見出し画像

【小説】(最終回)「straight」114

 二人が去った後、河川敷では先ほどの男の子達が集まって話をしていた。


「やっぱり『YES』は全然ダメだな」
「ねえねえケンちゃん知ってる? 今度出たスポーツドリンク」
「知ってるよ、ストレートって言うやつだろ」
「それがさぁ、ママが言ってたんだけど、あれを作った人って、実は鳥人間なんだって」
「鳥人間?」
 ケンちゃん、と呼ばれた男の子は目を丸くした。
「すっげぇーっ、そんな人ホントにいたんだ」
「僕達もそれを飲んだら、鳥人間になれるのかなぁ……」
「うん、なれるさ!」
 幾分自信なさげに話した男の子に対して、ケンちゃんは自分の胸をドンッと叩いて断言した。
「え、どうして?」
「さっきまであそこにいたお兄ちゃんとお姉ちゃんが言ってたんだ。信じていれば、絶対なれるって」
「へーえ」


「そう、絶対にね」

 このとき、彼の背中に一瞬だけ、真っ白に輝くつばさが、姿を現した。





『straight』 了


最後までお読みいただき、誠に有難うございました😊🐈‍⬛☕️✨

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?