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少しずつ、変わり続ける

「クリカ食堂が自店舗を開くまで」。
今回で最終回。
オープン後のことをまとめたいと思います。



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オープン後の目標「倒れない」

オープン直後。
必死に走りながらも、目標にしていた「半年間倒れない」は達成。
※ クリカ調べで、飲食店立ち上げた友人知人の店主達、オープン後1ヶ月〜半年で体調壊した確率8割でした。

オープンから4ヶ月後に首の肉離れ診断は受けたものの、年末年始に治したので、営業には影響はなく、走り続けることができました。
その後も営業日が実質週2から週3になっていますが、腰痛や肩こりに悩まされつつも、元気に楽しく生きてます。
スタッフからも「なんでそんなに元気なの?」と言われるけど、まぁそれはまた別の機会に。

1年半、やってきたこと

いろんなラインナップのベーグルやスコーンを作ることは当然。と言っても、新しいもの産めなくて辛い時もありました。

それプラス、作る際のオペレーション、販売方法、オペレーションの改善、告知の仕方など業務面で取り組んできたことは、数え上げればキリがない。
機材を様々追加したり。
取り置き販売始め、ネット決済方法を取り入れたり。

取り置き販売の日 袋詰めを待つベーグル達

全ての要素が合わさって、結果的にお客様の「美味しい」に全部繋がっている。どれもこれも大事な要素。
「パン屋経験がない」という弱みがあるからこそ、「じゃあどうする?」を繰り返してきたように思います。

製造のオペレーションを変えて、製造量も格段にアップしました。
待ち時間を増やさないようにするために、何種類、どういう順番で焼き上げるか。
レジ対応を何人にするか。いろんなことは日々の中で、改善していきました。

あの小さいオーブン2台で、この量をこの時間で、よく焼き上げているな、と思います。
そこまでには、スタッフとの切磋琢磨があって、喜怒哀楽のたくさんの感情を共にした結果です。
アフリカの格言「1人なら速く。みんなとなら遠くへ。」
1人では辿り着けていませんでした。

人に頼る

業務改善はもちろんだけど、スタッフにも変化がありました。
「求人かけてませんか?」と飛び込んできたスタッフも、メンバーになってから気づけば1年。
その他のスタッフも、保育園を変えたり、小学校で必要な手続きをしたり、仕事の整理をしてきてくれたり。
スタッフたち自身もライフステージを変化させ、周りが大変な時は支え合ったり。
なにがベストかを考えて動いてくれてきました。

そして昨年2月、スタッフの家族の体調不良をきっかけに私自身にも起きかねないという切実さを感じ、「店主不在でも回る店」をテーマに仕事を覚えてもらうようになりました。

年末激務を終えて一枚

そして、今年の2月。図らずも私の家族がインフルになり、私不在で営業することに。
一年かけて各自のステージをあげていたからこそ、パン屋経験のあるスタッフを中心に、全員体制で乗り切ることができました。

実は息子の病院から車で帰る時間が、お店のオープンのタイミングで。お店の前を車で通過しながら帰ることにしました。
お店の前を通ると、いつものお客様の列が。
車の中で感謝の言葉を呟きました(息子高熱なんで小さい声でw)。

自分達で考えて動けるチームになってきていること、お客様が受け止めてくださっているからでもあります。
本当にありがとうございます。

チームということでいうと、シェアキッチン仲間で元パン屋のあやぱんに、コーチングをしてもらうようになったのが、去年激震が走った2月を終えた3月から。

ピンチヒッターで手伝いにきてくれた時の写真
戦いの疲れを打ち消すための無理笑顔w

1人で考えると頭がぐるぐる迷宮入りしがちな私は、元SEで風水師という異例のキャリアを持つ質問上手なあやぱんに、思考整理のお手伝いをしてもらうことに。
友達への相談のレベルを超えてきたな、と思うようになったからです。
おかげで自分1人ではなかなか実現できなかったことを、1年という期間で実現できたと思ってます。
感謝!

そしてチーム家族。
夫は洗濯担当に自動的に就任し(むしろ私より綺麗に干す)息子も風呂掃除は任務だし、最近は自分でご飯作ることも(気分によるし、ごく稀だけど)。
You Tubeのおかげでなんだか新しい趣味をゲットしたようで楽しそう。私も色々教えてもらっています。

どこでも言っているのは「私に期待しないで」。
仕事以外で、そんなに期待されても困っちゃうし。
できない自分を曝け出すスタイルで生きていくことに決めましたが、おかげで家族としての結束が強まっているように感じてます。

とにかくやってみる

一つ印象に残っているのがオープンから一年たった頃。
スタッフから
「とにかく、やり方を変えてみたらいいんだ、ってこと。
そしてとりあえずやってみたらいいんだってこと。
そのことがここで働いて、一番よくわかった」」と言われました。

「やれない理由をあげるより やれる方法を考える」という言葉が
座右の銘の一つである私には、スタッフのその気づきは「伝わってる」という実感になりました。
よく言ってるもんね「とりあえずやってみようか」と。
(当然熟慮を重ねて重ねて、からではありますが)

日常に寄り添うベーグルを

好きだけで仕事ができるほど自分には生まれ持った才能なんてないし
そんな人が本当にいるのか、甚だ謎だけど。

でも、学び、他者の意見を聞き、変化し、続けているうちに、自分が、自分達が作ったものがより好きになり、そのことをスタッフと共にお客様に届けられていることは本当にありがたいことです。
ご意見をいただいた際には、原因を細かく見つめて、再発しない方法を考え、取り組む。結局どんな仕事もそういうことの繰り返しなんでしょうね。

自店舗オープンから1年半。
5月からは、新スタッフも加入することになりました。
とは言え、私自身もまだまだ日々学ぶことばかりです。
知らないことだらけで、こうやってnoteにそれっぽく書いてるのも「知らないこと露呈してるだけだよなぁ」と恥ずかしくなって、筆が止まることもありました。

でも、今の所「あの時店をしなきゃよかった」とは
一度も思っていないのは嬉しいこと。
あの日店探しのために自転車を踏み出した自分よ、ありがとう。

相変わらず、華々しさもなく地味だ、なんて自分自身で、卑屈精神を出しそうになることも。
だけどたくさん信じてくれている方がいるんだから信じてくれてる人に失礼!
なるべくポジティブワードに置き換えたい。
ここ数年はそんなトレーニングをしているような気もします。

これからも変化しながら
シンプルな美味しさ、時間が作る美味しさを
シンプルなベーグルを通して、皆様の日常に届け続けたい、と思っています。



最後までお読みいただき、ありがとうございました。
マガジン「実店舗を開くまで」は12本でした。
オープンからの1年(濃厚編)は、またいつかどこかで。

新しいことにチャレンジしたいけど、
なかなか踏み出せない方の参考に、
少しでもしていただけたら、
こんなに嬉しいことはありません。

結局小さな一歩の積み重ねだったんだなぁ。
自分自身よい振り返りになりました。
ま、私もまだまだ1年ですからね。言うても。
精進いたします。

シンプルな美味しさ
時間が作る美味しさ
この二つを大切に
ベーグル&スコーンの販売を行なっています。

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