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災害の多様性「敗戦と関東大震災」1


「敗戦の日」

昭和20年(1945)の8月15日は、昭和天皇が「降伏の詔」を発した日です。つまり敗戦の日です。

敗戦確実と見られたその年に米国は日本本土での一般市民の大虐殺を敢行します。広島への原爆投下は8月6日、長崎への原爆投下は8月9日です。東京大空襲は最大の被害を出した昭和20年3月10日のほか、昭和19年11月から20年8月15日まで数回空襲が行なわれています。大阪では3月13日から8月14日まで断続的に空襲が行なわれています。日本の為政者たちや軍人たちが、自分たちは安全な場所にいて、兵士たちに戦えと命令していたからでしょう。これはホロコースト以上の残虐さです。それだけでなく、敗戦後、米軍占領中に原爆被災者を非道な検査を行なったのです。原爆による影響を調べた・・・要は人体実験です。

遙か空の上から爆弾を落とした米軍兵士たちは、お気楽です。だって、自分たちの目の前で、何の罪もない多くの老若男女たちが苦しむ姿を見ずに済むのですから。今のドローン攻撃は、その最新の姿です。

日本の降伏後は、「死ぬまで戦え」と兵士や国民に命じていた人間たちは卑怯にも戦犯として処刑されるのを恐れて、いかに米国と癒着するかを考えていたのです。今の政治家たちの祖父なんかがその卑怯者たちでした。

戦争を奨励し、敗戦となると、自分たちは助かろうと米軍に卑怯者たちが作ったのが今の日本です。アメリカの助けを借りて経済復興を行なったのです。

日本中に米軍基地があり、国政も経済もアメリカの都合の良いようにあしらわれている今の日本を見れば、国民全体に『腑抜け意識が』蔓延しているのも理解できます。国民の多くが責任回避の風潮です。犯罪を犯しても「全て人のせい、自分は悪くない」という人でなしが多いことにも頷けます。

皆さんは昭和天皇についてどのような印象があるでしょうか? 僕は戦後12年目の昭和32年生まれ(爺さんじゃないですか!)なので、戦争についても天皇についてもまったく無知でしたし、そもそも関心がありませんでした。めまぐるしく変化していく経済復興の中には生きていましたが、何せ子供です。太平洋戦争によって灰燼に帰した日本社会は、アメリカと親米政財界によって、立て直しが行なわれていたのです。昭和32年辺りは、殆どの国民が貧しくて、ただただ、与えられるものを受け入れるという時代だったと思います。流されて生きていたのです。

「人間は神ではない」

孫崎享さんの「戦後史の正体(創元社)」を読んでいると、僕が子供の頃の社会の裏側について詳細に書かれています。高齢者になった今でも知らないことが多いのです。中でも昭和天皇に関しては驚くことが書いてあります。

「沖縄の軍事占領を無期限で継続してほしい」というのは、豊下楢彦(関西学院大学教授)『昭和天皇・マッカーサー会見』での昭和天皇のメッセージです。(戦後史の正体:孫崎享 著 創元社から)。

マッカーサー元帥のための覚書(1947/9/20)には「天皇の顧問、寺崎英成氏が、沖縄の将来に関する天皇の考えを私に伝える目的で、時日をあらかじめ約束したうえで訪ねてきた。寺崎氏は、米国が沖縄その他の琉球諸島の軍事占領を継続するよう天皇が希望していると、言明しています。

さらに天皇は、沖縄(および必要とされる他の諸島)に対する米国の軍事占領は、日本に主権を残したままでの長期租借ー25年ないし50年、あるいはそれ以上ーの擬制(フィクション)にもとづいてなされるべきだと考えている」と述べたと言います。つまり、昭和天皇は、GHQ(連合国最高司令官総司令部)に対して「沖縄を半永久的に軍事占領していてほしい」と言ったというのですね。それが、令和の現在も、沖縄は昭和天皇の要望通りになっているのですから驚きですね。

終戦直後、米国の一般大衆は、昭和天皇に対して「処刑33%、戦争犯罪人として裁判17%、収監11%、国外追放9%、無実(単なる飾りだった)3%」と厳しい見方をしていました。昭和天皇が占領軍の統治に都合が良いことが実証できなければ処分されてしまうはずだったのです。都合が良ければ廃止せず、都合が悪ければ廃止するということです。

つまり現在の日本がある現実をみれば米国は、昭和天皇を(単なる飾りであったとしても)存続させることが都合が良いと判断されたわけですね。

今さら昭和天皇の罪を晒しても面白くも何ともありませんが、王族というのは常に“権力を掌握しようとする者”の使いっぱしりに過ぎません。だから自分自身で戦うとか、責任になる重要な物事を決めるなんてことはしません。戦国大名だって同様です。人の上に立つ(と見せかけられている)者は常に同じです。機関説も主権説もない・・・そもそも初めから王というのは象徴、飾りであったのです。

僕は「米軍に殺害された兵士(望まず戦いに参加してしまった人たちに限ります)や空襲や原爆によって虐殺された人たちの亡霊が、米軍に占領されはじめた昭和20年の日本に現れて、戦争に関わった政財界と米軍、果ては米国本土に向って復讐する」というお話を書きたかったのですが、書く気力がないので企画倒れに終わるでしょうね。

つづく


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