【短編小説】猫の流動性に関する調査記録
皆さんご存知の通り、宇宙の遥か彼方に“ネコリス”という惑星があった。“あった”ということは、既に存在しないという意味だ。まずはこの“惑星ネコリス”の消滅について話をしようと思う。
ネコリスの主成分は水であり、陸地になるような物は存在しない。
ネコリスを有名にしたのは、その水の特異性にあった。人類がネコリスに降り立って以降、今日で言うところの猫の姿をその水がとり、人類の前に現れるようになった。
初めは、現地調査チームが設計した居住スペース外の海上にそれらしい、しかし歪な