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2023年6月 広島

広島へ初めて行ったのは高校の修学旅行。その後、出張や旅行でたびたび訪れたが、カミさんは行ったことがないという。徳島では修学旅行でも広島へ行かなかったようだ。
飛行機で飛んだが、広島空港からはバス。町中へはやっぱり遠いなあ。
駅前のホテルに荷物を置いて、市電で紙屋町へ。

3両編成の低床電車、快適。スイカも使える。

前に行ったことのあるお好焼き屋、長田屋へ行くと、行列。えっ⁈ 外人さんばかり。幸い、さほど待たずに席へ案内された。店員さんたちの外人さん対応もめっちゃこなれていてハートフル。だから、人気なんだねえ。

焼き手は若い人ばかり、手際よくどんどん焼いていく。
1枚焼くのにかなり時間をかけている。山盛りのキャベツをしっかり焼くためだろう。
肉玉ねぎかけそば。マヨネーズや辛みソースなどは好みでトッピング。
鉄板はピッカピカに磨き上げられている。

うーん、広島のお好み焼き、旨かった。外へ出たら、さらに長い行列、並んでるのはすべて外人さん。
さて、ここから平和記念公園へはすぐ。修学旅行のグループや、またまた外国からの観光客が大勢いる。まずは平和都市記念碑に参拝。そして平和記念資料館へ。うわー、館内ゲキ混み。小学生、中学生らの修学旅行生がびっしり。そうか、先月はG7サミットだったから時期をずらして6月に集中してるのかな。

雨だけど、さほど強い降り方でなくてよかった。
公園の芝の上にはこれからお花で文字や絵が描かれるみたい。
週末のフラワーフェスティバルのための準備だったようだ。

雨はこれから強くなりそうな気配。それなら、と、ひろしま美術館へ。館内のカフェでコーヒーを1杯。

お客さんは少なく、ゆっくりじっくり、ドガ、モネ、ルノアールなど名画の数々を、
顔を間近に近寄せて鑑賞できる。フラッシュなしなら写真撮影も可。

うーん、ここは寛げるなあ。さほど大きくはないけど、絵画セレクトのセンスもいいし、展示空間もいい。

珍しい色合いのゴッホの作品。
一番惹かれたのはピカソの我が子を描いた作品。ピカソ作品は他にも数点あるが、
これは特別だった。「仔羊を連れたポール、画家の息子、二歳」1923年の作品。

一度、ホテルへ戻り、チェックイン。アパホテル駅前大橋。これまでに何度か泊まったことがある。

決して広くはないが、ベッドは大きめで、まあ十分。テレビモニターは異常なほどデカイ。

一休みしてから、晩メシを食べに再び市電に乗って出かけた。実は、広島へ来る度に寄っていた居酒屋があり、1ヵ月前に旅先から予約電話を入れたが、不自然な断られ方をした。常連優先にしたのかも。それならそれではじめからそう言ってほしいけど。ま、というわけで、今回は今夜と明日、どちらも初めての店。さて、どうなることやら。

小魚料理、とみ助。カウンターのみの店。ご夫婦で切り盛りしておられる。
一番乗りでカウンター奥の席に案内された。

とりあえずのビールをいただくと、突き出し。これにまず感動。

今日入った魚たちの白子や卵など内臓系を酢の物に仕上げてある。たまりません。

注文したのは、まずは刺身盛合せ、サザエ壺焼き、カキ塩辛。

刺身は、ヒラメ、バイガイ、タコ、サザエ。

厚めに切られたヒラメも旨いし、サザエもバイガイも旨い。タコはさっと湯通しして包丁が入っている。絶妙の加減は、驚きの旨さ。凄い。こりゃ日本酒だわ。はじめは西條鶴。んー、いいねえ。カキ塩辛にもびっくり。緑色していて、口に含むと海藻の香り。ほーっ。日本酒のためのアテだわ。

隣に座った一人客の姉さんの注文にひかれてこっちも、と頼んだのはカワハギ生チリ。
チリといえば鍋だけど、生チリは刺身なんだと。冬なら肝も大きいけど、春は小さくてねえ、と女将さんが出してくれた。これまた旨いのなんの。

旨い、旨いと、飲んで食べていると、隣の席の姉さんが話しかけてきた。仕事で来てるらしいが、かなりの日本酒好きとみた。この店は10年ほど前に一度来て、もう一度と思って来たらしい。ひとりでオコゼの唐揚げも注文してる。ご主人と一緒に旅することはないそうで、その代わり成人したお嬢さんとこれから旅できるのを楽しみにしてるそうな。息子2人の我が家ではそうはいかないとカミさん。まあまあ。〆に頼んだアジフライは、デカイ。しかもふんわりふっくら揚げられていてこれまた旨かった。広島の地酒も3種類いただいたし、いやあ、満足満足。ホテルへ戻り、大浴場で汗を流し、寝酒のビールをやって、バタンキュー。
翌朝は、雨も上がった。朝風呂、朝食後、今日は宮島へ。行きはJRで宮島口へ。JR連絡船に乗り換えると、海上の大鳥居に近寄ってくれる。

昨年12月、3年半の大修理工事を終え、9代目として再建完了した厳島神社大鳥居。

宮島へ上陸すると、ここも外人さんと修学旅行が多いなあ。さらに船には幼稚園児の団体も同乗していた。出迎えてくれるのはシカ。

シカに見えるようにお菓子や食べ物を持っていると、つきまとわれる。
奈良のシカほど厚かましくはなさそうだったけど。

まずは、連絡バスでロープウェイ乗り場へ。

途中の榧谷駅までは小さなロープウェイで。2人で貸切にして乗せてくれた。
榧谷から獅子岩までは大きなロープウェイに乗り換え、新緑の森と瀬戸内海を眺めつつ。

獅子岩駅からは弥山山頂まで30分ぐらいで行けるのだが、山頂は真っ白な雲の中、さらにはカミさんは山登りするなんて聞いてませんと大クレーム。しょうがないので、途中の弥山本堂がある開けた場所までの往復とした。

ゆっくり休みつつ登ったので、ここまでで25分ほど。お堂は不消霊火堂。
こちらは弥山本堂。
獅子岩駅へ引き返す途中の景色。左上が獅子岩駅。右は江田島方面が見えている。
山肌には大きな岩石が露出。宮島は全島、花崗岩からできている。

下山して、昼メシを食べようと、目星を付けていた店へ行くと、なんと休業。あちゃ。近くの小ぎれいな店へ入ると、ここもまた外人さんばかりだった。ぼくはアナゴとじ丼、カミさんはカキフライ丼。どちらも卵とじ。

下山して歩いていたら、結婚式の写真撮影をしていた。お天気が良くなってよかったね。
土産物屋にはしゃもじがたくさん並んでいる。
「岩むら」のアナゴとじ丼。山椒を振りかけて、いただきます。美味しかった。

食後は厳島神社を見学。

厳島神社の本殿前から大鳥居を眺める。手漕ぎ船は鳥居を潜って一回りしていく。
海に浮かぶ能舞台。厳島神社も見学客が多かった。凄いねえ、宮島も人気なんだ。

帰りは宮島から広島港へ船で帰るつもりだったが、うまく時間が合わず。で、連絡船はJRでなくもうひとつの宮島松大汽船に乗る。下船後は、市電で市内へ。これが時間がかかること! 行きのJRは30分弱、帰りは1時間あまり。それだけ乗っても250円!

広島市殿、広電宮島口駅。港のすぐ前。

ホテルで一休みしてから、今日は歩いて晩メシの店へ。途中の酒屋で県内大朝の福光酒造のどぶろくを探したが、品切れ中。三越だったらあるかもと教えられ、寄ってみたが、残念、なかった。今夜の店は広島の食材を創作和食のコース仕立てに楽しめるRIVA。あれ、ここのはずだけど、お菓子屋さんかしら。

店先に店名のRIVAはどこにも出ていない。店内のケース内のお菓子は、コース最後に
出される選択制のお菓子だった。中へ入って右手から店内へ入る仕組みだった。

店内は個室。一皿ずつ、出してくれる。全18品。基本的に一口サイズの料理。まずは小さな茶碗にアスパラの冷たいポタージュ。アスパラの濃縮された旨味。次に小さな玉子焼きにアナゴが一切れ、そこに山椒の香りの餡かけ。

ヒラマサはオカヒジキと一緒に。

次々と地の野菜や旬の魚介が美しい器に載せられて登場。

酒は賀茂金秀特別純米。ふくよかな味わい。

で、待ってました。小イワシ。オイル煮で。

小イワシを食べたかったんだ。いやあ嬉しいねえ。
広島B級グルメ、がんす。といっても店の特製がんす。魚のすり身をカラッと揚げた。
うーん、ウメエなあ。熱々でほっこほこ。サクッとした食感もいい。

メインっぽい料理は最後の方に、大きな器に、マダイとコマツナを鯛と鶏の出汁で和風ポトフ風に仕上げた一品。〆のご飯は土鍋で炊いた中華風おこわ、瀬戸内六穀豚とタケノコ。こりゃ老夫婦には多過ぎ。
で、〆はこちら。

お抹茶と10種類以上から選べる甘味、ぼくはレモン味の練り切り。

この店はホテルでもらった8000円分の地域クーポンも使えたので助かった。店を出ると、それまで奥で包丁を握っておられた店主が外へ出てきて、こちらが恐縮するほど長い間、頭を下げて見送って下さった。

帰りはぶらぶら歩いて。遅くまで営業している地だい元スーパーで名物を買って帰った。

部屋で一服し、大浴場で汗を流した後、スーパーで買ってきたB級グルメのがんすをつまみにジンソーダ缶を。RIVAの特製がんすとは大違い、チープな味。

これがスーパーで買える、がんす。ベニショウガ天の風味がある。

さて、最終日。早朝散歩へ。

広島はもちろん海辺の町だけど、川の町でもある。町の中は橋が多い。
川べりを散歩やジョギングしてる人も多い。いいなあ、駅前にもこんな散歩道があって。

ホテルに戻って、朝風呂、朝メシ。チェックアウトして、駅前のトヨタレンタカーへ。最終日は空港までレンタカーで回る。まず向かったのは安芸高田市。ご存じ、毛利元就ゆかりの町。

歴史資料館は、郡山城址の麓に立っている。周囲にたくさんあった山城のことや、
毛利家関連の年表や書状、絵図など展示品多数。

その後、世羅高原を目指した。季節ごとの花を観賞できる大きな花畑がいくつかあり、今はローズガーデンが見頃。世羅高原花の森が目的地。
ちょうど昼時のため、まずはランチ。懐かしいナポリタン。

ローズガーデンを眺めながら、ナポリタンのランチ。

さて、肝心のローズガーデン、土曜日とあって大勢のお客で賑わっていた。花も何種類かのバラが、一斉に開花していた。が、手入れが杜撰すぎる。そもそもこのようなガーデン、必ず、花の手入れをしているスタッフを何人も見かけるはずが、誰も世話してる人がいない。枝は伸び放題、花びらは散り放題、萎れた花も枝にぶら下がったままダラリとしてる。いや、花がかわいそう。コロナ前に訪れたイギリスでは何ヵ所かのお花自慢のガーデンを巡ったが、どこでも大勢の人が一輪車を押したり、植木ばさみで手入れしたり、掃き掃除をしたり、庭の手入れをしていたものだ。国内でも京成バラ園などは同様でスタッフをたくさん見かける。ところが、ここはほったらかしなのだ。これはアカンわ。1200円の入場料の値打ちはないよ。

バラそのものは美しいんだけどね。
こちらは一重の黄色いバラ。
園内はこんな感じ。どうして手入れをもっとしないのかしら。

世羅から海近くの竹原へ。ここは酒蔵巡りの仲間たちと来たなあ。

途中の自家焙煎コーヒーの店でコーヒータイム。不思議と落ち着く店だった。
竹原の重伝建エリア。突き当たりはマッサンの生家、竹鶴の酒蔵。手前の向かい合う古民家は宿泊施設になっていた。他にも同じように宿泊施設にしている古民家がある。以前来た時はなかったので、そうなったのは最近のことなのだろう。
公開されている旧笠井邸。
歴史民俗資料館の庭にある、マッサンとリタの銅像。
龍勢の蔵元、藤井酒造の交流館。前に来た時は日本酒を買ったが、今回は器を買い求めた。

少々、早めにレンタカーを返却して、広島空港でドリンクタイム。蕎麦屋で飲んだ。

小イワシの天ぷらと生ビールのセット。お代わりは砂肝と生ビールのセット。
日本酒は賀茂泉。

羽田空港でタイ航空とエバー航空の接触事故があったなど知るよしもなく、帰りのJAL便が機材到着遅れのため35分遅延となり、羽田から品川乗り継ぎで、結果的には最寄り駅到着がギリギリその日のうち、となった。

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