海月わの

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プリンのせいで1回〇んだ話

私は冷蔵庫を開ける度「〇〇食べていい?」とよく母に聞いていた。母はいつも「私が買ってきたものはなんだって食べていいよ、許可はいらないよ」と言った。 ある日、この日も変わらず冷蔵庫を覗き「プリン食べていい?」と聞いた。母は相変わらず「私が買ってきたものはなんだって食べていいよ」と言った。 そう、「私が買ってきたものは……」 わーい!と手を伸ばし冷蔵庫に入っている3つ入り100円ほど(当時の価格)のプリンをスルーしてその奥にあるひとつ200円以上はするであろうプリンを掴んだ

    • ツナ缶のかんぽっくり

      ツナ缶の缶を洗い、紐を通して竹馬みたいにして遊ぶ。当時そんな遊びが流行っていました。 私はどうしてもそれがしたい! と祖母に言い、両足用でツナ缶をふたつ出してほしいと駄々をこねました。 祖母はそんなに食べられないんだからひとつ食べて、食べ終わったらもうひとつ食べればいいと言いました。 今すぐ遊びたい私は今すぐふたつ欲しいと言い譲りませんでした。 こうなってくるとふたりとも意地の張り合い、話は平行線です。 結局私が2缶全て今すぐ食べるということで話はまとまり、私は意地で

      • ほんのり苦かったあの夏のカルピス

        子供のころ、猫を飼っていました。もっと言えば犬も飼っていたしウサギも飼っていたしハムスターも。金魚も亀も……もういいですね。 そんな動物に囲まれた場所で生まれ育った私は当たり前のように動物が大好きな、そんな子どもに育ちました。 ある日、猫のシロが妊娠しました。 困惑される方がいらっしゃると思うので補足しますが、シロは猫です。シロはメスです。シロは白猫ではありません。 シロのお腹は日に日に大きくなり、私はまだ見ぬ赤ちゃんとの待望の出会いの瞬間に胸を膨らませ日々を送っていま

        • オーストラリア留学日記

          高校1年の時にオーストラリアに留学しました。短期留学です。 私はもう既に出来上がっている家族にポンとひとり放り込まれました。 ホームステイとは本来そういうものですが、友人はふたり一緒とかいう人もいてその当時は羨ましくも感じました。 そして私のホームステイ先は学校からとんでもなく離れた場所にありました。 「私だけ……どうして……」 その時はそう思いましたが、今から考えたらとてもラッキー、当たりくじだったと思います。 だって車、電車、スクールバスと3種類も異国の地の移動手段を

        プリンのせいで1回〇んだ話

          短期間で成績が爆上がりした話

          私は勉強をしない、しようとも思わない、焦りもしない、そんな子どもでした。 だけどある時、ある出会いが私を変えました。 それは中3の時の話、進学を目前に控え、いよいよ本格的に焦った母が刺客を送り込んできました。 大学生の女性でした。 私は片っ端から彼女に誘い水を向けました。昨日のテレビドラマの話、最近人気のアイドルの話、あの手この手を使って無駄話をしました。 彼女は四天王の中でも最弱、あっさり私の思うままにサボりの沼に入り、いつしか来なくなりました。 そんな感じで数人消

          短期間で成績が爆上がりした話

          あのころ私たちはいつだって3人一緒だった

          高校の時、私のクラスは結構個性豊かなメンバー揃いみたいなところがありまして、それは動物園のように楽しく賑やかでしたが先生側からしたら最悪なクラスだったかもしれません。 ですがただちょっと個性的で収拾がつかないところがあっただけでクラスに必ずひとりいる変な奴が集まっちゃったくらいの感じです。 ある時先生が2ヶ月消えました。 なんだったんでしょう? 私たちのせいではないことを祈ります。 そんな個性豊かなチンパn……コホン、高校生たちは担任の先生のことがみんな好きでした。副担

          あのころ私たちはいつだって3人一緒だった

          教師ガチャ大外れを引いた話

          昔の話をしていきたいと思います。 小学5年生の時に新しく学校に来た先生が担任になりました。その先生は男性でした。少し小太りで肌は浅黒く、申し訳程度に生えている毛を全力で中央に掻き集めていた、そんな先生でした。 初めて挨拶した時先生は言いました。 「僕って何歳に見えますか?」と。 「52歳!」 と私は手を挙げて元気に答えました。 ですがなんということでしょう。 彼は28歳だったのです。 子どもは正直です。私は取り返しのつかないことを言ってしまったのでしょうか? それ

          教師ガチャ大外れを引いた話