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国際女性デー上田 つむぎば/2024年3月10日(日)

2024年3月10日(日) イオンスタイル上田 2階イベント広場

こんにちは!暮らすroom'sです。
3月8日の国際女性デーにちなみ、日常生活で自分たちが感じているモヤモヤの内容に気づき、自分たち自身で未来を変えていくため、それぞれの思いをつむぐ場「国際女性デー つむぎば」を開催しました。
今回はこちらのイベントをレポート!

今回のこのイベントは、主に上田市を中心に活動している実行委員の「Fluff」が「上田でも何かみんなで考えられる機会になるようなイベントをやりたい!」との思いから、暮らすroom'sと共に企画から準備まで、自分たちの仕事もあり忙しい中、作りあげてくれました。
そして、「Fluff」の呼びかけで、上田市や長野県内で活動している女性支援団体全8団体(上田高校・上田ともし火・1135信州・やどかりハウス・上田市の女性支援活動・feminityarch・ゆめサポ@ながの・暮らすroom's)に出展していただきました。

3月7日(水) 〜3月9日(土)の期間には、事前展示をし、多くの方に足を止めてそれぞれの活動を知ってもらいました。

上田高校の展示
上田市の取り組みもご紹介

イベントでは「日常の瞬間に散らばっているモヤモヤに気づく」をテーマに、イベント主催メンバーによる「トークイベント」を行いました。

私たちが、普段何気なく過ごしている日常の中には、年齢や性別に関係なくモヤモヤする瞬間があります。
そのことをまずは話し、そして「気づき」、みんなで考えてお互い「勇気づけられる」。を体感してもらいたいと考えていました。


トークイベント


トークイベントは午前と午後に1回ずつ。
話すメンバーを変えて行いました。
当日のトークイベントの内容をダイジェストでお伝えします。

第1部 (11:00~11:30)
ファシリテーター: 北村 きよみ(暮らすroom's)
ゲストスピーカー: 磯野 仁美さん ・ 福地 美友さん

トークゲスト①:磯野仁美さん
就職を期に上田市へ移住して4年目。
日常の中でジェンダーに関連する内容でモヤモヤを体験し、友人に相談したことで自分だけの悩みではないことに気づく。これをきっかけに立ち上げた団体「上田ともし火」で、日本国の女性差別撤廃条約「選択議定書」の批准に向け、上田市を中心に活動を行っている。

福地美友さん(左)、磯野仁美さん(真ん中)、北村きよみ(右)

北村(以下敬称略):これまでの中で女性差別を感じたポイントは?
磯野:「良いお嫁さんになりそうだね」
という言葉に違和感。
家庭や結婚の話をしているわけでもない全く関係のない場所で、女性の働きぶりを見て何故「お嫁さん」という言葉が出てきたのか?
をきっかけにセクハラについて考えるようになりました。

北村:現在ジェンダーにまつわる活動をしている中で感じることはありますか?
磯野:職場や家庭、地域活動の中で意外と皆さんがモヤモヤを感じていることに気づきました。
ただ、モヤモヤを吐き出す場所がないだけで、それぞれ心の中にモヤモヤを抱えていると感じています。モヤモヤを可視化できる場所ができればいいですよね。

北村:今後どんな活動をしていきたいですか?
磯野:モヤモヤを解決する手段を見つかりはじめてきました。その一つとして、女性差別撤廃条約の選択議定書に日本が批准すること。
まずは上田市議へ意見書の提出と採択を目標に上田ともし火として活動していきたいと考えています。
それから、日頃、皆さんが「モヤモヤしている感情」をときほぐす場所を提供していきたいと思います。

トークゲスト②:福地美友さん
就職を期に上田市へ移住して3年目。
磯野さんとの何気ない会話の中で、自分の中で丸め込んでいた違和感は間違っていなかったこと、そして自分たちで何か少しでも社会を変えられるかもしれないと感じたことをきっかけに「上田ともし火」に参加。

北村:つい、自分の中でしょうがないと丸め込んでしまうような「モヤモヤした体験」ってどんなことですか?
福地:中高生の頃、性別による制服の指定や、「女の子だから〜」「男の子なんだから〜」ではなく、個人の意思を尊重するべきではないかとモヤモヤしていました。
大人になって、それってやっぱりおかしかったんだと気づきました。
北村:そういわれると子ども時代、算数や数学いわゆる理系科目が得意だったけれど、「女は数学は不得意なもの…」という雰囲気というか、なんとなく排除されている感覚があったんですよね。
今思えば、それもジェンダー平等ではなく、時代とともにジェンダーの概念が変わってきていますね。

北村:モヤモヤを初めて表に出した時どんな感情だった?
福地:嬉しかった。共感してもらえるだけでも、自分の中で気持ちが軽くなった。

北村:今後の活動の中で、こんなことがあったらうれしいなというものは?
福地:上田ともし火の活動では、女性の関心は集めやすい。
ですが、活動をしていく中では性別や年齢問わず、関心を集めたいです。様々なところで活動している人の意見を聞いたら、新しく見えてくるものがあると思っています。

最後に、トークゲスト2人からの宣言

「女性差別撤廃条約選択議定書の批准に向け、各都道府県で意見書の採択がされている。地方でも採択が進んでいる中で、長野県は市区町村レベルでも未だにゼロの状況。上田ともし火は、まずは上田から、そして長野県全域の意見書採択を目指します!」



第2部 (15:00~15:30)
ファシリテーター: 北村 きよみ(暮らすroom's)
ゲストスピーカー: 内山 七海さん・長谷川 薫さん 

トークゲスト①:内山七海さん
上田高校の2年生。
日本の同性婚に関する記事を新聞で読んだことをきっかけに、ジェンダーについて興味を持つようになり、学校の課題研究の授業では日本の化粧文化について研究をしている。

北村:新聞には様々な記事が載っていると思うんだけど、なぜジェンダーの問題に興味をもったんですか?
内山:担任の先生が社会問題を取り上げることが多くて、その時から少しジェンダーのトピックに興味をもっていました。
今回の展示では、自分の化粧文化の研究や、ジェンダーにまつわる研究を行った7名の研究内容を展示しています。

北村:研究内容を次にどんなことに繋げたい?
内山:ジェンダーの問題は気づかない間に自分の中にある固定観念というのが原因な場合が多いと思っています。
多くの人に問題を知ってもらうきっかけを増やしたいです。

北村:展示の中でLGBT+Qという言葉を多く見かけたが、「+Q」はどんな意味でしたっけ?
内山:Q(Queer:クィア)は既存の性のカテゴリ(性的マイノリティを含め)に当てはまらない人のことです。既存の性別に違和感を感じている人もいるそうです。

北村:今回研究してみて、LGBT+Qのように知らなかったことを知れた感覚はある?
内山:はい。研究をしている中で、大学で就活メイク講座があることを知り驚きました。
化粧はマナーという固定概念をなくすにするには、そういうところからなくしていくのも方法だと感じました。
北村:そういえば昔、職場の男性に
「女性が化粧をするのは洋服を着るのと同じだ」
と言われた経験を思い出しました。
今の時代には合わない言葉で、こういった価値観も時代とともに変わっていかないといけないですね。

北村:話は変わりますが、これから社会に出るにあたって、どんな働き方をしたいですか?
内山:自分の状況に合わせた在宅ワークなど、働き方を幅広く選択できるとうれしいです。学校でも社会にでても選択ができる世の中になってほしいなと思います。

トークゲスト②:長谷川薫さん
上田市内の企業に勤めており、本人には悪気はない一言がモヤモヤしたことをきっかけに、上田ともし火の一員として活動を行っている。

北村:これまでモヤモヤを経験した際に、何か行動に移した経験はありますか?
長谷川:相手に悪気はないのはわかっているので、諦めるしかないのかなと
行動になかなか移すことができませんでした。
自分の中で気にしないように、感情を無視するしかなかったなと思います。

北村:現在参加している活動の中で、少し動けたなという実感はありますか?
長谷川:初めて活動メンバーとモヤモヤを共有した時が、最初の一歩だったなと思います。
誰かに打ち明けて共感してもらえたことが前進でした。

北村:社会の中で、多様性などの部分で日々感じることってあります?
長谷川:今いる職場では男性女性関係なく同じ仕事内容を任せてもらっているなと、周りの環境と比べたとき、実感しています。

北村:働く環境をより良くしていくには、どんなことをあると考えていますか?
長谷川:男性の育児休業を、法で定められている内容で取得できるようにしていけたらなと思います。子育てをしていく中で、休みを取りたいけど、それよりもお金がすごく重要なので、給料が理由で男性が育児休業を取らないことも多いです。    
給料のベースアップが、育休取得に繋がってくるのではないかと思っています。

北村:今後は、どんな風にありたいですか?
長谷川:性別関係なくやりたいことができることが一番の望みです。今後妊娠や出産を希望していますが、育休復帰後にもより働きやすい環境を作るべく管理職にも挑戦したいと考えています。

最後にトークゲストより今後の豊富をお話いただきました。

内山:在宅ワークのできる働きやすい環境で働きたい!
長谷川:今回の「つむぎば」のイベントを来年もやりたい!上田市でも県内でも活動を広げていきたい!

つながる交流会&団体紹介


第1部のトークと第2部のトークの間には「つながる交流会」が行われ、参加団体同士はもちろんのこと、来場者の方にも参加いただき、沢山の新しい出会いがありました。今後より一層上田市での活動を盛り上げていく、良いキッカケになりました。


やどかりハウス
上田市の海野町商店街にある「犀の角」という劇場兼ゲストハウスにて500円で誰でも駆け込める宿を運営しています。駆け込み宿だけではなく、劇場・映画館や書店など女性が働いたり、気軽に繋がれる場所を提供しています。

やどかりハウス

1135信州(いいさんご しんしゅう)
出産や子育ての情報がなかなか届きにくい当事者と助産師を繋げる活動を行っています。月に一度、上田アリオにて助産師さんとの相談会を開催中です。また上田市では2024年4月から、産後ケアに加え訪問ケアもスタートし出産や子育てへのサポートに力を入れています。

1135信州

上田高校
授業で取り組んだ課題研究の中で、ジェンダーにまつわる研究を8つ展示しました。ジェンダーの問題は私たちが持っている「固定観念」が大きく関わっています。より多くの方に興味を持ってもらいたいです。

上田高校 内山さん

Feminityarch
長野市にて、フェムテックを利用したコワーキングラウンジを運営しています。フェムテックは「女性の悩みをテクノロジーで改善する」という新しい市場で、フェムテックグッズである月経カップや膣トレーニンググッズ・不妊ケアグッズなどの展示を行いました。

Feminityarch

ゆめサポママ@ながの
ママのやりたいを応援する活動を行っています。四半期ごとに「何かやりたいことがあるけれど、どうしていいかわからない」というママたちの背中を押せるような学びの場(スタートアップ講座)を提供しています。また、毎週月水金にはオンラインで「子育て広場 ままのてつなご」を開催しており、ZOOMを通してヨガやお料理教室・お金の学びを提供しています。

ゆめサポママ@ながの

暮らすRoom's
4つの団体がコンソーシアム(※1)を組み、長野県全ての人々が働きやすい・暮らしやすい環境を作るために、まずは女性の立場から環境を整えていく活動を行っています。団体の皆さんや市民の皆さんと交流ができる場所・イベントを県内各地で提供しています。

暮らすroom's 1,000人アンケートのまとめを展示しました


モヤモヤの木


当日、自由参加で行っていた「モヤモヤの木」は日常の中でふと感じるモヤモヤを書き出してみるをコンセプトに、幅広い年代の方に参加いただきました。中には、知らない方のコメントに共感し、モヤモヤの木の中で会話が広がっていました。たった一日で素敵な木が完成しました。

モヤモヤの木は色とりどりの付箋でいっぱいに


今回は「暮らすroom's」と実行委員の「Fluff」の共同開催という形で、国際女性デーにちなんだイベントを開催しました。
暮らすroom's にとっても上田市でのイベントは初めて、上田市内でも市民向けの国際女性デーイベントを実施するのは初めて、Fluffのメンバーはこの規模のイベントを開催すること自体が初めて、ということで「初めてづくし」の開催でした。
しかし、当日は参加団体だけでなく上田市で様々なフィールドで活動する多くの皆様にもご来場いただき、新しい繋がりをつむぐ場ができたのではないかと感じています。
それから、市民の皆さんに、日常の違和感に「気づく」場も同時に提供ができたと、モヤモヤの木や来場者のアンケートから実感しました。
 
今回限りで終わりではなく、来年はもっと良いものを、そして少しでも皆さんの周りの環境が良くなっていることを目指し、今後も参加団体一同、活動を続けていきたいと思います。

※ 1 コンソーシアム――互いに力を合わせて目的に達しようとする組織や人の集団。共同事業体。(Oxford Languagesより)


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