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税理士vsクラウド会計

クラウド会計を導入して業務の自動化を実現するには、データをクラウド上に保存する必要がある。そのため、導入の際には業務フローの改善が必要になることが多い。

自分は事業会社の経理事務を担当しており、クラウド会計の導入を検討している。導入を提案するにあたり、まずは会計ソフトの専門家である顧問税理士に相談した。

しかしながら、税理士からの回答は以下のようなものであった。

「う~ん、クラウド会計は税理士側からみると使い勝手があまり良くないんですよね。やはり従来型の会計ソフトの方が見やすいですよ。」

「それに、クラウド会計を導入するなら社内の管理体制を変更する必要があります。管理体制については税理士業務の範疇ではありませんので、社内で対応すべき課題ですね。。。」

と、なんだか歯切れの悪い意見しかもらうことができなかった。

そっか、税理士側からみるとクラウド会計の評判はあまり良くないようだ。少し納得できない部分もあったが、社内で検討すべき事項とされたため、それ以上の相談はできなかった。

なんだかもやもやしたが、まあその場はそんなもんかと深く考えずにいた。

しかし、先日あるVoicyの放送を聞いて、自身の中にあった曖昧な疑問への答えを得ることができた。

この放送では、クラウド会計の導入にあたって、税理士側の抵抗感について以下の指摘をされていた。

  • 税理士の強みは、業務フロー未改善の状態でも整った試算表を作成できる職人技にある

  • 企業がクラウド会計を導入すると、税理士の強みが生かされなくなる

  • つまりクラウド会計の導入は税理士にとって利益相反の状況になる

  • そのため税理士の多くは業務フローの改善に関する提案力に長けておらず、対応できない(ケースが多い)

放送を聞いて、なるほどと納得した。税理士が変化に柔軟に対応できないことが、クラウド会計の導入を阻害している一因なのだと。職人技を発揮して美しい試算表を作れば、クライアントから高い評価を得られる。安易な現状維持でも成り立つのである。

企業側も同じだ。業務フローを変えずにいれば、経理担当者も「私以外では何もわからない」と強気な態度でいられる。それはブラックボックス化を助長することにもなるだろう。それに変化を受け入れることは従業員にとっても負荷がかかる。

変化しないってすばらしい。だから経理の世界ってお局だらけなんだな。

しかし、時代の流れは「変化」を迫っている。変化に柔軟に対応できない人や組織は、その立場を失う可能性がある。仕事における「安定」は、一部の特権階級にしか当てはまらないのだから。

ちなみに一部の特権階級とは、、、

仕事における「安定」は特権階級にしか当てはまらなくなりつつある現実を、このツイートは浮き彫りにしている。残念ながら、このような「働かないおばさん」でいられるラッキーな人はごくわずかだ。

現代社会は、否応なく変化に適応していかなければならない転換期にある。変化を受け入れ、柔軟に対応していくことが重要なのである。

クラウド会計の導入に懸念を示す税理士たちは、数年後には自らの職を失ってしまうかもしれない。そうした現実を直視し、時代の流れに乗り遅れないよう、早期の対応が求められるだろう。

知らんけど。

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