マガジンのカバー画像

欧米亜育ちのものの見方

36
多様性や地政学、働き方について書いています。外交官の仕事、グローバルな視点、日本とは、について興味がある人、キャリアや生き方について考えている人はご笑覧ください。
運営しているクリエイター

記事一覧

「お金」と資産形成とマインドフルネス【元外交官のグローバルキャリア】

「お金」と資産形成とマインドフルネス【元外交官のグローバルキャリア】

「お金」は宝物であって、大事な虎の子なのに、なぜか入る分も出る分も穢れたもののようにぞんざいに扱ってきた。虎の子は、振り込まれる給与や差引かれる税や社会保障や支払いを表す単なる数字でしかなかった。

宝物は大事に扱って、虎の子には健全に増えてもらわなくてはならない。「お金」との向き合い方や資産形成にマインドフルネスを取り入れることにした。

宝物や虎の子としてのお金

まずは、お金を私の宝物として

もっとみる
家事代行やって良かった、やめて良かった【元外交官のグローバルキャリア】

家事代行やって良かった、やめて良かった【元外交官のグローバルキャリア】

家事代行の大ファンである。特に掃除については定期的にお願いしたい。いや、掃除だけはお願いしたい。そう気持ちが固まったのは二十年前だ。

そのまた昔は、小学生の従姉妹が何度か帰宅途中に掃除に来てくれた。高校生の従兄弟に掃除バイトを持ちかけたところ、叔母が置き屋の如く小学生の従姉妹を差し出したのだ。「学校で掃除をきちんと教わっているから」、と小銭とおやつでの児童労働、もとい、家事実習はしばらく続いた。

もっとみる
ポルトガルの北部から南部へ【元外交官のグローバルキャリア】

ポルトガルの北部から南部へ【元外交官のグローバルキャリア】

ポルトガルにワインを飲み、世界遺産を拝み、ファドを聴きに行った。
ポルトガルはミーニョ地方からコインブラ、ポルト、リスボン、シントラ、と南下した。

ヴィーノベルデという微発砲のポルトガルワインやポルトを飲んで、タイルを眺める旅だ。

「北部と南部では気質も食べ物もワインも違う」と北部ポンテデリマのワイン畑地主のブティックホテルのオーナーが言う。インテリアデザイナーの娘が客室を設え、父娘で優雅に共

もっとみる
純ジャパな従姉妹とグローバル人材とアサーティブ・コミュニケーション【元外交官のグローバルキャリア】

純ジャパな従姉妹とグローバル人材とアサーティブ・コミュニケーション【元外交官のグローバルキャリア】

日本の人は自己主張が苦手とされる。出る杭は打たれる。長いものには巻かれろ。空気を読め。奥ゆかしく謙虚たれ。それが日本人らしい日本人だ。

かたやアサーティブ コミュニケーションassertive communicationは注目される自己主張手法だ。相手の立場を推しはかり、こちらの意思を伝えて物事を動かすスキルで、グローバル人材育成には欠かせない。日本ではまだ新しい概念とされている。

交渉ごとや

もっとみる
Z世代からX世代へのリバースメンタリングとメンタルヘルス【元外交官のグローバルキャリア】

Z世代からX世代へのリバースメンタリングとメンタルヘルス【元外交官のグローバルキャリア】

仕事を通じて知り合った親子ほど歳が離れたZ世代とたまにご飯を食べる。自分が社会人人生を送ったくらいの年月を生きてきた相手に、昭和な自分が説教したり訓示を垂れる場ではない。若い相手に感心したり、その話から学んでいる。ある時、これがリバースメンタリングなのか、と気付いた。

逆の立場で言えば、Y世代のエイドリアンをメンタリングして8年目だ。当初は彼女の話を聞いて、上司との付き合い方や彼女自身ののマーケ

もっとみる
マーケターのように生きるぞ:アサーション【元外交官のグローバルキャリア】

マーケターのように生きるぞ:アサーション【元外交官のグローバルキャリア】

やりたいことがみつからない。何をしたいのか、何になりたいのか、生業をどうしたいのかは定まらないまま1年が過ぎた。
やれることならたくさんある。グローバル化支援、地政学リスクコンサルティング、キャリアコンサルティング、政府渉外にロビーイング。通訳も翻訳も国際会議運営もできる。でも私は何になりたいのか、何をしたいのか。早稲田NEOの商業出版の講座に通ったように、本を書きたいのか。

そんな中、ピアノと

もっとみる
昭和の時代にインターナショナルスクールで多様性とインクルージョンを「ミカド」で実現【元外交官のグローバルキャリア】に

昭和の時代にインターナショナルスクールで多様性とインクルージョンを「ミカド」で実現【元外交官のグローバルキャリア】に

1987年、時代はまさに昭和真っ只中で、政治的に正しい(politically correct)や偏見への意識高い系(woke)や文化盗用(cultural appropriation)と言う言葉が存在しない頃です。

ジャカルタのインターナショナルスクールで、1885年初演のギルバード&サリバンのオペレッタ「ミカド」が上演されました。この演目を令和の今、学校演劇として選ぶのは難しいでしょう。歌舞

もっとみる
ヨガや合気道でコンフォートゾーンを抜けることが自己成長につながるリスキリング【元外交官のグローバルキャリア】

ヨガや合気道でコンフォートゾーンを抜けることが自己成長につながるリスキリング【元外交官のグローバルキャリア】

コンフォートゾーン、心理的な安全領域は、ぬるま湯のように心地よい。

愚痴を言い続けてもそこにとどまっているのは、そここそがコンフォートゾーンだからだ。安心して文句を言える場所。無くなる心配がない安全地帯。そういう人間関係すらある。勝手知ったる安堵できる居場所。
嫌なら離れれば良い、転職すれば良い。でも、それは慣れ親しんだ領域から未知の世界に飛び込むことになる。だからそこにとどまるコンフォートゾー

もっとみる
イヤな上司との少人数の会に招かれたら腹をくくるしかないか Well, they will get over it 【元外交官のグローバルキャリア】

イヤな上司との少人数の会に招かれたら腹をくくるしかないか Well, they will get over it 【元外交官のグローバルキャリア】

時間を共にしたくない上司や職場の先輩に自宅に招かれたらどうするだろう。私なら腹をくくる。腹を括って一度限りと思って参加するか、腹を括って断る。でも、腹を括って参加しても、そんなに良いことはない。それなら逃げるが勝ちだ。

上司からの召集

とある海外の都市で、役所の上司の節目の誕生日にレストランに召集された。上司は遠慮なく高めのワインを頼んで一人無礼講で盛り上がっていた。会が終了して、上司の分を除

もっとみる
アメリカ人のポットラック・パーティーに呼ばれけど何を持って行こうか【元外交官のグローバルキャリア】

アメリカ人のポットラック・パーティーに呼ばれけど何を持って行こうか【元外交官のグローバルキャリア】

アメリカ社会ではポットラックpotluckパーティーがよくある。それぞれ一品持ち寄って、という会だ。事前に担当を「肉」、「野菜」、「デザート」と割り振る時もあるけど大概割り振られない。そういう時は、集まるメンバーの顔を思い浮かべて、はて何を持っていくか、と数日間は悩まされる。映えて、話題を提供し、自分の負担にならなくて、自分も食べたいものは何だろう。

校友会やサークルめいた、参加者を想定できない

もっとみる
インターナショナルスクールのキャリアパネルに出てきます【元外交官のグローバルキャリア】

インターナショナルスクールのキャリアパネルに出てきます【元外交官のグローバルキャリア】

明日は母校でキャリア・デーが行われています。現地にいれば朝食会にも出られたようですが、そのためだけにジャカルタに行くのも何なのでオンラインでパネルに参加します。「政府」パネルです。中学3年生から高校3年生がそれぞれ自由に関心があるパネルに出るようです。
高校のマスコットはコモド・ドラゴンで、私たちはドラゴンです。

Fellow Dragons,

I am a former government

もっとみる
Noの言い方や文化圏による断り方【元外交官のグローバルキャリア】(Don't throw away the baby with the bathwater)

Noの言い方や文化圏による断り方【元外交官のグローバルキャリア】(Don't throw away the baby with the bathwater)

何事もキッパリ断ることは大切です。

しかし、「できません」を曲げずに、その後上司である総領事に目をつけられて異動までツラい時期を過ごしたことがあります。伝え方には工夫の余地あり、です。
部下が「出来ません」の一点張りであれば、腹を立てて当然なことは振り返るとわかります。Hindsight is twenty-twenty. 過去を振り返る視力は両目とも1.5です。

文化圏で違う断り方

日本で

もっとみる
昭和な仲間と平成の帰国子女【元外交官のグローバルキャリア】

昭和な仲間と平成の帰国子女【元外交官のグローバルキャリア】

卒業30年を期して大学の仲間と会った。一人欠席で3人だ。当時は女子が一割の学部で、当然ヤロー共と不適切にも程がある飲み会だ。
私は平成を自認しているが、彼らは昭和感覚で、令和の今は生きにくい部分もあるらしい。

そうか、私はこういう時代を紅一点で駆け抜けて来たんだ、と振り返る。猥談も普通に受け流すし、それをなんとも思わない時代だった。すくなくとも仲間内であれば。そして、性的対象扱い(objecti

もっとみる
【元外交官のグローバルキャリア】バイリンガルになるための読書、日記、書写【今日コレ受け】

【元外交官のグローバルキャリア】バイリンガルになるための読書、日記、書写【今日コレ受け】

バイリンガルとなるには三種の神器がある。読書、書写、日記である。

ほとんどの人は、これをやらない。

セミリンガルという言葉がある。多言語話者ではあるが、どの言語も年齢相応に使えない話者を指す。満足に音読や朗読できない、文章を作成できない、難解なことを理解できない。たまにバイリンガルやトライリンガルでそういう人に出会う。伝わらない熟語を英語で言い換えても「何それ、知らない」となる。

母語での認

もっとみる