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2023年4月 奈良大宇陀で町並み、桜、ビールを堪能

今回の旅で、最初に決めた目的地は古市古墳群、次に龍王山。で、飛香の古墳群と博物館関係を回ろうと。さて、どこに泊まるか、と思案中に、そういえば好きな日本酒、生酛どぶの蔵元、久保本家へ寄ってみるかと調べた。大宇陀にある。あれこれ調べると、クラフトビールのブリューワリーがあり、しかも宿を併設している。よっしゃあ、これで計画完成。奥大和ビール TAP to BED という宿名、お洒落だなあ。HPから予約はできたが、基本的に金土日しか店は営業してない。それ以外の日に宿泊して食事するならリクエストしてと書いてあったが、予約時に自動返信メールが来ただけで何の音沙汰もない。1週間ぐらい前になって心配になり、電話を何度もしたが呼び出し音はなっても応答なし。メール出しても返信なし。5日前になってようやくメールで連絡が取れた。ふうう。勘弁してよ、いくら宿は素人だとしても最低限やるべきことはやりなさいよね。
さて、龍王山と高松塚など見学した後、大宇陀へ、向かった。峠をひとつ越えたら、もう着いた、ってな感じ。

道の駅大宇陀。奥山とビールはすぐ右手。車は道の駅の駐車場に駐める。
手前がビールを飲めるTAP ROOM。右奥のガラス戸を開けるとTap to Bed、宿部分。
部屋は2階の和室。シンプルそのもの。テレビも冷蔵庫もない。
トイレと洗面所、シャワールームは1階。部屋代5600円。ベッドの部屋もある。

まずは、歩いて近所を散策する。信号を渡るとすぐ、古い昔の街道沿いに、昔ながらの古民家が建ち並ぶ一角が現れる。ここは重伝建に指定されている。そんな中に、久保本家もある。あとで日本酒を買いに寄らねば。

右手の建物が生酛どぶの醸造元、久保本家。

思っていたより多くの古民家が並んでいる。そんな中に、森野旧薬園がある。吉野葛を製造販売してきた老舗だが、お宅の裏手の山一帯に薬草園が広がっていて、入園料300円で見学できる。

歴史を感じさせる木の看板。元禄時代から薬草を栽培しており、幕府にも納めていたという。
邸内の吉野葛を作る大きな桶。その向こうのお蔵では、ちょうど牧野冨太郎とここ森野家の関わりなどの特別展を開催していた。牧野富太郎は何度かここへも足を運んでいる。
イカリソウがたくさん咲いていたが、ほとんどがシロバナだった。
見慣れた青系統の花は1株ぐらいしか見かけなかった。もちろん、イカリソウも薬草。

驚いたのは、こちらで栽培されていて、名札が立っている薬草、大半はいつも山歩きをして見に行ってる高山植物で馴染み深いモノばかり。

これは後で教えてもらった。アミガサユリ。ユリ科バイモ属。
先日、新潟で見たコシノコバイモと同属。背丈は違うけど、花の形は似てる。
この前高尾山で見たばかりのクロモジ。花の数が多く、大きさも大きい。
オドリコソウ。これもシロバナだった。カタクリはたくさん出ていたが、もう終わりかけ。

旧薬園、時間がいくらあっても足りないほどだったが、予定があるので、途中で失礼し、町並みを歩いた。

ここにも吉野葛のお店。
犬矢来を置いた古民家もあった。
和菓子屋と味噌屋が並んでいた。それぞれの看板が立派。

久保本家で日本酒をあれこれ買ってから、一度、宿に戻り、車で又兵衛桜に向かう。実は前日、知人がFacebookに奈良で桜巡りをしていると写真をあげていて、又兵衛桜も出ていたが、すっかり花は終わっているのを見た。ま、それでも名高い桜だから、見るだけは見ておこうと。

この程度しか花は残っておらず。駐車場は割引きなしで、しっかり500円とられたが。
下から見上げた又兵衛桜はこんな感じ。付近にはまだ花をつけている桜の木もちらほら。

お次は、温泉。宿で入浴券をもらってきたのだ。

大宇陀温泉あきののゆ。ぬるめで好ましい内湯に浸かったら、正面に満開の又兵衛桜の絵が描かれていて、思わぬ所でお花見を楽しむことができた。

サウナもあったが、小さなサウナで、1人で入っていたら、地元のジイサン3人組がずかずか入ってきて、大きな声でおしゃべりしたり、笑ったり。勘弁してよ。黙浴、が全国統一ルールでしょ。
さあ、お湯にも浸かったし、この先はお楽しみの晩メシだ。

8種類のビールが用意されていた。マスターはほぼ独学でビール醸造を習得したそうな。
1はなかったが、後はすべて飲んだ。事前に飲み放題を予約。3850円。
スパイスやハーブ類がたくさん並んでいた。

つまみは、ポテトサラダと自家製燻製盛合せ。鹿の燻製が美味しい。

右上が鹿肉の燻製。味加減もいい。

ビールは飲み放題だが、味の違いを楽しみたいので、グラスに半分ほどで注いでもらう。もう1組、お客がいて、夫婦とそのどちらかの母親。先に始めていたが、彼らは飲み放題ではないようで、すぐに引き上げていった。あとはじっくり1人で楽しむ。マスターはここが故郷。東京で20年ほどバンドや音楽の仕事していたが、6年前にUターンし、5年前にブリューワリーを始めた。2年前からゲストハウスも始めたという。とにかく自分にしか造れないビールを造りたいそうで、確かに8種類、どれも個性的で、はっきり言って初めての味ばかり。正直言えば、もう少し定番的なビールがあってもいいな、ぐらいの過激さ。薬膳IPAなんて、本当に薬草っぽい香りで、嫌いな人は絶対いると思う。これまで独力で30種類ぐらいのビールを造ってきたそうだ。一通り飲んで、アンコールはまず最初に飲んだハーバルエール。〆はあらかじめ予約しておいた鹿のキーマカレー。これには黒ビールのスパイスダークを注いでもらった。

スパイスダーク。ローズマリー、カルダモン、ブラックペッパー、リコリスが含まれる。
スパイスの香り高く、大変美味しいカレーだった。

まだ飲めそうだったが、自制して、ご馳走様でした。

部屋のナイトスタンドは、奥大和ビールのシンボルマークが浮かび上がる。

翌朝、天気予報通り雨。だが、小雨だったのでちょいと散歩に出た。

久保本家の裏手の桜と大釜。
久保本家の先にもう1軒、日本酒蔵があった。
古民家と酒蔵とブリューワリー巡り、なんてツアーができそうだね。
宿がもう少しあれば、言うことなしかな。
これも予約してあった朝食。パンにはビールを造った後の麦芽を利用。いい香り。
770円だが、てっきりコーヒー付きと思っていたら、別会計で550円とられた。高ーい!

Tap to Bed、まだまだ改善の余地大いにあり、ではあるが、面白い試みだと思った。


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