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入会1年、初めて友人にSHElikesを語った日

20代後半、友人のなかにも「ひとかどの人物」が急に増えた気がした。SNSで流れてくる採用メディアのインタビュー記事やウェビナーのバナー。見慣れた顔に肩書きが加わると、途端に彼らは知らない物語の主人公に見えた。

同じ学生時代を過ごしたはずなのに、一方のわたしは?メディアに載らなくたっていいけど、スキルに専門性、そろそろどうなんだろう。

誇らしい友人たちと「何者でもない」わたしの差分。
数年悩んで、2022年の1月、キャリアスクールで学ぶことを決めた。

入会の意思決定から今の今まで、キャリアスクールにいることは誰にも言わなかった。家族にも濁していたし、友人や同僚にも。

この思いを直視して言語化したくない。変に取り繕いそうだし今は言わなくていいやで1年が経ってしまった。だけど最近なんとなく、話す時はそろそろ来るな、とも思っていた。


まさにその友人の活躍を、記事やイベントの登壇情報で見かけていた。私視点では「ひとかどの人物」である彼女は同級生だ。

定期的に会いはすれど、ドライな性格同士どうにも事実ベース。忙しくしていると報告すべき事柄で手一杯なのだ。どうしてそうしたのか、どう思っているのか、なんてセンシティブな部分までたどり着かないことも多い。

最近、珍しく仕事で落ち込んだ様子の彼女がこぼす。
「わたしにはスキルも専門性もないから」

あ。

そこからもう止まらなかった。
あなたにはスキルも専門性もあると思ってた。仕事の成果を見かけると誇らしくて、だけど羨ましくてしんどくて、わたしはキャリアスクールで学んだ。言わなかったけど尊敬していて、あなたが私のモチベーションだよ。

言わなかった本音が少しずつ滑り出す。

「記事を見た当時、うわべの褒め言葉だけじゃなくって、悔しいよわたしも頑張るって言えばよかったね」

スクールの具体名を濁したのは微かな甘えだ。絶対分かるだろうな、と思っていたとおり、彼女は言う。

「それってシーライクス?」


定期的に近況報告しているだけあって、彼女はわたしの変遷を知っている。大学からどこの会社へ行き、今どんな仕事をしているのかという事実は。

一方、肩書きの水面下でどんな水かきをしてきたか、向き合って話すのは初めてだった。わたしも、彼女も。湖面から「ひとかど」に見えた彼女も、見えないところで「何者でもない」ともがいている。

慰めあって褒めあって、そんなことないよの謙遜じゃなくてありがとうって言おうねって約束する。あと、時々休憩。

「そうそう、わたしSHEにいるよ」
1年経ってようやく言えた日。選んだこと、打ち明けたことを正解にするために、またひとつ進む。

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