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不妊症の遺伝リスク

こんばんは(^ ^)クマです!

今日は久しぶりに男性不妊のお話です。

男性不妊が遺伝するリスクってあるの?

気になるところですよね。

遺伝が関係することもあるのでそこを少しだけ紹介していきます。



◎クラインフェルター症候群

男性不妊の中で性染色体が関係する疾患です。

クラインフェルター症候群をもった方から同じ染色体核型の赤ちゃんが生まれたという報告はないため、基本的には遺伝子しない疾患と思って大丈夫です。

クラインフェルター症候群をもったカップルが妊娠した時に、出生前診断をせずに健常児が生まれたという報告は過去にかなり多くあります。

クラインフェルター症候群では妊娠に至らないケースも多いですが、体外受精にて妊娠される方もいらっしゃいます。詳しくは以前まとめたことがあるのでそちらをご覧ください。




◎カルマン症候群

カルマン症候群は、脳内の視床下部という性発育を司るところの神経の分布に障害をきたしていて性腺機能が低下してしまうことをいいます。

臭いを感じる神経(嗅神経)と、視床下部から指令を出すホルモンを分泌する細胞は同じ道をたどって完成するため、カルマン症候群では嗅覚の異常をきたすことも多いです。

頻度は5万人に1人とされています。

カルマン症候群は性腺刺激ホルモン放出ホルモン(GnRH)を投与することで生殖機能を回復できる可能性があります。

原因遺伝子は30以上報告されていますが、それらの異常を伴うものは全体の40%ほどです。遺伝形式も様々なので、遺伝形式によって遺伝リスクは変わってきます




◎Y染色体微小欠失

Y染色体長腕上のAZF領域というところが微小欠失していることをいいます。

クラインフェルター症候群についで多い不妊原因で、乏精子症の方が検査をしたら見つかったというケースもあります。

検査は採血で分かりますが、遺伝子検査になるので費用がかなり高い上に、多くの病院で実施しているというわけではないようです。

Y染色体微小欠失でも顕微授精にて妊娠は可能です。しかし、生まれてきた児が男児だった場合、Y染色体は1個しかないため、Y染色体微小欠失は100%遺伝子します




◎先天性両側精管欠損症

先天性両側精管欠損症は名前の通り、生まれつき両側の精管が欠損している状態のことを言います。

原因はCFTR 遺伝子というところの変異です。

先天性両側精管欠損症は、閉塞性無精子症を引き起こします。なので、治療法は閉塞性無精子症と同様で、精巣から精子を回収してくる方法で行います。

常染色体劣性遺伝の可能性があります。



◎原因不明

原因が解明されていない遺伝子の異常が遺伝する可能性も0ではありません。そのため、様々な検査をしても原因がわからないというケースもあるかもしれません。

その場合、治療法は一般不妊治療からスタートし、なかなか妊娠に至らなければ体外受精となるでしょう。

必要時にはカウンセリングを受けてみてもいいかもしれませんね。




今日は少し難しい内容が多くなってしまいましたが、以上になります。

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