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児童虐待とDV被害を考える、共同親権の参院審議をひかえて

幼児の虐待死事件を考察するに、虐待はまた、DVとも親和性が高い、という傾向があります。「親子」の話は、同時に、「夫婦」の話でもある、そうしたケースが多いのです。

これに対応するにあたっては妻にはシェルターを、子供には養護を、夫にはDV外来、心の治療を。そうした、福祉、医療の拡充こそが求められています。

結婚する男女が50万組いて、離婚が20万組。そのうち、DVによる離婚が1万2千組とされています。そのDVでも妻からのDVもありますが、9割がたは夫からのDVが原因とされています。

妻子がある日、逃げ出す。家には離婚届が。夫は、しかし、その後も妻子のことに何十年経っても、執拗に、関わろうとしてくるんですよね。そのことをDV家庭で育った人は、SNSで伝えています。

妻への長時間の罵倒、説教。妻も子供も、2度と関わりたくない、そう思ってる父親、夫からの執拗なつきまとい、が。

子供が幼いころ、母親とともに家を出る。それから何十年たっても、父親は妻子に執着する。家にいたとき、さんざん、ハラスメントをしておいて、罵倒、不機嫌で支配しておいて、逃げたら、逃げたで、執着してくる。

この現象はイジメでもあるんです。小学、中学の頃のイジメでも成人してからも、遠方にいる相手を探し求めようとする。これは危害を加えるためです。会ってはいけない。

過去の報道でも、男が遠方へ逃げた元妻の家に行き、その場に居合わせた妻の親族を殺害した事件がありましたが。逃げた被害者を追い求め、さらには付近にいた近親者を殺害してしまう。

この現象と似たことは、アニメ作品に依存していた男がアニメスタジオへ放火したり、アイドルの女性に依存していた男がその女性に会いにいって、大きな怪我をさせたり、がありますね。自分が愛しているはずの存在を殺してしまおうとする。

他にも困窮した母親が幼い子供達を殺害する、あるいは子供を殺し、自分も命を絶つ、そうした不幸な事象がありますが。これと似たことが夫婦間でも起きてしまうわけです。

ここでは夫婦間の関係に焦点を当てて、話をします。とりわけ、男性が加害者になるパターン。女性によるDVもありますが、事件化するほど攻撃性が高いのはまず男性ですから。

こうした男性はまず、治療の対象です。DV外来ですね。小児性犯罪者も、これは心の問題なので治療の対象ですが、DVも治療の対象です。

ペドフェリア小児性犯罪者の人々もかなり身勝手な理屈を並べますが、DVをする男達も劣らず、奇妙な理屈を並べます。すなわち、「片親阻害が」「実子連れ去り誘拐だ」と。

連れ去り。誘拐。第三者が子供を連れていくわけではない、妻が、奥さんが、子供を連れて逃げていくわけですよね。引っ越しは大変、それが急な引っ越し、であればなおさら。それも離婚です。

結婚も、そうですが、通常、離婚はもっと大変とされてます。それが夫と話をせずに黙って家を出るのはよっぽどでしょう。

まして、女性からすれば夫の収入という、生活の基盤を失うわけです。実際、母子家庭の7割は養育費未払いなわけですよね。経済的に困窮する、だから、大抵の既婚女性は多少の不満があっても、結婚生活を続けるわけです。

また、離婚というのは世間体が悪いとされますし、それが母子家庭ともなると、これは差別の対象にだって、なりがちです。

それでも、夫から逃げざるを得ない女性たちがいる。母子家庭を選ばざるを得ないほど、逼迫した事情があるのだと。

これに対して、近年、持ち上がっているのが、「共同親権」を推進する運動です。一部の国会議員や言論人までが加わって、離婚後共同親権を導入しようとしてくる。

この動きにDVで妻子に逃げられた男達が加わってきます。現行の単独親権では、同居親の意向だけで、子供の進路のこと、引っ越し、幼稚園の転園も独断で決められますが、共同親権となると、これらの手続きに別居親の許認可を必要とするようになります。

共同親権は、ですから、別居親からの養育費の支払いを義務化するものではないですし、また、別居親、この人々は離れて暮らす、子供にしきりに会いたいと唱えるわけですが、子供に会いたいときに会えるようになる制度でもないのです。

共同親権推進側の男達、別居親にこうした制度を与えれば、同居親、元妻に対する様々な執着や嫌がらせが頻発することは明らかです。

元夫が元妻や子供に対して、悪質なストーカーとなってくる。そのことを裁判官、議員、事情に疎い弁護士やメディアが実態をよく把握していないままに、一部の議員たちの動きのままに法制化することがいかに危ういか。

私は、提唱します。

女性や子供のシェルターの拡充、養育費の支払いの義務化、別居親、主に男性へのDV外来、精神医療の受診、場合によっては入院の義務化を推進すべきだと。

私のXのアカウント、そのヘッダーイラストのモデルとなった児童も、そうした制度が充実していれば、命を落とすことはなかったはずですから。

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