愛なんか、知らない。 第5章 ⑧再生の家
おじいさんは家の中を覗き込んでいる。
「いやあ、細かい、細かい。教科書を束ねてあるのまで作ってるよ、これ。ここの段ボールからプラモがはみ出してる。いや、すごいね」
おじいさんの瞳はキラキラ輝いてる。
「すみません、家の中まで入っちゃって。鍵が開いてたんで」
「ああ、泥棒がカギを壊しちゃったみたいだから」
「えっ、そうなの? 初めて聞いたけど」
「近所の人が勝志んところに連絡入れたみたいだよ。ドアノブが壊されてるって。でも、足の踏み場がなくて、泥棒も中に入るのを断念したみ