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2023.6.21.夏至。コロナ日記おしまい

2020年の4月3日から始めた「コロナ日記」。人類が未曾有のパンデミックに右往左往した3年だった。

イベントというイベントがすべて中止になり、非常事態宣言が発令され、飲食店は営業自粛、補助金確保に奔走、ソーシャルディスタンスで密を避け、ワクチンを打つだ打たないだ、いろいろあったね。

世間の端っこでお茶屋を開いている「雲間」も、大波小波に翻弄されました。なんか、いろいろ大変だった。ような気がする。よく覚えてないけど。
改めて「コロナ日記」を読み返すと、そんなこともあったなと思う。
よく店つぶれなかったな。
全部忘れちゃうから、書き残しといて自分には意味があったな。

5月、コロナが「5類」扱いになった。
もう国はとやかく言いませんし知りませんのであとは各々よろしゅうに、ということなんだろう。世間が一斉に「元の世界」に戻り始めた。
国境を行き来しやすくなり、うちの近所に外国人客に人気のホステルがあるからか、店にもけっこう頻繁にフォーリナーがウエルカムするようになった。

5月、広島ではG7が開かれた。今まで見たことない数の警察官やパトカーが街を覆いつくし、ずっとヘリは上空でホバリングしてるし、異様な緊迫感。世界のリーダーがせっかく来るのなら、しっかりヒロシマを見てってよね。無事に終わることを息をひそめて祈る。
そして無事終了。ほっとした空気がひろがる。

それとともに、コロナが「なかったこと」になった。

マスクしてない人が増えた。
わたしも、外を歩くときはマスク外して歩くようになった。
スーパーとかお店に入るときは装着する感じ。

あるとき
喫茶のお客さんが
「まだマスクつけてる人がいるの、ちょっとね」
「いいなりになって考えない人なのよ」
「ばかみたいね」
と話しているのを耳にしてしまった。

ばかみたいね
そうかもね。

自分はかからないという謎の自信をお持ちの方もいるし、
政府に言われたことを鵜呑みにするのは頭の悪い人間だと思ってる人もいるし、それが「従順にマスクしてる人間はバカだ」という解釈になるのだろう。か?

それでも雲間はまだマスクを装着して接客しています。

みんなあのスーパーコンピューター「富嶽」がシュミレートしてみせた飛沫の拡散を忘れたのか?
マスクなしでしゃべるとけっこう飛び散るよ?
ウイルスの有無はともかく、他人の飛沫吸いたいか?
あれ見たら、客前でお茶淹れながら説明してしゃべるとき
自分が客だったらマスクして欲しいと思うけどな。

そして、あるイベントの翌日、
参加者のお一人がコロナ陽性と判明したと連絡があった。
そういえばちょっと咳をされてたな。
ご本人も、周りの方々もマスクをされていたけど、
お茶を飲むときは外してしゃべる時もあっただろう。

ご本人は、もう、無事に後遺症なく回復されることを願うのみだ。
しかし、他のお客さんは大丈夫か。心配しかない。

わたしも念の為、5日間ほど家庭内隔離生活をした。
家族にうつしてはいけないからだ。
どちらも自営業、倒れたらそこで収入が途絶える身としては
たかが風邪かもしれないがうつっている場合ではないのだ。
食事は別々にとり、家庭内でもマスクして換気して過ごした。
自分も発症するのでは、と熱をはかる日々はいやなもんだった。

結果、お客さんも家族も元気でうつることなく過ごしました。

考えすぎ?神経質すぎ?ばかみたい?
なんとでも言え、だれも補償してくれないんだから黙ってて。

マスクをつけろとか外せとか、誰も他人に強制できなくなりました。
おのおのの考え方あって当然です。
とはいえ、今後密になって茶を飲みしゃべるイベントが開催されるわけで、
お客さんの安全を店はどこまで担保すべきなのか。
お客さんを守るって、どうしたらいいのか。

黒か白か
善か悪か
やるかやらないか
その2択ではなくて、
グラデーションの中から最適解を選ぶ。
そんなのこれまでもそうだったしな。
そこにコロナって項目が増えただけで。

3年、疲れたと思う。知らんけど、ダメージ受けてると思う。心身に。

「コロナの3年間、なかったことにして、そのぶん
 健康で元気な3年間を人生に追加して欲しいわ!」
とお客さんが笑った。

ほんとそうだね。

コロナ日記は終わるけど、人生は続く。
とはいえ、コロナ渦中で若くして亡くした知人たちを思い出せば
いつまでも続くと思わない生き方にしようと思う。


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