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トイレの花を作る時

久しぶりのnoteです、母の日やブライダルのお花の仕事をお手伝い三昧でした。
花の仕事は、センスより体力です!かなりグッタリ…

さてさて、ウチには猫が8匹もいるので、大きめサイズのアレンジメントはトイレに飾っています。
猫がイタズラして花や葉を抜いたり、食べたりしてしまうのを防ぐには置き場所を考えなければならず…人間のトイレが一番安全ということなのです。

今はこのアレンジ

トイレに飾るので、ちょっとした注意点があります。
アレンジメントの奥行きを狭めに制作します。
トイレですから狭い空間ですし、花や葉が出っ張って厚みがあるアレンジメントでは邪魔になりますね。
高さは出しても大丈夫ですが、細身が大事です。

実際のトイレに置いたところ…横からです、幅20cm強くらい

そして、トイレですから、花を見る視点が立って見るのと座って見るのでは異なりますね!
トイレのドアを開けてすぐ目に入る視点でも美しく、便座に座った時の視点でも見応えのあるアレンジメントであることが大事です。

入って立ったままで見ると、バラの顔が 目に飛び込んできます


座って見る時に器の縁からオアシス(給水スポンジ)が見えないように葉を下向きに

アレンジメントを下から見上げても、オアシスが見えないように花や葉を挿すのがポイントです。
舞台と同じで、裏が見えては興醒めですものね。
一方向からだけ見てきれいに挿せたと思い込まず、少ししゃがんだり、斜め横から見て、楽屋裏が丸見え…みたいなアレンジメントにならないように確認します。


…誰の役に立つ情報でしょう?
でも、プロの皆さんと一緒にお仕事をさせていただく機会があると、つい、そういうことが気になってしまう私です。
本来、プロであれば 無意識に確認するくらいになっていると思うのですが、技術的なことが身に付いていないのか、学ぶ機会に恵まれなかったのか、ポイントを外しているケースがあるのです。

この記事をご覧くださる方々の中でお花の仕事をしている方は ほとんどいらっしゃらないのですが、これを読んでしまったら…もう、あなたも世間に出回っているアレンジメントを下から、横からチェックしてしまうことでしょう!?


花のプロ達のお手伝いなので、口を出すことは控えています。そっと黙って直せるものだけ直しています。

現場の事情もいろいろあるのは承知していますし、スタッフの皆さん全員が 短時間に大量の仕事をこなしているので、お手伝いの立場では 黙って割り振られた任務を教わりながら確実に遂行するのみです。

トイレの花ひとつでも、一本一本の花の表情を活かし、その花を見る人の視点を考えて全体のバランスも整える…これは、お花の話だけではないですね。
モノゴトのひとつひとつに、愛情を持って取り組みたいものです。

正面から

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