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2022.8.24〜 コロナ看病日記

夏休みに入り、息子が帰省してきた。大学入学から4ヶ月ちょっと、一人暮らしの様子や自炊のことなどで話しが弾む。
お盆の墓参り、ばあちゃんたちにも元気な顔を見せることができた。

そして、高校の同級生たちと数日、遊びに行ってくるという。
友人の親族が持つ山荘に滞在するのだという。

「そう、 いいね、気をつけてね」

折しもコロナ第7波、広島も過去最大の感染者数をたたきだしていた。
だけど、感染したらいけないから行くな、とは言えなかった。

彼らは高校2年の春から、すべての行事が中止になってきた。
楽しみにしていた文化祭の模擬店も、修学旅行もなかったんだよな。
卒業旅行も行く雰囲気じゃなかったし。
そんな彼らが、進学先もばらばらになっていた彼らが、また帰ってきて会うという。バイトしたり、茶髪になったり、県外に移住したり、それぞれ変化した時間をすり合わせるようにバカ騒ぎして遊ぶのだろう。
若い犬みたいにじゃれあって騒いでバーベキューしてしっとり夜通し語り合って・・・いいじゃんいいじゃん、青春謳歌してなにが悪い?

免許とりたての友人の車で行くという。
近くには川もある様子。
まだ君たちは飲酒できない年齢のはずだがげふんげふん

「とにかく、死ぬなよ」
親らは思いつく限りのライフハックを挙げ、自分たちの体験談を語り、最終的にそうとしか言えなかった。

日曜、朝10時半に広島駅集合だという。
「・・・送ってってやろうか?」
いそいそ支度し、行きしにホームセンターに立ち寄る。
そこで息子はカラフルででっかいバズーカ水鉄砲を買った。
車内で包装をといて、『メン・イン・ブラック』のウィル・スミスよろしく構えてみせた。
「いってきます!!!」

「あいつ、あの格好で広島駅の人混みの中で待ってるんかね?」
「それ見た友達ら引かんかね?」
などと笑いながら帰る。
大きくなったようでも中身は子供だね。
かくしきれないワクワクが伝染して親まで嬉しくなった。

不穏な連絡が入る

火曜日夜、息子からLINE。
「山荘で一人コロナでて、濃厚接触者になったけん様子見でもう一泊することになった」

わーお
情報量がものすごいようでぜんぜん要領を得ない。
聞くところによると、昨夜体調を崩した子の親御さんが昼に迎えにきて、病院で検査したら陽性だったと。ほか1名体調悪め、息子含め4人は元気。

帰宅したオットと顔を見合わせる。
「ふー・・・想定内・・・まあそうなるわな」
そこから臨戦態勢となる。
オットは明日から自分の店で寝泊りすることに。キャンプ用品など宿泊グッズを車に詰め込む。
息子帰宅したら自室に隔離、キッチンとリビングは立ち入り禁止と廊下にマスキングテープでゾーニングする。
明日の動きを確認する。
「とにかく生き延びよう」と言い合う。

迎える準備

まず、もう自分の店は今日からしばらく臨時休業とした。
インスタ、HPにその旨アップ。
車でオットを送り、ドラッグストアへ。
陽性者との自宅隔離を経験した方が、体温計をいちいち消毒して使い回すのがしんどくて腹立たしかった、というのを聞いていたので体温計を購入。 1
軒目は売り切れていた。2軒目にて安い方の「実測式」を手に取ると「予測式の方が早くていいと思います」とアドバイスいただいてゲット。こういう時にちょっと声をかけてもらうと嬉しいものですね。ゼリー状の栄養飲料やトローチのど飴なども購入。
新天地公園横の集会所にて無料PCRキットの配布をしているのでもらいに行く。朝10時、もう列が伸びている。「列がわかりにくいのう」「書くのがめんどくさいのう」と文句をいう老人たちが暗い目をして並んでいる。不安だから来てるんだろうからストレスなのはわかるが荒廃してる。全身防護服の方に心からお疲れ様ですといいながら身分証明書を提示して明日提出の予約をして受け取る(結局これは提出することなかったすみません)。
その近くの抗原検査キットを販売している処方薬局にて2キット購入。ネットで売ってる「研究用」という検査キットの信用度は低いらしく、「体外診断用医薬品」を鼻グリグリの方法などの説明をうけて購入した。
まあこれは今後の自分用、という漠然とした準備。
帰りに店に寄り、生物を片付け、「しばらく休みます」と張り紙をする。

帰宅。
なんの連絡もなく時が過ぎる。LINEしてみる。
「今日帰るの」
「帰ります」

そのまま夕方。
「おい大丈夫なのか」
「まさか事故ってたりしないよな」
「みんな元気。山荘でちょっとご飯食べてから帰ります」
「おうちに帰るまでが遠足だよ、気をつけておかえり」

帰宅した息子は行きとは打って変わって
「なんかとんでもないことになった」としょんぼりだった。
風呂に入り自室に篭ってもらう。就寝。

Day0. 発症

カタカタとトイレに立つ音で目が覚めた。早朝6時。
調子は?とリビングのドア越しに声をかけると
「熱出た。38.5℃」
きた。我が家にもきた、ビッグウェーブが。

かかりつけの先生に相談し、11時から受診・PCR検査していただけることになった。ほんとうにありがたい。

その間に買い出し。

ほかにもポカリとか、飲み物食べ物いろいろ
これらの画像をLINEで送り、ご希望の品をお届けするシステム

息子帰宅。高熱でふーふーいいながら自室に倒れ込む。
とにかく水分補給、クーラーバッグに保冷剤とポカリやゼリー飲料を詰めて差し入れ。処方していただいた薬を飲んでそのままなんの連絡もなくなる。

夕方LINEしてみる
「おなかすいてないかい」
「たべるー」
熱も37℃代に落ち着いてきた様子。
参鶏湯とおにぎりたいらげた。タオルで体拭いて就寝。
(後に知ったがこの後夜中に39.9℃まで上がったらしい)
(しんどくて寝たり起きたり「マジやばい」と思っていたらしい)

Day1. のど激痛

いつまでも起きる気配がないのでベランダからのぞくと、憔悴しきった様子の息子がベッドのふちに腰掛けている。
「・・・(ノドが・・・めちゃくちゃ痛い)・・・」 声出てない。
きたこれ
コロナ感染の体験談に必ず聞く。相当激烈らしいですね。
Twitterで 「のど 痛い」とかで検索したらわんさと出てくる。
「コロナでのど死んだ民へ。梅昆布茶飲め」
「クーリッシュは氷のかけらが痛いからMOWにしとけ」
「冷たいコーンクリームスープは神」
などの遺言?が。ありがたく拝聴し次々息子に差し入れてみる。

「どれが一番のどに負担なかった?」
「梅昆布茶かな」
アノニマスの方々の集合知ありがてぇ。梅昆布茶なんて自分では思いつきもしないよね。

夕方、PCR陽性の連絡が入る。  ですよねー。
「カロリーあるもの食べて安静にしてねって先生が」
そうだね、体力がコロナに勝つまでがんばろうね。

咳き込む音が聞こえてくる。熱はもう36℃代までさがった。
晩ご飯は、卵豆腐、おじや、味噌汁、ヨーグルトとバナナ
ぺろっと完食で安心する。

Day2. のど助けて

毎朝、祈るように起きる。今日こそ自分が感染して熱があるのではないか。
今朝はまだ元気だった。
朝のニュースで
「昨日広島県では5803名の感染が確認されました」
と言っていた。そのうちの「1」がうちの息子だ。

昼前に起き出した気配の息子からLINE
「のどがいたい」
引き続きですか。
味噌おじや、つめたい茶碗蒸し、梅昆布茶、栄養ドリンクなど。
差し入れた中で最も美味しかったのがアイスの「ピノ」らしい。
夜は冷やしうどんを所望。のどは痛いけどちゃんと食べられる。

ひまな時間で身の回りの片付け。冷蔵庫の中、台所のストック。
ふだん見ないふりして突っ込んでるスペースに向き合う。

Day3. 「一生治らん!!」

朝7時くらいにトイレに起き出した息子に声をかけてみる(ドア越しに)。
「・・・のどがいたい・・・・」声出にくそう。
朝食を届けると大変に沈んでいる。
「治らん。もう一生治らん!」
しんどさにイライラしている。いやまだ発症して3日だよ。がんばれ。

昼ごはんはカルビクッパ。作って出しといてアレだけど
「のどに辛いのしみなかった?」
「だいじょうぶー うどんの替え玉ください」

リビングに届くくらいの笑い声が聞こえてきた。
同じく感染療養友達とオンラインでゲームでもしているのだろう。
ぜんぜん元気。なんか腹立つな。
まあ熱もぶり返してないみたいだし、経過も順調の様子。

晩ご飯はハンバーグ定食。
ベランダはもうすっかり秋の風。虫の声も聞こえる。
「やばい、めっちゃチートデーばっかりじゃ」
ストイックに食事制限して筋肉作っていたのに台無しだよ。
まあ今はそれどころじゃないから食べろ。
「かーちゃん入れ替わりにかからんとってよ」
人を気遣うくらいには元気になってきたようだ。

Day4. 警戒することに疲れてきた

昨夜はよく寝られなかった。夜中になんか腹が立って目が覚めて、ねぼけて壁を拳で殴った。その痛みで我に返る。なにしてんだわし。
感染対策の警戒レベルあげて5日。息子が良くなってくると同時に疲れと油断が出てきたんだと思う。日中ずっとSNSをスクロールし他人の言葉を浴び続けたのも精神を病ませたのかも。

ベランダに出てみた。あたりは寝静まっている。天頂にひときわ光る星があった。木星かな。しーんとした心持ちになった。
いや息子は軽症で経過も順調、わたしも感染せずにいる。心配してくれる方々もたくさん。なんちゅう幸せ。落ち着け。ひとまず寝よう。

冷蔵庫の整理も兼ねて、ある食材でいろいろ作る。
晩ご飯を差し入れに行くと
「わーい 一日の中の唯一の楽しみ!」と弾んでいる。
明日のご飯はオールタイムリクエストデーにしよう。

Day5. マイハーシス

PCRキットに入っていた説明書

今回、かかりつけの先生のところでPCRしていただいたので、そこから陽性連絡は保健所に入ってるのだろう。SMSでメッセージ届くはずだけど?
「きてたきてた」

もっと「ホテル隔離療養」のこととか「隔離療養食」のこととか情報があるのかと思ったが特にない。
「My HER-SYS」にアクセスして登録してログイン、しかし
「こうなるんだけど」

なるほど。そこで中保健センターに電話で問い合わせてみる。
氏名を伝えるとすぐ「あ、生年月日が入ってなかったようですね、訂正しましたのでこれでもう一度やってみてください」と。
こういう入力も全部手作業であろう。関係諸所の方々のご苦労を思う。
リトライするとすんなり登録完了。体調などを記録するようになっているらしい。療養証明書もここで取得できるようだ。
保健所の方に「ホテル隔離療養」のことを聞こうかと思ったがお忙しいのに負担かけてもな、と丁寧にお礼を伝えて切った。
療養解除まであと6日くらい、息子とわたしはいいがオットが心配だ。
朝晩電話をしてお互いはげましあう。「のりこえるべ」

晩ご飯のリクエストは「親子丼、とろとろ卵のやつ」。一人暮らし前に作り方を教えたやつだ。リクエストしたくなる母の料理レパートリーがほとんどないのではないか疑惑。なんかすまんな。

Day6. 差し入れが届く

孫の感染が発覚してから心配のあまりばあちゃん(母)から電話がほぼ毎日かかってきた。
「大丈夫、食べるものある、息子もわたしも元気、じゃ!」と邪険にしていたがいよいよいても立ってもいられなくなった様子で差し入れに来るという。折しも更年期真っ最中のぽんこつがよりによって月のものとなり、体調絶不調であった。ありがてぇ。
昼前にどっさり包みをかかえて玄関先で
「これはお弁当、これがトマトと葡萄とおはぎとパンと・・・」
ありとあらゆる食べ物があった。ありがてぇ。

リクエストした「駅弁」 束の間の旅情

ベランダの雑草たちを眺めながら食べるお弁当、うまかったなぁ。

息子の生活リズムが若干昼夜逆転している。いろいろ大丈夫なのか?

Day7. そもそもコロナってなんなの?

コロナウイルスは息子の体内で絶賛増殖中。だんだん減ってるだろうけど体内から排出されなくなるには10日前後かかるらしい。
それにしてもそもそもコロナってなんなの?エンベロープタイプってどういうウイルス?かれこれ3年もコロナコロナって言ってるのに、改めて知ってるようで知らないと思い至り、厚生労働省HPなどを徘徊。

そしてわたしは片手に除菌スプレーを持って生活導線をうろうろしてるわけだが、これ効いてんの?(いまさらすぎる疑問)
過去には「キッチン用アルコールスプレーはコロナに効かない」報道があってずいぶん論争になってたらしい。知らなかった。
手元にある除菌スプレーを見てみると、たいがい
 細菌・ウイルスを99%除去!
 ※すべての菌・ウイルスを除去できるわけではありません
とある。どっちやねん。成分を見ても「やさしさ処方」とか「100%天然生まれ」とかふわっとしたことしか書いてない。
界面活性剤の成分名は製品に表記しなくてもよいのか、「抗菌剤」とか「除菌剤」としか書いてない。塩化ベンザルコニウムとか書くと化学成分!こわい!とか思うのかな。
コロナウイルスのエンベロープ=脂質でできた膜をはじけさせたら失活するらしい。アルコールか、界面活性剤か。その仕組みがわかって納得。

まあつまりヒマなのだ。いろいろおもしろかった。

午後、LINEのビデオ通話でマスクのない顔見ながらだらだら話す。
「いや想像の5倍つらかったね、コロナ」またリアルな数字出たね。
最も高い時で「39.9℃」あったらしい。
インフルに比べ「のどの痛さがマジやばい」とのこと。
山荘に遊びに行った8人のうち2人が発症しなかったそうだ。同じように密密で同じ空間にいたのになにが違ってたんだろうね。「ね。強いよね」
「はー。俺の夏休みなんだったんだ・・・」
な。おれの店の8月の営業日は7日だったよ。なんだったんだ。 
晩ご飯は餃子いっぱい作って焼いた。これはウケがよかった。

Day8. ずっとなんか書く

台風が近づいているせいか、北からの風がものすごい。
昼ごろ息子が起きたので、全窓とドアをあけて一斉換気した。
どはーっとものすごい風にあおられながら、床モップかけてシーツなどをひっぺがして洗濯した。いい風!
掃除洗濯片付けに拍車がかかる。

午後は気になっていたことを調べたりノートに書いたり。
隔離看病生活に入ってなにかしらずっと書いている。
息子の病状の経過、買うものメモ、献立、手帳に刻々といちいち書き付けている。
無人島に流された人がヤシの木の肌に傷をつけて、何日経ったのか記録をつける、その理由がわかる気がする。世間から離れて一日が過ぎると、ただ通り過ぎてなかったことになるようで、とにかく書きつけて見えるように残すと、たしかにあったんだと思えた。なんか書いてると落ち着く。写経みたいなもんか。

退屈を持て余してる様子の息子に、掃除してたら出てきたけん玉とか漫画とか差し入れたら
「結構です」と言われた。ダブルウインドウのデジタルネイティブめ。

Day9. 終わりが見えてきた

涼しい朝。今はもう秋。なんとか自分は感染せずにすんだのかもしれない。
これだけたっぷり本を読む時間があったのもありがたかった。
積ん読がだいぶ減った。

「今晩は焼き鳥がたべたい」リクエストも通常通りになってきた感じ。

Day10. 家庭内隔離解除

昼前に息子が起き出したので、本日家庭内隔離解除を告げる。
リビングの立ち入り禁止ラインのテープを剥がす。
「おお〜!ようやく!」おめでとう。

よく晴れて絶好の掃除洗濯日和となった。
療養していたウイルスの巣窟部屋を徹底的にやる。
風を通し、洗えるものは洗い、日に干せるものは干し、拭けるところはアルコール除菌スプレーで拭きまくった。はーさっぱり。汗だくで夕方。もう早めに風呂に入る。

さっぱりして掃除した部屋に入ると、ん?なんか臭い。古びた木造校舎みたいな生ぐさ臭がしてる。なんで?
理由がわからずずっとくんくんしていたが、どうやら木のテーブルや床からにおう。アルコールスプレーでごしごしやったのがまずかったかな。水拭きしたら匂いはちょっとましになった。ハイター薄め液のほうがよかったかな。塩素臭いから嫌だなと思ってアルコールにしたんだけどミスったな。

晩ご飯、やっと顔を合わせながら食卓で食べた。
「・・・すいませんでした。看病、ありがとうございました」
いやいや、病気になってあやまらなくてもいいよ。
後遺症ものこらず元気になってよかったよ。

看護者が感染しないためには

これが自分に課された最大のミッションだった。ここでわたしが倒れたら全部ガタガタになる。というかあんなしんどい思いしたくない。絶対かかりたくない。 
ぜったいかかりたくなさすぎて、隔離療養開始のころはもう、ネットで検索しまくっていろんな先達のYouTubeなんかを見まくった。
「そこまでする?」というほどやってもやりすぎではないのだ、とゾーっとした。
家庭内療養で看護者が感染しないためには、とにかく接触を避けろとあった。以下やったこと。

  • リビングとキッチンは息子立ち入り禁止、スリッパもそこで履き替え

  • リビングの空気清浄機は常時運転。ここでだけマスク外して過ごした

  • 食事はお盆に乗せて、ベランダ側の窓から受け渡しした

  • 最初の頃は部屋に差し入れていたけど、ベランダの窓をあけたとたん、むわーんとコロナウイルスのもやが立ち昇ってくるようで息止めた。以降はベランダのテーブルに置いて受け渡し

  • そのたびにマスクは耳ヒモもってはずして捨て、泡ハンドソープで手洗いうがい

  • 使ってない部屋と廊下は常に窓を開け放って換気

  • 戻ってきた食器とお盆に除菌スプレーを吹きかけてしばらく放置して台所用洗剤で洗う(動画ではキッチン泡ハイターを吹きかけていた。濡れた食器ならそのほうが確実かも。使い捨て食器がいいという意見もあった。食器や箸などは、80℃の熱水に 10分間さらすと消毒ができるとか)

  • トイレに行く時はアルコール消毒スプレーで触るところをすべて消毒し、キッチンペーパーごしに触る。帰ってきて泡ハンドソープで手洗いうがい

  • お風呂はわたしが先に入ってあとから息子(最初はへろへろでお風呂に入る気力がなかったけど)

  • よく食べる。免疫力をつけるためにとにかく食べる。コロナ以外にも物理的に戦えそうな

しかし今回はラッキーだった。濃厚接触者になって帰りますと事前に連絡があり、いろいろ対策する余裕があった。感染して知らずに帰宅、発症、家族みんな共倒れという状況のご家庭のほうが多いのではないか。それは相当にいろいろしんどいだろうなぁ。お疲れ様です。
とはいえ、ここまでやらなくても家族にはうつらなかったよ、という方もいるしあとは運次第。

コロナはただの風邪なのか

「大袈裟な」「ここまでする?」「ばかげてる」
「たかが風邪なのに」「寝てりゃ治るでしょ」
その通り。ザッツライ。
でも息子のぐったり加減、しんどさ、のどの激痛、間近で見ていて
これで軽症にちがいないけど、ほんとうにつらそうだった。
わたしはかかりたくないなぁ。ただの風邪でもいやなのに。
息子もわたしにうつさないように小さくなって過ごしながら、同時に発症した友人たちとSNSで労わりあいながら、いろいろ思うこともあっただろう。
病態はともかく、報告義務やルールがある社会的な病というめんどくささもある。コロナは、コロナという病だ。

ユーモアで

こうして読み返すと「必死かよ」
なますをフーフー吹きすぎた感じ?
でもまあなんか力入っちゃって疲れました。

そういう日々にあってしみじみ思ったのが
「いかにほがらかにいられるか」
自分も感染するのではないかという不安は相当なストレス。しんどそうにしてる息子の様子にも気を揉んだ。
まあでも、かかっても死なねぇし!(たぶん!)くらいに開き直らないと気分的にやられそうだった。
ストレスは怒りになり攻撃として放出しがち。わかる。しかしそこは
「おもしろくなってきやがったぜ」とつぶやいてふざけるしかない。

コロナ禍の3年、いちばん枯渇したのは「ユーモア」かもしれない。
まっさきに怒られが発生するし、不真面目だと槍玉にあげられる。
緊急事態宣言も出なくなった昨今は、今までのウサを晴らすように激しい快楽を求めてみんな遊び歩いている。深く疲れている反動だ。わかる気もする。でもそれもなんかちょっとなぁ。

ぼんやりしたやりとりで、ふふっとなる、そんなのでいい。
バカだねぇとあきれて笑い合うようなのがいい。
意味なんかなくても、そういう平熱くらいのユーモアが、ちょっとしたトラブルの渦中にあって、なんども救いになったように思う。

ま、なんだかおかしな日々だったよ、隔離療養生活。
みんな元気になって、またそれぞれの日々に戻りました。
どうかみなさんも、お身体ご自愛ください。


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