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チーム戦でいこうと決めた日

マガジン「実店舗を開くまでとそれからの1年」

5本目の記事です。



シェアキッチンの利用を始めたのが2015年。
当初は注文のための製造や、出張販売などをしてました。

1年後の2016年。
毎週1回の営業に切り替えてから、少しずつ製造販売量が増えていくようになりました。

1人での営業もできなくもないけれど、このままでは作る量は増やせない。
そこで少しずつスタッフに入ってもらうようになりました。

今回はスタッフの変遷と、「スタッフとチーム戦で行こう」と決めるきっかけになった事件についてまとめてみました。

スタッフ採用の始まり

最初に入ってもらったのは、シェアキッチンのシェア仲間。

利用していたシェアキッチンはスペース的に広く、キッチンを他の利用者と共有することがありました。

通販用のパン販売していた仲間が、営業日、厨房をシェアして、営業する私の隣で作業していたんですが、お客様が増え、バタバタしている私を見かねて、声をかけてくれたのです。

そこで、オープン前後の1時間ほど、手伝ってもらうことになりました。

スタッフが入ると、1+1は2ではなく、もっと可能性が広がる。
タルト屋でも感じていたことでしたが、改めて感じました。

ただしばらくして、1時間の手伝いでは間に合わなくなります。

もう少し長い時間手伝いに入ってもらう必要が出てきたので、ママ友に声をかけました。
彼女は大学時代に醸造を学んでいて、パン屋さんでの経験がありました。出産後は専業主婦に。
即戦力として入ってもらい、作る量を増やせるようになりました。

ただ数ヶ月後、彼女は妊娠。
今度は飲食経験のある、イベントで知り合った友達に声をかけてみたところ、快諾してくれました。

このスタッフが入れ替わった時に思っていたこと。

育休に入った友人が、数年後仕事復帰したいと願った時に、また帰ってきてもらえるようになっていたい。

そのためには、2人ともに続けてもらえるような環境を作れたらいいな。
ただ、2人を雇う規模として、週一営業のシェアキッチンでは厳しくなるだろう。

そんなことを考えていました。

蛍光灯落下事件で感じたこと

ただ、2020年3月。
コロナが流行拡大し、子供たちは自宅待機やオンライン授業という生活になりました。悩んだ末に、クリカ食堂はしばらく営業を休むことにしました。

数ヶ月後営業再開したものの、小さいお子さんがいるスタッフには休みを継続してもらい、1人で営業することに。

1人でベーグル製造販売をする久しぶりのスタイル。
1人で作って販売するのは大変だけれど、withコロナの中、自分自身、他者との接触に積極的でなかったこともあり、正直このまま1人で続けるのもありなのでは?と考えて、悩んでいました。

1人だと大変だけれど、お願いする仕事を考えたりしなくてもよく、無責任に聞こえてしまうかもしれませんが、正直気楽でもある訳です。

ただ、リモートワークで地元で過ごす人が増え、いよいよどうにも回らない。
ということで、悩んだ末にスタッフに復帰してもらうことにしました。

そうして復帰してもらった翌週。
事件が起きました。

簡単にいうと、天井の蛍光灯が営業日に落下。
ショックと対応に追われ疲弊する私をスタッフや仲間が助けてくれた、という事件でした。

その時、意気消沈しながらも、冷蔵発酵してあった生地をとにかく焼き切らなくてはいけなかった私の傍で、仲間やスタッフが、テキパキと厨房を片付けていく姿を見て感動しました。

そして、自分のやるべきことが見えたのでした。

私がスタッフのやることを明確にして、しっかりと伝えたら良い。
できる人はそばにいる。
みんなの力を最大限に発揮すれば、クリカ食堂のできることは広がるんだ!

逃げずにやるしかないな。
がんばれ自分。

蛍光灯が割れたことで、ようやく目が覚めました。

チーム戦の形

周囲の小さいパン屋さんやお菓子屋さんを見ていると、家族経営でされているところも少なくありません。
ご夫婦で旦那さんが作り、奥様が販売。
娘さんが店主でお母さんに手伝ってもらう、など形は様々です。

ただ、スタッフを雇って営んでいるお店もたくさんありますし、スタッフを雇えばできることは当然広がります。

小商いでやろうとなると、どうしても固定費である人件費の発生に消極的になってしまいます。

私の場合は?

家族2馬力で経営しているお店と照らし合わせて、私の場合は?

規模の大きな店舗に対して、初期費用の規模感が違う私の場合は?

出来ないことをあげつらうより、出来ることを考える。
いろんなお店に関して、どんなふうにやっているんだろうとその規模感を予想して、自分がやろうとしている規模感と比較しながら、検討を進めました。

現在スタッフは4人。
現時点で、体力をシェアでき、何より苦楽をシェアできる仲間がいたことは、本当に良かったなと心底思っています。

ただ、この辺りは店主個人の特性も当然あります。(私はコミュニケーション取るのが好きなタイプ)

スタッフが増えると、シフト管理や給与計算なども当然増えるし(いずれは誰かに委ねるとしても、最初は店主の仕事と思ってやっています)伝達事項も増える。接客や商品の品質を安定させるためにも、伝えなくてはいけないことはたくさん出てきます。
自分の特性や店舗の規模感と合わせて決めていくことは大事だなとは感じています。

人にお願いするのか。
機械導入して時間を短縮するのか。
どこで効率を図るのか、どう仕組みを整えるのかを考えるのは、早ければ早い方がいいと思っています。
今はスタッフの登用だけではなく、機材の投入なども、積極的に取り組むよう意識しているところです。

ちなみに、飲食経験のあるママさんが意外と多いことは、子供を産んでから知りました。

作ることが好き。
食に関わることが好き。
できることなら飲食の世界に戻りたくもあるけれど、土日出勤必須が多く、家庭の事情で選べずに専業主婦を選ぶ。そんな人に何人も会ってきました。
そんな人たちの受け皿になりたい。
チーム戦で行きたい。
いよいよそんな気持ちが強まった頃に、広い店舗に出会ったのでした。


今回も、お読みいただきありがとうございました。

今後は、店舗開業のマガジン記事の間に、
日々のご飯作りの記事なども挟んで書いていくかもしれません。

どうぞよろしくお願いします。




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