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母の父ディープインパクトについて考える(牡馬編2)

前回の考察はこちら


 今回は母の父ディープインパクトの効果的な活用方法についてのお話しです。これまで送りだした活躍馬をみると、父となる種牡馬が欧州血統中心である場合と、北米血統中心である場合で、狙いを変えるべきだと感じます。


パワーストライド型の欧州型種牡馬と好相性

 欧州血統なら、全身を使った雄大なフットワークを伝えるパワーストライド型の種牡馬がおすすめ。筋力で推進力を生み出していることがポイントです。ディープの欧州血脈が父方のパワーストライドを後押しすることで、しぶとさを強化する効果が期待できます。ディープ自体が重厚化しているため、ストライド走法に緩さや非力さが混じるリスクも少ないです。

 具体的に種牡馬を挙げるなら、モーリスとルーラーシップの2頭でしょうか。
 



北米型種牡馬はストームキャット系がおすすめ

 北米型で母父ディープを狙うのであれば、ストームキャット系の種牡馬がおすすめです。ストームキャットは軽快なスピードを伝える血。前向きさがある一方、やや淡白な性質があります。母父ディープの重厚な欧血を補い、最後まで踏ん張る底力を身に着けることで、淡白さが弱みになりません。

 もともとディープインパクトはストームキャットと相性が良く、種牡馬時代には数多くの活躍馬をだしました。そういった背景が、安定感を生み出しているところもあるでしょう。

 とくに覚えておきたいのはドレフォンです。
 


 ほかの主なストームキャット系の成績は以下のとおりです。いずれも該当数が少なめ。今後データがどのように傾くかはわかりませんが、いまのところ堅実な成績を残しています。
 

アジアエクスプレス:57.1%(4/7頭)
メディーヴァル(韋駄天S)

ヘニーヒューズ:57.1%(4/7頭)
活躍馬なし

ディスクリートキャット:勝ち馬率100%(2/2頭)

オオバンブルマイ(ゴールデンイーグル)、ワールドバローズ(4勝)

※24年1月28日集計


しなやかさが強い種牡馬は微妙かも

 しなやかさや素軽さを伝えるような種牡馬が相手だと、ちょっと微妙な印象はあります。エピファネイア牡駒の勝ち馬は平均値より低いです。活躍馬はでていますし、マイナスとまでは言いませんが、恩恵は少ないかもしれません。
 


 サトノクラウン牡駒は12頭中2頭(16.7%)。あとはエーピーインディもちの種牡馬なども割り引いて考えたいです。

 気になっているのがブリックスアンドモルタル。ストームキャット系であることを考えると、理屈としては好相性になるはずの種牡馬です。しかしフットワークにしなやかなところがあるため、他のストームキャット系よりフィットしづらいのではないか? という思いも。現在、該当馬の勝ち馬は6頭中1頭と微妙。ただしその1頭が重賞馬のゴンバデカーブースです。これを好相性と捉えるか、そうでないと捉えるか、判断が難しいところです。


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