文法的には間違ってないけどダメなものはダメ
日本語を教えていて良くいわれるのは「でも文法的には正しいですよね!」っていうコメントです。
正直、面倒くさい奴がまた来た〜って思ってしまいます。
これって「俺、間違ったこと言ってないですよね」って何もわかってない人がしたり顔でいうくらいうざいです。
例えば尊敬語で「お飲み下さい」とか「お食べください」という人がいます。もちろん文法的に間違いではありませんが「召し上がって下さい」とか「お召し上がり下さい」というのが普通です。
また目上の人に言うはずもない表現を例文として取り上げる日本語教師もいます。例えば「勉強してください」の尊敬語として「お勉強下さい」なんて言う人がいます。そんな状況ないでしょ?って確認しても文法的に間違ってないと言い返されます。
意味は同じですよねとか、文法的に間違ってはいませんよねと言われるとモヤモヤしますし、面倒くさいことになったなって思います。
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こういったことって生活の中にもたくさんあります。
ご自由にお取り下さいって書いてあるからといって、全部持って行っていいわけではありませんし、都合の良い時間に来て下さいと言われたからと言って朝の6時とか7時に来てもらっては困ります。
困ったなという顔をしていると「いつでもいいって言ったよね」って言われて「そうだけどさ〜、そこは考えようよ〜」って思います。
もし親友が深夜2時とか3時に突然電話かけてきても、もちろん対応します。なんなら出かけていって会うくらいはします。でもこれがそうでもない知り合いだったら、そもそも電話に出ないって事もあるでしょう。
それと同じで「いいよ」って言ったからといって何でも良いってわけではないんです。
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さて中国で暮らすわたしですが「文法的には間違っていないよね?」理論に結構苦しめられています。
例えば宅配便で届いた荷物の箱がベコベコに壊れていたり、水濡れしてたりします。とっても気持ちが悪いのですが、問い合わせても製品に問題はないですよね?って返されます。
水道工事にきたお兄さんが帰った後、水漏れしていたので締め具合を確認してみるとゆるゆるだったので、自分で締め直してクレームを入れました。すると相手からは「今、水漏れしてないなら別にいいだろう」って言われます。
通販で買った机を組み立てるのに必要なネジが入っていないことを連絡すると、近所の金物屋で購入して下さい。その方が早いって言われました。まあ間違ってはいないけど正しくないって思います。
ただこういった経験が続くと自分もならされてきて、そんなモノかなと思えてくるのが不思議です。
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わたしは間違っていないからこれでいいんだ!とか、もう問題は解決したのだからそれでいいだろう!みたいな解決方法は苦手です。
人間ってそんなに単純じゃないし、時には間違っていたって正しいことがあるって信じています。
むしろ間違っているとわかってはいても、相手の気持ちや状況を考えて枠を飛び越えることができる人を尊敬しています。
ルールを理解し、それがある理由も知ったうえで、場に合わせて正しく使える人も素晴らしいって思います。
こういったことを考えながら、調整したり、譲歩したりしながら人間関係を作っていくのではないのかな?なんて思ったりした月曜日のお昼でした。
さて、今から議論になっている問題を中国人スタッフと解決してきます。
正論をぶちかまさないように気をつけたいと思います・・・
ぜひぜひ、サポートをお願いします。現在日本円での収入がなく、いただいたものは日本語教材や資料の購入にあてます。本当にありがとうございます。