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米国海軍特殊部隊 US Navy SEALs

 後の世に「史上最大の作戦」として語り継がれるノルマンディ上陸作戦は、第二次世界大戦末期の1944年6月6日に実行された。

 この作戦の際、海からの攻撃に備え、ナチスドイツが設置した機雷原の除去という極めて危険且つ重要な任務を担ったのが、現在のNavy SEALsの前身であるUDT(Underwater Demolition Team)/水中爆破工作部隊である。

 Navy SEALsは、ベトナム戦争が激化した1962年、南ベトナム民族開放戦線討伐を目的として結成されたアメリカ海軍の特殊部隊である。

 Navy SEALsは、正規軍を離れ、少数精鋭の小グループでジャングルに分け入り敵陣営深くまで潜行、民族開放戦線の補給ルートを叩き、要人を一人、また一人と暗殺して行った。

 民族解放戦線の兵士達は、神出鬼没の攻撃を仕掛ける彼らを「沈黙の部隊」と呼び、恐れおののいた。

 ベトナム戦争終了後、ベトナムでの苦い経験から、今後の戦争がこれまでの物量作戦では勝てぬ事を悟ったアメリカ合衆国政府は、少人数で最大の成果を挙げる精鋭部隊の重要性に着目し、Navy SEALsを初めとする特殊部隊の強化に本腰を入れ始めた。

 現在Navy SEALsは、公式にはTeam1(極東アジアを除くアジア太平洋全域担当)、Team2(ヨーロッパ・地中海担当)、Team3(中東地域担当)、Team4(アメリカ本土担当)、Team5(極東アジア担当)、Team7(アメリカ西海岸担当)、Team8(アフリカ・地中海担当)、Team10(アメリカ東海岸担当)、計8つのチームが存在し、それぞれ担当のエリアが決められている。

 かつては公然の秘密として、その存在が噂されていた対テロ専門セクションであるTeam6は、現在、Navy SEALsから独立した対テロ特殊部隊DEVGRU(正式名称:United States Navy Special Warfare Development Group)として正式に存在する。

 DEVGRUは、部隊管理上は米海軍特殊作戦部隊の直下におかれているが、作戦指揮に関してはデルタ・フォースと同じく米統合特殊作戦軍(JSOC)が行う。

 しかしながら、合衆国政府はDEVGRUがJSOCの指揮下で直接行動や人身警護といった特殊作戦に従事していることを公式には認めていない。


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