見出し画像

おシャレな絵本作家 / ミロスラフ・サセック

好きなイラストレーターは沢山いますが、昔からこの人以上に好きな方には出会っていません。
大好きな絵本作家・イラストレーター、Miroslav Sasek(ミロスラフ・サセック)/ チェコ・プラハ生。
プラハで建築、パリでアートを学びました。

人物はもちろん、街並みの描写も本当におシャレ

シャープなのに とがってない。
暖かいのに ゆるくない。
独自のフォルムでありながら写実的。

この人のデザイン力の素晴らしさ!
独特の色づかいやグラフィカルな線のとらえかたは
40年たった今でも全く古くなく、おシャレ度満点であります。

世界を旅する、This is…シリーズ

旅する絵本作家であるサセックは、世界の人気都市を描いた、"This is"シリーズは 世界中で愛されてきた人気シリーズで、
ニューヨーク・タイムズ誌選定最優秀絵本賞(1960年)を、
アメリカ青少年クラブ児童文学最優秀賞(1961年)を受賞。
(以下、This is…シリーズ一覧/ wikiより)

ニューヨークで購入した、This is New York

初版から40年たっての復刻版の登場で、私も一冊ずつ買い集めております。

ちょっとミスター・ビーンに似ているこのおじさん、ラジオ〜いろんなデザインの仕事をされたようです。初期の頃のイラストも素敵!
この子供と一緒に世界を旅できる This is シリーズ。
子供が英語をわかるようになったら是非読んで欲しいと思っていましたが、結局楽しいイラストを楽しんで終わった様子。

このNew York 編は、現地で買おうと思っていて、無事New Yorkで買うことができた一冊。本当は全て現地で買いたかったのだけど、それは無理なのですでに RomeやLondonやらは日本で買いました。
ぜひVeniceとか、Greeceは現地で買いたい!
なので、早く円がもう少し強くなってほしい・・・

イスラエルの子供達と絵本

Israelは現地で買えるかしら?と思っていましたが、ガザはこんなひどい事になってしまい、心は痛み、泣いています。
旅行者どころか、現地の子どもたちは絵本なんて存在自体知らないですよね。それどころか、1日で何百人の子供が殺されてしまっている日常なんて決してあってはいけない事です。
最も、報道されている状況はガザ地区のニュースなので、私たちにはイスラエルの国全体の事はわからないけれど。

こうして広い地球のどこかでいつも戦争・紛争が起こっていて、そんなものと対極にある「絵本」という文化。
子供に絵本が必要な理由ってなんでしょうか。

「窓ぎわのトットちゃん」への想い

先日「窓ぎわのトットちゃん」から40年、ということで黒柳徹子さんのインタビューを拝見しました。「窓ぎわのトットちゃん」は、黒柳さんの戦争体験を経て創られた絵本です。
思い出すのも嫌なあんな体験を、子供がしなくて済むようにとあらゆる活動をしてこられました。

子供に一番必要なのは「自由」なのだ、と。
戦争中は何もかも制限されて、何一つ自由はなかった。それが子供が成長するにあたりどれほどの負荷になるか、を訴えてきたそうです。

全ては世界中の子供達の平和のために、と行動されてきた黒柳さんは、ウクライナをはじめ、今世界中の子供達のことを考えない日は無い、とおっしゃっておられました。

「豊かさ」とは、「自由」とは何なのか。
今、陣地合戦している人たちに、考えてもらいたい。

This is…シリーズの番外編ともいうべき、「This is M.Sasek」があります。
まさに「これがサセック!」という一冊。彼の一生と作品が一気に楽しめます。
この本の冒頭に、1960年に6歳の子供からサセックに宛てた一通の手紙が掲載されています。

This is M.Sasek

その手紙には「ミスター・サセック、 Rome, New York,  London そして Parisを読みました。
どうか "This is TOKYO"を描いてください」と書いてありました。

こんな時代に日本の子供がサセックに手紙を?と思いましたが、その子はNew Yorkに住んでいる、アメリカのお子さんらしい。
こんなふうに世界中の子供は自由に、サセックの絵本で世界を旅する事ができたのです。
子供の「自由」は、「平和」の上に成り立つことです。

サセックも世界の広さ、楽しい描写、そして豊かさや自由を、This isシリーズという絵本を通して子供達に届けました。
2003年から Universe Publishingが復刻版を出版しはじめた理由も、子供達の平和を願ってのことだと思っています。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?