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徒然雲 卍でかためる美 【黄檗宗大本山 萬福寺】京都

三室戸寺のアクセスを調べていた時、隣の駅が黄檗駅。
ほぉ〜ならばあそこへお参りせねば!

三室戸寺を出てすぐ北へ向かう道を山に沿って歩いていった。
途中、ぎっしりと建物で埋まる街の様子を眼下に望みながら進む。


宇治の街




茶畑


謎の門


謎の門



高速道路?を越えると急に住宅街に入り、ん?あってる?と少々不安になり
Googleマップを確認しようとしてたら、ご婦人が通ったので聞く方が早い!
と尋ねると、
「まっすぐいくと駐車場に突き当たりますよ、でもちょっとありますよ」と教えていただいた。
程なく標識が出て900mと、すぐだわ。


見事な
ミモザ?



突き当たった駐車場から総門までがちょっと距離があった。


やってきたのは萬福寺

こちらへは以前両親と参拝に訪れたことがあるのです。
父方の本家の菩提寺が黄檗宗のお寺であり、父が一度総本山の萬福寺に行きたいと言って、20年ほど前の京都旅行の際にお参りしました。

その時にちょっと変わったお寺だな・・・という印象で
いつかまたゆっくり来てみたいと思っていたが、なかなか京都でも宇治方面に足を伸ばす機会を持たずに時が経ってしまった。

今回、これはいい機会!



総門



いい予感





黄檗宗大本山 萬福寺

黄檗山萬福寺は1661年に日本からの度重なる招請に応じ中国福建省福州府福清県にある黄檗山萬福寺のご住職だった
隠元隆琦(いんげんりゅうき)禅師」によって開創された。
中国明代末期の臨済宗を代表する費隠通容(ひいんつうよう)禅師の法を受け継ぎ、臨済正伝32世となられた高僧だった。

現在日本の禅宗は、臨済宗、曹洞宗、黄檗宗の三宗であり、その中でも黄檗宗は中国的な特徴を色濃く残している。


また、禅宗だけでなく文化(美術、医術、建築、音楽、史学、文学、印刷煎茶、普茶料理)や隠元豆(いんげんまめ)・西瓜(すいか)・蓮根(れんこん)・孟宗竹(たけのこ)なども隠元禅師によってもたらされたと言われている。
インゲン豆の名の由来はよく知られている?!




こんな立派な三門だった?と驚く(ほとんど覚えていない)


三門







三門を通り抜けてみる光景に、これは・・・
なんともいえない感覚が鳥肌とともにワクワクとザワザワと胸騒ぐ。



すごいぞ



この菱形に置かれた平石は龍の背の鱗がモチーフとのこと。






正面に天王殿

そこにいますは、布袋様(弥勒菩薩坐像)


よ〜きたの〜
わっはははー


布袋は七福神の中で唯一、実在の人物といわれています。後梁時代、中国浙江省の契此(かいし)というお坊さんがそのモデルになったといわれています。この方はいつも大きな袋をかついで国中を旅していたことから、いつしか「布袋」と呼ばれるようになりました。

萬福寺HPより



弥勒菩薩様はあんな感じですが・・・
周りを守る四天王たちはがっちりしっかりものばかりです。
今まで観た四天王様の中でもかなり華やかで鮮やか。






煎茶も添えて



これまたゴージャスな
韋駄天






黄檗







雲版


雲版(うんぱん) 
朝と昼の食事と朝課の時に打つものです



開梛



開梛(かいぱん)、叢林における日常の行事や儀式の刻限を報じる。
咥えているのは煩悩で、それを叩くことによって吐き出される・・・



日本古来のお寺とは伽藍の造りの違いや、様々なデザインも独特で
ワタシのスキな意匠や構造に溢れていた。

特に卍が施されたものが多く、それがかっこいいことこの上ない!







法堂




法堂から見た
大雄寶殿(だいおうほうでん)



大雄寶殿

萬福寺の本堂
日本では唯一最大のチーク材を使った歴史的建造物


本尊


釈迦牟尼佛







昨年亡くなった父の納骨と四十九日の法要を菩提寺で行った際に、そのお経がとても変わっていたのが印象的だった。それは歌のようなお経。
梵唄(ぼんばい)と呼ばれるものだった。
お坊さんは一人だったので木魚と鐘だけだったが、太鼓などの鳴物を合わせて音楽を演奏するかのように読経が行われることもあるよう。
聴いてみたいものです。
とても心地の良い読経だった。






円窓



縦に横に延びる
龍の背






開山堂 黄檗開山隠元禅師をお祀り


通玄門から望む
開山堂


結界の一つ



通玄門 
開山堂の正門、奥深く玄妙なる真理=仏祖の位に通達する門




虫食い柱と


朱と松と



重なる





美しい境内だった。

建築的、デザイン的なことでワタシの中で何度でも訪れたいお寺の一つに、
しかもかなり上位!

お花や何やらで美しく境内を施し、参拝者を増やすのも良いと思いますが・・・

シンプルに建築的、意匠的な美しさで魅せられたのが萬福寺境内、伽藍だった。
それだけで十分訪れる理由になる。

また、いつかこちらでの読経を拝聴してみたい。





とても清々しくいい気分で三門を後にした。



駅に向かう途中に、気になる看板。
ちょっと寄り道。





木に彫られた般若心経


刷ったもの


こうして大量印刷できるようになった。




天竺からせっせと・・・





ということで、西国巡礼と先祖にまつわるお寺を参拝した、いい一日だった。



今日のお土産


開梆をかたどった文鎮


ポケットから出てきた・・・
萬福寺の松ぼっくり










萬の福は吉祥の字に囲まれていた・・・


卍卍卍卍卍卍卍卍卍卍卍卍卍卍卍卍卍卍卍卍卍卍卍卍卍卍卍卍卍卍卍卍卍卍卍☁️



良い週末を!




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