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「いいなあ」 の次には 「どうせ」 が来がち

正月から「ハイキュー!!」全45巻、2周読み終わり、3周目は時系列で表に書き出しながら読んでおります。
主人公の日向翔陽が「どんどんできる」ようになっていく物語なのだが、どうして、どういうきっかけで、どういう環境要因があって「できる」ようになっていったのか。ちょっと整理しながら読んでみたいと思ったからだ。

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今日読んだ3巻で、チームに復帰した「エース」のスパイクを見た日向は
「いいなあ」
と思う。自分にはないタッパ、パワー、仲間からの信頼・・・

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「いいなあ」のその日向の表情が切なくて、かつての自分の「いいなあ」も思い出してしまった。憧れよりも、さみしい嫉妬の「いいなあ」。


お茶にのめり込み始めてすぐ、全部欲しくなったし全部知りたくなった。
中国茶、日本茶、あらゆる本を買って貪るように読んだ。
美しい室礼、うっとりするような道具、綺麗な人が優雅に淹れていて、夢のようだと思った。「いいなあ」、と思った。

こういう道具はどこに売ってるんだろう。広島中探してもなくて、物も情報も集まる東京いいなあと思った。
東京や京都に行っては足を棒にして探し歩き、あってもそれは財力次第だとわかりはじめ、「いいなあ」は「どうせ」になっていった。
どうせ地方にはないし
どうせ買えるお金もないし
どうせ上手に淹れられないし
どうせあの人みたいに綺麗じゃないし・・・

なんてつまんないんでしょう。あんなにワクワクしてたのに。

だからいやになる、と思いきや、そんな「どうせ」をぜーんぶどうでもいいと思わせるほどの「うわあ!すげえ!」がやってきてしまう。
なんだこれ!どうしてこんなに、どうなってんだ!
お茶の不思議の前にずぶずぶとひざまずいて、ただただしーんとしてしまう。

そらから何度も「いいなあ」と思うし、「どうせ」とも思うが、なんじゃこりゃあ!に焚きつけられながら今に至っているんだな。

地方在住でもネット通販でいろいろ買えるようになって、買ってみたらデカすぎるとか重すぎるとか失敗を繰り返しながらメンバーを揃えてきた。
お茶に関してはありがたい人のご縁があって、うまい茶が手に入らないという飢えとは疎遠になった。
素晴らしい茶人を拝見すると、自分の容姿や粗忽さにがっくりくるけれど、それはもうしかたないと思えるくらいにはあきらめがついた。

いつの間にかお茶屋になって、いろんな人に「なんじゃこりゃあ!」を味わって欲しいと思っている。
もう、あんまり
「いいなあ」から「どうせ」に落ちていってほしくない。
だから、手の届かない憧れは売りたくない。

ちゃんと自分で実現できる「なんじゃこりゃあ!」をお届けしたいです。
雲間のお茶は上等、自慢のラインナップです。
あとは適切な道具で、なるべくいい感じに淹れてほしい。
どう淹れてもうまい茶なんだけど、やっぱりドンピシャのうまさこそが「なんじゃこりゃあ!」だから。そしてドンピシャがひとつじゃないとこがまた愉快なんだけど。

またいつかお茶教室ができるようになったら、これまでのように知ってもらう教室ではなくて、自主練のコーチみたいな教室やりたい。などと思い巡らしている。
だから、切ない顔で「いいなあ」なんて、言わないで。
あなたのお茶を、今、楽しんで。

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