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知った気にならない能力

暗算のスピードはExcelに負けるし
英語力はGoogle翻訳に負ける。
そして文章力もChatGPTに負けました。
さて、人間にできることはなんだろうかと日々考えています。

そんな中、頭に浮かんだのが「知った気にならない能力」でした。

アブ=厄介なやつと知った気になっていた

例えば先日投稿したホソヒラタアブ


イラストで描くと、ものすごく大きなアブに見えてしまいそうですが
実際はこのくらいで、1cmくらいの小さな虫です

黄色と黒のボディでハチを彷彿とさせますが、顔がどうみてもアブの顔なので「なんだアブか…」と、夏場に刺してくるアブと同じ扱いで見てしまっていたんですね。
でも、ボクはホソヒラタアブについてちゃんと調べたこともなければ、生態だってわかっていない。知ったかぶりはよくないと思って調べてみたら、まだ寒い日が続く春の初めに受粉をしてくれる大切な昆虫の一つということもわかりましたし、幼虫はアブラムシを食べてくれてむしろ、人間にとっては役立つ益虫であることがわかったのです。しかも、刺したりしません。
そうわかると、彼らを見た時に抱く印象がガラッと変わります。

ご苦労様です〜なんて声をかけちゃったりして

ハコベのことも知った気になってた

初めの写真に戻って。今度は花の方に注目してみます。これはハコベです。

特別珍しいものではなく、どこでも生えている植物です。七草粥のひとつ「ハコベラ」はこのハコベのことです。インコやウサギが喜んで食べるので、これらを飼育している人は育てたりしているそうです。
とまあ、身近な植物ですが、これも知った気になってました〜。

毛が生えてるんです!

茎に白い毛が並んでるのわかります?
こっちのほうがわかるかも一列に並んでます

植物に毛が生えてるのは、別に珍しくはありません。でもハコベの場合は一列に長い毛が並んでるって面白くないですか?なんでなんだろう?それがなんの役に立つんだろう?他の植物には同じような毛は生えているのだろうか?と一気に疑問が吹き上がりました。

まあ、面白いか面白くないかは今回置いといて、注目したいのは「知った気になっていた」についてです。じつはこの話、こちらの本に書いてあって以前に読んだことがあったんです。

なのに、ちっともピンとこなくてスルーしてしまっていた。今回改めて読んでみて初めて「え〜こんなこと書いてあったんだ」と気づいたのです。

記憶にあるのは「あぁ。ハコベね。知ってるわい」と思いながらパラパラとページをめくっていたこと。

ボクの知った気が、本来だったらキャッチできたであろう情報を見えなくさせていたのです。

ちょうど、JAXAも言ってた

そんなボクの気づきと同じ時期にJAXAのH3ロケット発射失敗のニュースがありました。ここで担当者が「原因をあまり決めてかかると、本当のことが見えなくなる」とおっしゃっていて、まさしく!と同感したのです。

(JAXAとしては「おまえのハコベと同じにするな」と思ってるでしょうけど。笑)

思い込みは無くせないけど、立ち止まることはできる

こういった、知った気、思い込み、固定観念を、まったくゼロにするのは難しいでしょう。だけど「知った気になってない?」と自問し立ち止まることは可能です。

その辺に生えている草や、小さな虫を「取るに足りないもの」と扱い、見て見ないふりは超簡単。たとえ、名前を知ったところであなたの人生を大きく変える発見はないでしょう。

しかし計算も、翻訳も、執筆も、描画もコンピューターのほうが高性能になってしまった現在。人間に残されているのは「それって本当?」と鵜呑みにしない能力を鍛えることなのかもしれません。

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