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【Audible書評】[新版]日本国紀〈上・下〉(百田尚樹)

日本保守党設立で注目を浴びている、百田尚樹さん。『海賊と呼ばれた男』を含む何冊かを読んで(聞いて)きましたが、『日本国紀』は全日本国民に一度は手に取っていただきたい、日本が生まれてから現在に至るまでの、国の歴史本だと思っています。

私は学校の「社会」「歴史」の科目が苦手でした。年号や人の名前を暗記しすることや、戦争ばかりの血生臭い歴史を学ぶことに、一体どんな意味があるか、さっぱりわかりませんでした。高校で世界史の授業を頑張ってみたものの、試験結果は振るわず。選択科目だった日本史は、結局選択しませんでした。

しかし大人になり、国内で歴史の名所に行ったり、日本語教師になって日本の歴史を聞かれる中で、「日本人なのに何も知らない」ことを恥ずかしく思うようになっていました・・・あわてて歴史本を読み始めても、途中で飽きて続かない。

しかし、この「日本国紀」は日本という国が始まったころから今までの歴史を、文献をベースに、しかし百田さんの見解も加えつつ綴られたもので、タイトルや見た目に反して読みやすい語り口です。

今回学んだキーワード

  • 万世一系:女性天皇と女系天皇は、全く意味が違う

  • 日本はずっと日本だった:島国なことが幸いしたのもあるが、日本全土が他国に侵略されたことは、今までない

  • 戦後教育:日本は戦後、再び軍事国にならないよう「敗戦国」の意識を植え付けられて、軍事力を持たず今に至る

  • 命を賭けて日本のために尽くしてきた、数々の先人たちの存在

  • 昔からモラルがあり、比較的犯罪が少ない国
    (警備の薄い宝物殿の宝が、何百年もの間荒らされることなく残っている奇跡)

もちろん日本にも黒歴史があります。戦国時代のような、人が人を殺しあい続ける時代もありました。犯罪がゼロだったわけではありません。

本を1回読んだからといって、登場人物の名前や業績を覚えることはできませんが、ポイントはそこではありません。日本とはどんな国か、どんな国民性なのか、再認識することができます。

近隣諸国の動静が非常に気になる昨今、日本としてのスタンスをどうするか腹を括らなければいけない時。他国との比較の中で日本の歴史を学んでおくことに、きっと損はないはずです。

ナレーションがとても秀逸。Audibleでこそ、おすすめしたい本です。

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