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人生って、不思議です、あっという間に過ぎました……🌸🌸🌸

 人生って、長いよなぁ、と思っていたら、終わりが見える年になっちゃって、あたし、何にもしないうちに命が尽きちゃうじゃないの。
 別に、この世に未練はないから、一瞬で死ねるのなら、今すぐ死んでもいいと思っているのだが、自分で死ぬなんて勇気はないから、寿命が終わるまでは生きるんじゃないかと思っている。
 ずっと元気に働いて、遊ぶことに命を懸けていた妹が病気になってしまったから、介護しなくちゃならなくなって、なんとなく自分の生きてきた意味が分かった気がした。
 だって、あたし脳性麻痺だから、なにをするにも人より遅くて、家族の足手まといなんじゃないかと思って生きてきたから、どうにかケアマネージャーになって、人の役に立てる仕事に就いたときに、母が喜んで、あたしの名刺を近所の人に見せびらかしていたと聞いて恥ずかしかったけど、その時に妹が初めて話してくれたことがある。
「母さんね、お姉ちゃんが高校受験の時に「あんたんちの子は高校に行けるかい」って近所の人に言われて「佐代子はあんたんちの子より頭がいいのに」って泣いてたんだから」と。

 ずいぶん悔しかったのだろう。
 私の前で泣いたことはなかったし、勉強しろ、といったこともなかったから。
 友達が誘ってくれて成り行きで受けたケアマネの試験だったけど、受かってよかった。ケアマネになれて良かった。
 なにより、妹が病気の治療に使った薬が原因で骨折を繰り返し、ついに歩けなくなっても、動揺せずに在宅で介護することができたから、生まれてきた意味があったのだと思うことができた。
 育ててくれた祖父母に恩返しが出来たような気がする。

 両親は働いていたから、遊んでくれたのも、お弁当を作ってくれたのも祖母だったし、会社の帰りが遅いときに迎えに来てくれたのは祖父だった。
 祖父母はいつも「佐代子はなんだってできるよ」と言ってくれていたから、頑張れたのだと思う。

 いまは、妹の笑顔と猫のクララの添い寝に癒されている。
 残りの人生も頑張って、天国に行ったらおばあちゃんに褒めてもらおう。

 頑張ろうね、恵子、クララ。

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