(※一見細川家に関係ない事柄に見えても、なぜか細川家の名前が見えてくる現象)
 データベースを雑多に検索していくのは面白い。特に、ひとつの興味ある事柄から、どんどん連想させるように次のキーワード、次の事例へと飛んでいくのは止め時を見失う。子どものころ、国語辞典で気になった言葉を引いて、その意味に使われている言葉をまた引いて、ということを繰り返して遊んでいたのだが、あれに近い感覚を思い出した。


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