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うだつと和紙のまちを歩く:美濃 うだつの上がる町並み

こんにちは

ちょっとお尋ねしますが、
「うだつが上がらない」
という言葉
どこかで聞いたことありませんか?

ボクもなんとなく聞いたことはあるのですが、その意味まではわからないなぁ、です。

で、その意味をたどっていくと「出世できない」「状態が今ひとつ良くない」「見栄えがしない」といった慣用句とされています。

美濃 うだつの上がる町並み

余談はここまでとして、、

今回はそんな「うだつ」にまつわる地域、
岐阜県美濃市を訪ねたお話をしていこうと思います。

日々の隙間にのぞいてもらえたら嬉しいです。


|うだつの上がる町並み「美濃」

まずは、冒頭の続きをちょっとだけ。

「うだつ」は家と家との境に作られた「袖壁」です。
町屋が隣り合い連続して建てられている場合に隣家からの火事が燃え移るのを防ぐための「防火壁」のことを指しています。

うだつの瓦の装飾を競った

そして「うだつ」の装飾の豪華さが商人としての「力」を示す象徴として重きを置くようになったとされてます。
そう、「立派なうだつが上がっている」ということは家やマチの繁栄を意味していたということになります。

うだつ
家と家の境に建つ防火壁

ということを踏まえて、美濃のまちのお話に入っていきます。

美濃のうだつの通りに入ると格子が印象的なまち並みが広がります。

奥に見える新緑の山々が背景となって、伝統的なまち並みを見通す風景自然と共に暮らしてきた歴史のある地域なのだ、ということを感じさせてくれます。

奥に見える新緑の山々とまち並みが印象的

また美濃と言えば、「美濃和紙」で知られています。
障子や提灯など日本っぽさを感じさせてくれる道具に使われていて身近な素材だと思います。

美濃のまちと歴史
和紙産業のまちとして栄えてきた美濃市。江戸時代には領主・金森長近が紙の一大産地として築き上げ、今もその面影を色濃く残しています。春の桜が美しい小倉山城跡や物資運送の玄関口として築かれ、今も長良川沿いに佇む川湊灯台、江戸の風情と心意気が息づく城下町・うだつの上がる町並みなど…。
うだつの上がる町並みには、江戸時代だけでなく、明治・大正時代に建築された歴史的建造物も。美濃市役所旧本庁舎や美濃市郷土博物館なども見どころです。

美濃和紙
越前和紙、土佐和紙とともに日本三大和紙のひとつに数えられ、薄さと丈夫さ、美しさが共存する点が最大の特徴です。なかでも、光に透かしたときの美しさは随一。古くから障子や提灯に重宝されてきました。
1969年に国の重要無形文化財、1985年に国の伝統工芸品の指定を受け、2014年には「本美濃紙」の手すき技術がユネスコ世界無形文化遺産に登録されました。

美濃市観光協会 公式サイトより引用
旧今井家住宅
当日はJAZZライブ会場となっていた

ボクが訪ねた当日は「じゃずストリートみの」というイベントをしていて、旧家などを会場にしてJAZZライブが開催されていました。

旧今井家住宅
奥の広間でJAZZライブ

これが結構良くて、どこからかさりげなく聞こえてくるジャズの音伝統的なまち並みの雰囲気にマッチしていて歴史的なまちをさらに味わい深さを感じさせる演出になっていました。

歩いているだけでも楽しくなりますし、
音楽とか音の影響力って面白いなぁ、です。

まちの商店にある和紙屋さん

地域の特色を活かしつつ、まちを盛り上げる企画
美濃に訪れた人に「また来たい」と思わせてくれますし、こういった体験は勉強になります。


|伝統的な素材にはストーリーがある

ここからは
美濃の地域素材「和紙」にまつわるお話をしていこうと思います。

調べてみると和紙の生産地は共通して、豊かな自然(山地で水資源(川)が豊富な場所)に囲まれた地域で製造されています。

ほぼ全国的に和紙の産地はあって、日本はそれだけ天然資源が豊富なところなのだと、改めて知ったりもします。

面白いものです。

障子 ちどり貼り
紙の重なり部分を敢えてデザイン的に見せる手法
実際に見るととてもキレイ


ボクは仕事上、建具や家具で和紙に使用する機会が多くあります。

化粧合板などは建材カタログから選び、サンプルを取寄せ、質感を確認しています。
しかし、伝統的な素材(天然資源由来の素材)は量産的な建材とは違うとボクは思っています。

美濃和紙あかりアート館
美濃和紙を使用した照明が展示
これが秋にまちなかでアートストリートとなる


地域素材にはストーリーがある
、ということです。
もう少し言うと、
地域特有の風土、歩んできたまちの歴史、生産する作り手、それらが密接に関係し合って、美濃で言えば「美濃和紙」という素材が生まれてきたストーリーがそこにあると思うんです。

質感を


ボクは、木と和紙の椅子を自ら手掛けたのがキッカケに木や和紙など自然の素材が生産された地域はどのようなところなのか、がすごく気になるようになりました。

実際にその地域を体験することでもっと素材のことをもっと理解できるんじゃないか、伝えられる言葉も変わってくるんじゃないか、
そんな考えで可能な限り伝統的な素材の生産地に行くようにしています。

木と和紙の椅子と天日干し
埼玉県小川町には小川和紙がある。


いくつかの地域素材が一つの作品に使われたとすれば、その作品はいろいろな背景があり語部のような作品になりそうですよね。

そんな作品を作っていこうと思います。

格子から外を見る
中と外の見え方の違いも面白い


ということで、
美濃のまちはうだつの町並み以外にも自然や和紙体験、ご当地グルメなど楽しめる体験が多くあるところだと思います。

新緑の季節に訪ねてみてはいかがでしょうか。

小坂家住宅 外観
うだつとむくり屋根
膨らんだように丸みを帯びた屋根が特徴的
酒造の商家
酒造の中も一部見学可能


それでは今回はこの辺りで失礼します。
ここまでお付き合いくださりありがとうございました。

ではまた

お店の奥の通り土間
蔵のギャラリーがある
ぜひ行ってみてほしい



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